夏休みのラジオ体操(後編)
▲現代のラジオ体操カードはとてもカラフルに。2021年度版のカードには、かんぽ生命のキャラクターの「かんぽくん(左)」と、日本郵政のキャラクターの「ぽすくま(右)」が採用されている。
前回は昭和50~60年代、ちょうど私が小学生だった頃の、夏休みのラジオ体操事情について、いろいろと書かせてもらった。
ところが、現在では夏休みのラジオ体操は、当時と比べてずいぶんと様変わりしてしまっているらしいのだ。
という訳で、今回はその辺のことについて、ちょっと書いてみたいと思っている・・・・・・。
私が小学生の頃は、夏休みの期間中(7月20日~8月31日)は、朝6時30分から始まるラジオ体操に、原則として毎日参加しなくてはならなかった。
そして夏休み明けには、ハンコでいっぱいになったラジオ体操カードを、担任に提出しなければならなかったので、ラジオ体操に行かないなどという選択肢はこれっぽっちもなかったのである。
ところが現在では、ラジオ体操は必ずしも必須ではなくなり、期間も大幅に短縮して実地しているというから驚きである。
期間については、地域にもよるようだが、夏休みの最初の1~2週間だけ行うとか、夏休みの前後の5日間(合計10日間)だけ行うとか、7月の間だけ実地するという所もあるようだ。
どちらにしても、私が小学生の頃に比べたら、今の子供たちはかなり楽をしているということになるだろう。
何しろ私が小学生の頃は、夏休みの期間中のじつに40日以上を、毎朝6時に起きてラジオ体操に出かけなくてはならなかったのだ。
「夏休み中の子供たちは気が緩みがちで、ついつい夜更かしをしてしまう。その結果、次の日の朝、いつも通り起きることが出来ず、ダラダラと遅くまで寝てしまうことになる。ラジオ体操はこのようなダラけた生活習慣を正すために行う!」などと、声高らかに宣言されていたあの頃はいったいなんだったのか・・・・・・。
では、どうして夏休みの定番行事でもあったラジオ体操が、近年は規模を大幅に縮小して行われるようになったのだろう。
これについては、いくつか理由があるようだ。
まず、1つ目は町内にラジオ体操が出来るような、人が集まれる場所がなくなってしまったことだ。
私が小学生の頃、ラジオ体操をやっていたのは、家から2~3分の場所にある、通称「ちびっこ広場」と呼ばれていた原っぱだった。
当時はそんなちょっとした空き地が、どこの町内にも1つ2つは必ずあったものだが、最近では開発が進んで、どこを探してもそんなスペースはなくなってしまった。
そうなると、ラジオ体操をするにしても集まる場所がなく、わざわざ学校や公園まで出かけなくてはならないことになる・・・・・・。
2つ目の理由は少子化の影響。
私が子供の頃、各地域のラジオ体操を主催していたのは子供会や町内会だった。
しかし、現在では少子化の影響で、そもそも子供会自体がない地域も少なくないのだそう・・・・・・。
3つ目の理由としては、共働き世帯が増えたこと。
どうやら、朝の忙しい時間帯に、子供のラジオ体操の当番など、やっていられないということらしい。
更に都市部では、核家族化の影響も大きいという・・・・・・。
また近年は住宅が密集するようになり、騒音の問題も取り沙汰されるようになって、早朝に大勢で集まってするラジオ体操は、実施しずらい世の中になってしまったようだ・・・・・・。
▲現代のラジオ体操カードはデザインもとても凝っている。1色刷りでハンコを押すためのマス目だけが整然と並んでいた、昭和のラジオ体操カードとは全くの別物と言っていいだろう。
ところで、夏休みのラジオ体操の代名詞と言えば「ラジオ体操カード」である。
私が小学生の頃のラジオ体操カードは、とてもシンプルなデザインだった。
カードの上部には、住所、氏名、学校名、そして学年と組を書く欄があって、学校に提出することを前提に作られていたことがよく分かる。
そしてその下は、いわゆる日付のマス目のみが書かれた、シンプルなカレンダーのような作りになっており、7月20日から8月31日までの日付が整然と並んでいた。
そして、そのカレンダーのバックには、でかでかとラジオ体操をしている男の子のイラストが、透かしのように、うす~くプリントされていたのを覚えている。
後で知ったのだが、この男の子のキャラクターは、「ラタ坊」というのだそうだ。
キャラクターが来ているTシャツに大きく「R」とプリントされていたのは、どうやら「ラタ坊」の頭文字の「R」だったようだ。
ちなみに当時のラジオ体操カードはシンプルな1色刷りで、確か濃紺のインクで印刷されていたように記憶している。
現在のラジオ体操カードは、当時とは比べ物にならないくらいカラフルになり、デザインも定期的に変更されるようになったのだとか。
背景にはポケモンなどのキャラクターが使われていたり、カレンダーもただのマス目ではなくなり、丸い形が採用されたり、その配置についても、渦巻き状だったり、まばらに配置されていたりで、とても楽しいデザインになっている。
そして何よりも触ってみて感じるのは、カードの紙質が格段によくなったことだ。
昔のラジオ体操カードは、毎日首にぶら下げて歩いていると、すぐに反って来たり、シワになったり、折れ目が付いたりしていたものだが、現代のカードはきちんと表面がコーティングされていて、そんなことはまず起こらないだろう。
ちなみにこのラジオ体操カード、子供の時以来、もう全く見ていないというかたも多いのではないだろうか。
じつは一般にあまり知られていないことだが、ラジオ体操カードは、時期になると郵便局やかんぽ生命の支店でもらうことが出来る。
もちろん無料である。
ただし、入り口で配っているという訳ではないので、窓口に「ラジオ体操カードが欲しいのですが」と声をかけなければもらえない。
ポスターなどで告知されている訳でもないので、「本当にもらえるのだろうか?」とか、窓口の人に、「何を言ってるんだ、あんたは」とか思われたりしないだろうかなどと、ちょっと不安になるかもしれない。
でも、久しぶりに見るラジオ体操カードは、昔とはガラリと変わっていて、きっと感動必至である。
ぜひ、勇気を出して、窓口に「ラジオ体操カード下さい!」と声をかけてみて欲しい。
そして、昔を懐かしむのもいいし、久しぶりにラジオ体操にチャレンジしてみるのもいいかと思う・・・・・・。
« 夏休みのラジオ体操(前編) | トップページ | 「ドラクエⅥ」2つの世界 »
「エッセイ」カテゴリの記事
- 昭和のワッフル(2026.08.05)
- 教会から消えた十字架(2026.07.29)
- 平らなところでつまずく人(2026.07.22)
- ビン入りコーラのうわさ(2026.07.15)
「昭和」カテゴリの記事
- 昭和のワッフル(2026.08.05)
- 教会から消えた十字架(2026.07.29)
- ビン入りコーラのうわさ(2026.07.15)
- 中国のビックリ人間(2026.07.08)
「小学校」カテゴリの記事
- 昭和の頃によく見た光景(2026.06.24)
- 魔法瓶(2026.01.28)
- サカタのタネガーデンセンター(2025.10.01)
- 音楽室のうわさと鼻血の原因(2025.08.20)
「変わりゆく町並み」カテゴリの記事
- サカタのタネガーデンセンター(2025.10.01)
- 晦日祓い(2025.09.10)
- トイレにはキンモクセイ(2025.07.30)
- お年玉の通帳はどこへ・・・(2025.03.19)
- 牛乳配達(2025.01.29)


コメント