昭和の乾電池事情
▲「National」が「Panasonic」に変更になったものの、今も昭和の頃と変わらぬデザインで発売されている乾電池。そう、このデザインの乾電池はまだ売られているのだ。当時は赤い乾電池の「Hi-Top」と、黒い乾電池の「NEO Hi-Top」があった・・・・・・。
昭和の頃、乾電池といってイメージするのは、なぜか決まってナショナルブランドだった。
近所の商店街の電気屋さんがナショナルのお店だったこともあると思うが、当時うちではナショナルの乾電池以外は見たことがなかった。
コンビニやドラッグストアがまだなかった頃は、乾電池はどこでも手軽に買えるものではなくて、電気屋さんに行って買うものだったのだ。
で、私が子供の頃に、家で見慣れていた乾電池のデザインは、ズバリ上の画像のものだった。
これはパナソニックブランドに変更後のものだが、デザインは昔と何ひとつ変わっていない。
当時のものは、乾電池上部のメーカー名の入っている部分が、「National Hi-Top」と書かれている赤い乾電池と、「National NEO Hi-Top」と書かれている黒い乾電池の2種類があった。
ちなみにどちらの乾電池も、上の画像で「単1形」と書かれている部分には、当時のナショナルのロゴマークが、四角い赤地に丸い白抜きのマークで付けられていた。
私が子供の頃には、すでにどちらの乾電池も売られていたが、赤い乾電池の「Hi-Top」の方が先行して発売されていて、黒い乾電池の「NEO Hi-Top」は、「世界最高寿命の乾電池」と謳われて、その数年後に発売になったのだそうだ・・・・・・。
そして1990年代に入ると、どちらの乾電池も、「National NEO」というブランドに統一されることになった。
で、これがパナソニックブランドに変更後も引き継がれたという訳だ。
私は子供の頃からこのデザインに慣れ親しんで来たせいか、乾電池と言って思い浮かべるのは、未だに上の画像のデザインだ。
最近各社から発売になっている乾電池はどれも金ピカで個性がなくていけない・・・・・・。
ところで上の画像の乾電池は、ずっしりと重たい単1形だが、昭和の頃はこの単1形や、これより一回り小さい単2形の乾電池の出番が多かった。
懐中電灯や石油ストーブに入れる乾電池は決まって単1形だったし、目覚まし時計やラジカセには単2形を使用していた。
だから昭和の頃の懐中電灯や目覚まし時計は、サイズの割にやたらと重たかったものである。
懐中電灯なんてボディも金属製だったので、乾電池を2本入れると、子供にはまるで鉄アレイのごとく重たくて、ちょっとした筋トレになっていたのではないかと思えるほどだった・・・・・・。
▲単1形の乾電池はとにかく大きく重かった。現在では単3乾電池を使用する機器が増えたが、昭和の頃はこの単1形と、これより一回り小さい単2形の出番が多かったのだ・・・・・・。
ところでこれまでお話して来たNationalブランドの赤と黒の乾電池は「マンガン乾電池」と呼ばれていた。
そして現在我々が日常で何気なく使用している乾電池は「アルカリ乾電池」が主になる。
「マンガン乾電池」の特徴としては、間隔を開けて使用することで、電圧が回復して長持ちすることにある。
例えば懐中電灯や様々な機器のリモコンなど、ずっと電流を流しておく必要のないものに向いている。
一方の「アルカリ乾電池」は、マンガン乾電池よりも大きな電流を流せるようになり、電池を使うおもちゃやデジタルカメラなどに向いている。
で、このアルカリ乾電池が出て来る以前は、マンガン乾電池が赤と黒に分かれていて、赤マンガンは電力を一気に必要としないものに、黒マンガンは電力を一気に必要とするものに使用するとよいとされていた。
具体的に言うなら、リモコンや懐中電灯、時計などには赤マンガン、ラジコンやストーブの点火など、パワーを必要とするものには、黒マンガンを使用することを推奨していた訳だ。
とはいうものの、当時わたしは子供だったので、そんなこととはつゆ知らず、ただの色違いぐらいにしか思っていなかった。
そう言われてみれば、家の懐中電灯の中には、決まって赤い乾電池が入っていたし、石油ストーブには黒い乾電池が入っていた。
両親がそのことを知っていたのかどうかは定かではないが、当時うちには赤と黒の2色の乾電池が、常にストックされていたことは間違いない。
ちなみに現在でも「マンガン乾電池」は売られているので、その用途によって、「アルカリ乾電池」と使い分けるのが正しい使い方といえるだろう・・・・・・。
ところで乾電池と言えば、昭和の頃に電気屋さんの前などに、乾電池の自動販売機が設置されていたのを覚えているだろうか。
ナショナルの電気屋さんの前には、ナショナルの乾電池の自動販売機、東芝の電気屋さんの前には東芝の乾電池の自動販売機が設置されていた。
乾電池は店の中でも売られているのに、なぜ自動販売機が店の前に置かれていたのか、いま考えるとちょっと疑問である。
どうせ自動販売機を設置するのなら、店から離れた場所に設置しなければ意味がないではないか。
しかし、そのような場所で乾電池の自動販売機を見かけたことは、結局のところ一度もなかったように思う・・・・・・。
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