« ネコに爪とぎをされる女 | トップページ | ポルターガイスト »

2018年6月10日 (日)

野人と人間のハーフ

Photo
もうかなり前の話になるが、テレビで中国の山奥へ「野人」を探しに行くという番組をやっていたことがある。


野人とは未確認生物、「UMA」の一つとされていて、二足歩行をする大型の類人猿だという。


野人のような二足歩行をする未確認生物は、じつは世界各地から目撃報告がある。


「ビックフット」や「雪男」は特に有名で、ご存知のかたも多いだろう。


どうやら中国の野人も、ビックフットや雪男と同じようなタイプのUMAらしい。


テレビでは取材班が現地に着き、「自分は野人を見たことがある」という人たちのインタビューが次々と紹介されて行く。


彼らに共通しているのは、「二足歩行をする大型の類人猿を見た」ということで、それ以上の話はなぜかこれといって出て来なかった。


なかには野人の絵まで描いて丁寧に説明してくれる者もいたが、そういう人に限ってなぜか絵心がなく、何が描いてあるのかよく分からなかったり、大きなスケッチブックの真ん中に、アリが止まっているのかと思うくらいちっちゃな絵が描いてあったりで、せっかく描いてもらった絵が、残念ながら何の役にもたっていない。


分かりやすく言えば幼児レベルの絵なのだ。


絵を見せられる側からしたら、せめて小学生レベルであってほしいものだ。


まぁ、どちらにしても低レベルな話ではあるが・・・・・・。


テレビでは現地で得た情報をもとにいよいよ野人の捜索へ向かおうとしていた。


取材班は登山用の大きなバックパックを背負って、神妙な面持ちで山道へ入って行く。


しかし、冷静になってよく考えてみれば、ゴリラよりもずっと大きな、ヒグマクラスの「獣人」を探しに行くというのに、あまりにも軽装すぎやしないか。


一応、山登りやキャンプの装備はもっているものの、万が一、野人と対峙してしまった時に身を守るための物を、彼らは何も持って来ていないのである・・・・・・。


彼らはテレビクルーなので、目的は野人を撮影することにある。


しかし、大きな三脚やセンサーカメラなどを持って来ているところをみると、どうも彼らは初めからある程度距離のある撮影を想定しているように感じる。


しかし、相手は生き物だ。


いや、野生動物と言った方がいいかもしれない。


野生の動物がこちらの想定している通りに行動してくれるとはとても思えない。


突然、薮の中から飛び出して来て、襲われることだってあるかもしれない。


日本だって毎年何人もの人が熊に襲われ大怪我をしているのだ。


中には命を落とす人だっている。


と、そんなこちらの心配をよそに、取材班は野人に襲われることもなく、全員無事に下山することになった。


早い話が野人に出会うことも、撮影することも出来なかったのだ。


何も収穫のなかった取材班は、当然のことながら落胆していた。


野人そのものを撮影出来なかったとしても、せめて野人のものとおぼしき体毛やウンコ、足跡でも見つかっていれば、それだけで何とかなってしまうのがテレビというものだ。


ところが、今回はそれすらもない。


きっと、想定外だったに違いない・・・・・・。

 

Photo_2
「このままでは帰れない」と顔に書いてある日本人を不憫に思ったのか、現地のガイドさんが気を利かせ、あちこちに電話をかけてくれているようだった。


野人情報のネットワークのようなものがあるのだろうか。


そのかいがあって、ガイドさんが「野人そのものではないんだけど、〇〇村に野人と人間のハーフがいて実際に会えるらしい」と話を持ちかけて来た。


「野人と人間のハーフ」と聞いて、誰もが「怪しい情報」と感じたに違いない。


「宇宙人と人間のハーフ」に何度もだまされて来た日本人をなめてもらっては困る。


しかし、「実際に会える」という点に関しては、野人の「や」の字も撮影出来なかった彼らにとって、とても魅力的な話だったに違いない。


他に野人についての有力な情報はこれといって何もないのだから、「野人と人間のハーフ」が番組に使えるかどうかはともかくとして、とりあえず会っておこうということになり、早速、翌日に「なんとか村」へ向かうことになった。


この番組はもう放送されたのがかなり前の話なので、記憶がちょっと定かではないのだが、確か「なんとか村」は平地ではなく山地にあったと記憶している・・・・・・。

 

