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2021年10月25日 (月)

「昭和の商店街」個人経営の小さな書店

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私が子供の頃は個人経営の小さな書店が、まだ町のあちこちにあったものである。


そのような店では、決まって「〇〇書店」と、店主のみよじが入った大きな看板を、軒の上に掲げていることが多かった。


町の本屋さんは、せいぜい畳2~3畳程度の広さの所が最も多く、広い店でも6畳程度の広さだったと思う。


このような店では店内が狭いので、売れ筋の雑誌は、店の外に大きな台を出して平面陳列されていた。


私が子供の頃は、今とは比べ物にならないくらい、子供の数が多かったので、店先に平面陳列されている雑誌は、そのほとんどが「小学一年生」などの学年誌だった。


今では考えられないことだが、当時は小学一年生から小学六年生、そして中学一年から中学三年、高校一年から高校三年までの、全ての学年誌が揃っていた時代だったのだ。


もっと言うなら、幼稚園や未就学の児童向けの雑誌もあったので、学年誌だけでかなりの売り場面積を必要としていた。


当時、学年誌が人気だったのは、ただの学習雑誌という位置付けではなく、漫画をはじめ娯楽要素の高いページが多かったからだ。


今となっては知る人は少ないが、国民的アニメに成長した「ドラえもん」や、一世を風靡した「あさりちゃん」などは、もともとは当時の小学生向けの学年誌から誕生した漫画だったのである・・・・・・。


そして中学、高校の学年誌になって来ると、表紙の趣からして、それまでのものとはガラリと変わる。


毎号、女性アイドルがカメラ目線で、にっこりとほほ笑んでいるのである。


いま思うと、タイトルがなければとても学習雑誌には見えなかった。


アイドル全盛と言われたあの当時は、その魅力に取りつかれてしまう男子生徒も多くいて、別に学年誌が欲しかった訳ではないのに、「本屋で〇〇ちゃんが、俺に微笑みかけていたから、ついつい買ってしまった」なんて馬鹿なことを言っているやつもいたくらいだ。


表紙一杯に写された、大きな顔写真が定番だったところをみると、どうやらそれが出版社の狙いだったのかもしれない。


欲しくもないのに学年誌を買ってしまった彼は、正に出版社の思惑に、見事にハマってしまっていたということになるだろう。


小学校高学年ぐらいになって来ると、じょじょに興味の幅が広がって行き、ジャンプやマガジンなどの漫画雑誌や、ファミコンやプロレスの専門誌を買う者が増えて来る。


そしてそれと同時に、学年誌からは離れて行く読者が増えて行くのだ。


いま思うと、表紙の女性アイドルの顔写真は、そんな読者を繋ぎとめるための、苦肉の策だったのかも知れない・・・・・・。


そんな一時代を築いて来た学年誌だったが、2009年ごろから廃刊が相次ぎ、現在では「小学一年生」、「入学準備小学一年生」、「季刊学習幼稚園」の3誌が残るのみとなった。


なんとも寂しい限りである。


インターネットで簡単に情報を入手出来る時代になったことや、少子化で子供の数が減少したことなどが、その要因になったと思われる・・・・・・。


Photo_20211023084101

当時、町のあちこちにあった、個人経営の小さな書店では、月刊誌や週刊誌の定期購読も受け付けていた。


と言っても、出版社に料金を先払いして、毎号郵送してもらうという、現代でもお馴染みのあのスタイルではない。


店主に定期購読を頼んでおくと、毎号「取り置き」で1冊確保しておいてくれるのだ。


こうしておけば、発売日に店に買いに行ったはいいが、売り切れで買えなかったなんてことは起こらない。


当時はこのシステムを利用している客がたくさんいて、レジの奥にある取り置き棚には、紙袋に入れられて、〇〇様と書かれた雑誌がびっしりと詰まっていたものだ。


また、多い時には、レジが置かれているテーブルにも、取り置き雑誌が山積みにされていて、お釣りの受け渡しに支障をきたしていたこともあったぐらいだ。


当時はどこの家でも、近所の商店街で買い物をしていたので、夕方に晩御飯のおかずを買いに来たお母さんが、家族が取り置きしておいてもらった雑誌を、受け取りに立ち寄ることが多かった。


店主もそのことを心得ていて、客の姿が見えると、「〇〇さ~ん、雑誌入荷してるよ~!」と、声を掛けてくれたりしていたものだ・・・・・・。


また、店によっては、定期購読している雑誌が発売になると、わざわざ家まで配達をしてくれる所もあった。


まだ、当時は核家族化も進んでおらず、共働き家庭も少なかったので、今と違って家には必ず誰かしらいたため、このようなシステムが成り立っていたのである。


そしてこのような店では、なんと読み終わった雑誌の引き取りもしてくれていた。


今ではちょっと考えられないような話だが、当時は本当に何から何まで至れり尽くせりだったのだ。


理髪店や美容室などでは、客の待ち時間用に、たくさんの雑誌を置いているので、一般家庭よりも、この配達、引き取りのサービスはありがたかったらしい。


最近、近所の理髪店で聞いた話では、町内から個人経営の書店がなくなってしまった時、わざわざ隣町に一軒だけ残っている書店まで行って、定期配達を頼んで来たと言っていた。


その書店はまだ辛うじて残っていて、雑誌の配達を続けてくれているらしい・・・・・・。


本好きの私としては、近所に書店がないと非常に不便である。


ちょっと本を探したい時に、わざわざ電車に乗って、大きな本屋まで出向かなければならないからだ。


面倒くさいことこの上ない。


人は昔と比べて便利な世の中になったというけれど、個人的にはこのように不便に感じることも少なくない・・・・・・。


(画像上、今年は寒くなるのが早かったせいか、里山は早くも色付き始めている。画像下、横浜では今秋、南方系のチョウ、クロマダラソテツシジミが大発生している。ここまでの数を確認したのは初めてである・・・・・・)


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