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2019年11月23日 (土)

給食の思い出

Photo_20191123095001

私が小学生の頃、給食に付いて来る牛乳は「三角牛乳」だった。


三角牛乳はピラミッド型の紙パックに入った牛乳で、当時はスーパーなどで普通に売られていることはなく、給食以外では一度も見たことがなかった。


私は子供の頃、牛乳がどうも苦手で、家では全く飲むことはなかった。


しかし、給食について来る三角牛乳は、家の冷蔵庫に入っている牛乳と違って、牛乳特有の臭みのようなものがなく、味もあっさりしていて、とても飲みやすく、不思議なくらいゴクゴク飲むことが出来た・・・・・・。


当時、私の通っていた小学校では、毎週月曜日になると、給食の時間に栄養士が各教室を回って来て、給食の献立や食材の栄養効果について、色々と話をして行った。


栄養士の話で特に印象に残っているのは、「給食は三角食べをしなさい」というもので、まずは牛乳で口を潤し、次にパンを一口食べ、続いておかず、そして再び牛乳というローテーションで食べ進んで行くのがよいと言われていた。


私が小学生の頃は、給食にご飯はたまにしか出なかったが、ご飯の時にも牛乳は必ず付いていて、三角食べをして行くと、牛乳とご飯が口の中で混ざり合い、なんとも気持ちが悪かったのを、今でもはっきりと覚えている・・・・・・。


どういう訳か、冬になると三角牛乳は、なぜか異常なくらい冷えていて、凍る一歩手前なのではないかと思うほどだった。


こんな時も栄養士は、「冷たい牛乳を飲むと、お腹が弱い人はお腹を壊すこともあるから、慌てて飲まないで、口の中で少し温めてから、一口ずつゆっくりと飲むように」と指導していた。


あとで聞いた話では、いつも給食を一足先に食べている校長先生が、冷たすぎる牛乳を飲んで腹を壊したらしい。


校長先生が給食を食べる時は、牛乳も配達されたばかりで、我々が給食で牛乳を飲む時よりも更に冷えているらしく、もしかしたらシャーベット状に近いものだったのかもしれない・・・・・・。


給食の三角牛乳はごくた~まに何の前触れもなく、コーヒー牛乳になることがあった。


私はコーヒー牛乳は家でもよく飲んでいたので、これは大歓迎だった。
出来ることなら、毎回コーヒー牛乳にして欲しいぐらいである。


牛乳とコーヒー牛乳は、同じ「牛乳」と名前の付く飲み物なのに、牛乳にコーヒーがプラスされるだけで、牛乳とは全く違う、「うまい飲み物」に変身するのだ。


そもそも牛乳というのは、コーヒーを加えて、コーヒー牛乳にする前段階のもので、本来はそのまま飲むものではないのではないかと、子供の頃はよく思っていたものだ・・・・・・。


牛乳といえば、男子はよく友達とふざけ合いながら給食を食べていて、爆笑しながら鼻の穴から牛乳を噴いているバカなやつが、クラスに一人は必ずいたものだ。


こういうやつはたいていその後、「牛乳」とか「噴水」というあだ名になることが多かった・・・・・・。


先にも書いた通り、私の子供の頃は給食にご飯はたまにしか出なかったので、牛乳と同様にパンは給食の主食として必ず付いて来た。


パンの種類はバターロールパン、コッペパン、食パンなどが日替わりで出ていたと思う。


なかでもコッペパンは特に印象に残っている。


当時のコッペパンは信じられないくらい巨大で、現在コンビニなどで売られているコッペパンの倍近い大きさだった。


大きくて美味いのならお得感があり、お腹も満たされて大満足なのだが、当時のコッペパンはなんだかパサパサした食感で、口の中の水分をパンに全部持って行かれて、非常に食べづらいものだった。


そのせいもあって、食べ切れない者も少なくなく、午後の授業が始まっても、まだ食べさせられている者もいたくらいだ。


今と違って当時は給食は完食が原則だったのである。


悪知恵の働くやつは、「これは食べ切れない」と見るや、机の中にパンを隠して食べたことにしている者もいた。


ところがそういうのに限ってバカなやつが多く、夏休みや冬休みの前に、机やロッカーの中の物を全部出して整理させられる時に、カビだらけのパンがいくつも出て来て、結局は先生に怒られることになるのである。


さっさと家に持ち帰るなり、処分してしまうなりしておけばいいものを、「バカなやつだな~」といつも思っていたものだ・・・・・・。


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このように当時は給食のコッペパンは、「大きい、まずい、食べづらい」と思っている者がほとんどだったのだが、一手間を加えることで、誰もが美味いと感じる、全く別の食べ物へと変貌を遂げる。