で、程なくして、取材班は「なんとか村」に着いて、村人に「野人と人間のハーフ」についての聞き込みを開始した。


するといきなり、「確かに彼は野人と人間のハーフでこの村に住んでいる」という。


それなら話は早い。


早速、「会わせてもらえないか?」と聞くと、「彼はいつも自然の中にいるから、その辺を探してみるといい」という。


村人は「あの大きな岩がある辺りが彼のお気に入りだから、あの辺を中心に探すといいかも」と指をさすと、「僕も一緒に探してあげるよ」と言って、ゆっくりと歩き出した。


村人はしばらく取材班と一緒に歩き、「野人と人間のハーフ」を探し回っていたが、なかなか見つからないので、「もしかしたら、林の中に入って行ったのかもしれない。探して来るからちょっとここで待っていて」と言って、雑木林の中に消えて行った・・・・・・。


取材班は「野人と人間のハーフ」のお気に入りだという大きな岩の所で村人を待つことにした。


しかし、「野人と人間のハーフ」なんて本当にいるのか?


「雑木林に消えて行った、あの人の良さそうな村人が、着ぐるみでも着て出て来るんじゃないだろうな・・・・・・」などと誰もが思い始めたころ、「お~~い!」という、あの村人の声が林の方から聞こえて来た。


そして、カメラがその声の方向に振られた直後、なんとも衝撃の映像がお茶の間に流されることになった。


奥の繁みから「バッ!」と飛び出て来て、こちらに向かって走って来たのは、かなりの長身で痩せ型の丸裸の男性だった。


多くの視聴者がこの瞬間仰天したと思うのだが、個人的にはやや冷静に「ジャイアント馬場にちょっと雰囲気が似ているな~」と思っていた。


テレビの画面にはここぞとばかりに、「ついにカメラは捉えた!!野人と人間のハーフ!!」みたいなことが、デカデカと映し出されていた。


「野人と人間のハーフ」というからには、普通の人よりもかなり毛深いのだろうと、勝手に思っていたのだが、彼には胸毛すらなくて、全身つるんとした印象だった。


唯一、彼が「野人と人間のハーフ」と言われる所以と思われるのが、その背の高さだったのだが、そんなことよりもお茶の間に衝撃を与えたのは、走りながら右へ左へ、ぶらん、ぶらんと振り子運動を続ける、正に野人級の珍棒の方だった。


それは読んで字のごとく、「珍しい棒」という表現がぴったりのシロモノで、そこだけが唯一、「野人と人間のハーフ」をしっかりと自己主張していた。


それにしても、いくら彼が「野人と人間のハーフ」でも、珍棒丸出しの状態を、モザイクもかけずに放送してしまってよいものなのだろうか・・・・・・。


動物番組で野生動物の生殖器にモザイクやボカシが入っているのは見たことがない。


ということは、「野人と人間のハーフ」である彼は、「動物」という位置付けなのか。


しかし、彼には野人を彷彿させるような体毛は一切なく、目立つ体毛といえば、頭や脇、陰部など人間と全くいっしょだった。


しかも、彼は普通に人の言葉を話すことも出来て、インタビューにも答えている。


ということは、「ただの長身の人間じゃねぇか」ということになる。


中国という国は素っ裸で外を歩き回っていても、警察に捕まらないのだろうか・・・・・・。


で、個人的な結論としては、「野人と人間のハーフ」と呼ばれている彼は、「素っ裸で日常生活を送る、背の高い変態のおっさん」ということなるだろう。


きっと、ほとんどの視聴者がそう感じたと思うのだが、唯一、制作者であるテレビ局だけは、そうは思わなかったらしく、野人の珍棒を何のためらいもなくそのまま放送してしまい、視聴者に衝撃を与えたのである。


そしてその後、放送倫理委員会などからお咎めがあったという話も聞かず、その後も一部分をカットした映像を他の番組でも使い回したりしていて、私はますますテレビというものが分からなくなったのだった・・・・・・。


(画像上はクリの花に吸蜜に訪れたアカシジミ、画像下は林床から顔を出したドクベニタケ)

« ネコに爪とぎをされる女 | トップページ | ポルターガイスト »

エッセイ」カテゴリの記事

昆虫」カテゴリの記事

キノコ」カテゴリの記事

オカルト(都市伝説)」カテゴリの記事

昭和のテレビ番組」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 野人と人間のハーフ:

« ネコに爪とぎをされる女 | トップページ | ポルターガイスト »

2026年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

にほんブログ村