その食べ物とは、ズバリ「あげパン」である。


「あげパン」はコッペパンを油で揚げて、砂糖をまぶしただけのものなのに、たったそれだけのことで、「こうも変わるか!」と不思議に思うほど、全く別のハイグレードな食べ物に変身していた。


コッペパンと言うのは、「あげパン」を作る前段階のパンで、本来はそのまま食べるものではないのではないかと、いつも思っていたものである。


そして、コッペパンは余っていても、誰もお代わりに手を上げる者なんていなかったのに、あげパンになると大人数の争奪戦となり、入手できる可能性は極めて低かったのである・・・・・・。


給食のパンと言えば、銀色の包み紙で包まれた、四角いマーガリンやチーズがいっしょに付いて来ることがよくあった。


こんな形のマーガリンは給食でしか見たことがなく、冬は石のように固く、夏はゆるゆるで、どちらにしてもパンに塗りづらくてしょうがなかった。


また、不器用なやつはマーガリンが出ると、決まって手がベタベタになっていたものだ。


チーズは近所の犬にあげようとして、密かに持ち帰るものが多かった。
そのせいか学校の近くの犬たちは、みんなぶくぶくと太っていたのを覚えている・・・・・・。


給食の主食として出されるメニューで、パンの次に多かったのは「ソフト麺」だった。


「ソフト麺」は見た目はうどんそのものだったが、うどんよりも軟らかい不思議な食感で、一口食べただけでうどんではないことはすぐに分かった。


あとで聞いた話では「ソフト麺」は、「牛乳に合う麺」として学校給食用に特別に開発された麺だという。


1965年に東京で最初に学校給食に採用され、その後は定番メニューとなって行ったそうだ。


それにしても、「牛乳に合う麺として開発された」ってすごいな~と思う。


まず、牛乳を飲ませることが前提になっているのだ。
そうまでして牛乳って飲まないといけないものなのか・・・・・・。


ソフト麺は配達の前に、ビニールに入れたまま茹でるそうで、その後は約60度に保たれた状態で納品される。


その後、再び給食室で温めていたのかどうかは定かではないが、ソフト麺のガサガサした袋を開ける時は、火傷をしそうなくらい熱かったのを、今でもはっきりと覚えている。


早く食べたいのに、あまりにも熱いので、少し冷めるのを待っていなければならない時のもどかしさは、きっと犬がご飯を前に、「待て!」をさせられている時の気持ちと同じに違いない・・・・・・。


ソフト麺が出る時は、カレーやミートソースがおかずになっていて、それぞれ「カレーうどん風」、「ミートソーススパゲッティ風」にして食べていたのを覚えている。


現在ではご飯やスパゲッティも普通に給食で出されるようになり、献立もそれぞれ、「カレーライス」、「スパゲッティミートソース」となり、ソフト麺の「〇〇〇風」の時代は、私が知らないうちに、すでに終焉を迎えていたようだ・・・・・・。


ちなみにソフト麺というのは、配達当日の朝に、約90度の温度で40分間の蒸気殺菌が必要とのことで、納品までにとても手間がかかるものだったのだそう。


このため、採算が合わずに廃業する業者が増え、給食での提供を取りやめる地域が増えて行ったのだという。


そのような背景もあって、現在ではソフト麺はほとんどの地域で、給食で出されることはなくなったらしい・・・・・・。


私がソフト麺で特に印象に残っているのは、牛乳のエピソードとかぶるのだが、友達とふざけて爆笑しながら麺をすすっていたバカな男子が、鼻からソフト麺が一本、「ニュル」っと出て来ているにも関わらず、それでも笑いが治まらずに、笑い続けているという非常にバカバカしいシーンである。


そして彼はその後も笑い続け、呼吸に合わせるようにソフト麺が出たり入ったりして、その様子を見ていた周囲の者にも、その笑いを伝染させて行ったのである。


そして最後は鼻から出ていたソフト麺は鼻の中にスーッと吸収されて行き、結局彼はそのソフト麺も美味しくいただいたようだった。


ある意味、これはイリュージョンと言ってもいいのかもしれない・・・・・・。


そして彼は翌日から「うどん男」とか、「ところてんマン」と呼ばれることになったのである・・・・・・。


(画像上は民家の垣根から顔を出して咲くコンギク、画像下はナラタケの群生。今秋の里山はナラタケの当たり年となった・・・)


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