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2023年4月30日 (日)

写ルンです

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▲「写ルンです」人気にあやかって、こんなお菓子まで発売になっていた。こうして見ると、本物の「写ルンです」と同じくらいの大きさに見えるが、じつは手の平ですっぽり包み込めるぐらいの大きさである。ちなみに「食べルンです」は1990年に発売されている・・・・・・。

使い捨てカメラの「写ルンです」が、富士フイルムから発売になったのは、1986(昭和61)年7月1日のことだった。


ちなみにこの「写ルンです」、当時は通称で「使い捨てカメラ」と呼ばれることが多かったのだが、正確には「レンズ付きフイルム」というのが正しい呼び名だ。


しかし、「レンズ付きフイルム」などというと、逆に違和感を感じるという人も少なくないと思う。


じつはこれを「使い捨てカメラ」と呼んでしまうと、法的には「個人の所有物」ということになってしまい、それではちょっと都合の悪いことになって来るのだ。


「写ルンです」は現像のために店が回収して、ばらしてしまうため、カメラとしては持ち主には返さないことになる。


ここに法的な問題が発生して来ることになる訳だ。


まぁ、いわゆる「大人の事情」というやつだ。


だからあくまでも、「レンズ付きフイルム」なのである・・・・・・。


で、当時はこの「レンズ付きフイルム」を発売していたのは富士フイルムだけではなかった。


フイルムメーカーのコダックからは「スナップキッズ」、コニカからは「撮りっきりコニカ」などが発売になっていた。


当時はどこのメーカーも、しきりにCMを流していたので、覚えているかたも少なくないと思う。


このように類似品が各社から発売になっていたことからも分かる通り、当時「レンズ付きフイルム」は生活必需品と言っても過言ではなく、様々なお店に置かれ売られていた・・・・・・。


当時、女子中高生は、学生カバンの中に必ずと言っていいほど、「写ルンです」を忍ばせていて、学校の教室や廊下で、ことあるごとに友達と写真を撮っていた。


友達にシャッターを切ってもらっていることもあったが、それだと全員が揃って写らないので、カメラのレンズを自分側に向けて、強引に撮影をしていることもあった。


「そんなんでちゃんと写るのかよ」と思っていたものだが、意外なことに後でプリントした写真を見せてもらうと、全員ちゃんとフレームに収まっていて驚いたものである。


いま思えば、これが自撮り写真の始まりだったような気がする。


携帯電話やデジタルカメラがまだなかった時代から、自撮り写真がすでに存在していたということに、今更ながら気付かされることとなった・・・・・・。


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▲「食べルンです」のパッケージ裏面。出て来たラムネの色で、明日の占いが出来るようになっていた。なぜ、今日ではなくて、明日の占いなのか、疑問に感じるところではある・・・・・・。

ところで、当時男子たちは、観光地でもない学校の教室や廊下で、毎日会っている友達と、そんなにたくさん写真を撮って、いったい何が楽しいのかと、いつも疑問に思っていたものだ。


しかし、いま考えてみると、学校を卒業してしまえば、2度とこの教室へやって来ることなどないのだ。


そして、あのメンバーで毎日会うことが出来たのも、きっとあの時だけだったろう。


当時の彼女たちが、そのことを悟っていたとは到底思えないが、そういう意味では「写ルンです」で撮ったあの写真の数々は、きっと彼女たちの大切な思い出となったに違いない・・・・・・。


どうでもいいが、あの時見せてもらった写真には、彼女たちの背後に、白目をむいた私が絶妙な距離感でひっそり写り込んでいた。


じつはこれ、偶然ではなく必然である。


どうせ写り込むはずがないと思って、「ぬぼーっ」と立っていたのだが、見事な立ち位置にフレーミングされており、彼女たちの思い出の1カットに、一花添えたといっても過言ではないだろう。


あまりにナイスな構図であったため、撮影者と私の共同作業だったのではないかと、一時うわさになったほどである・・・・・・。


ところでこの「写ルンです」、前述のように類似品がいくつか発売されていたにもかかわらず、なぜか元祖である「写ルンです」を使っている者が圧倒的に多かった。


これはやはり、「写ルンです」のネーミングセンスがよかったからではないかと私は思う。


じつは富士フイルムでは、発売前の商品名の候補を公開していて、「写るんです」、「パットリくん」、「チョンパ」、「西麻布」、「フイルマー」、「カメルム」などがあったとしている。


で、結果的にこの中の「写るんです」が採用されることになる訳なのだが、これだけではインパクトが足りないと思ったのか、「写るんです」と「ルンルン気分」を合わせて、「写ルンです」に最終的に決まったのだという。


もはやどうでもいい話だが、発売前の商品名の候補を見ると、「写るんです(写ルンです)」にして大正解だったと思うのは私だけではあるまい。


「パットリくん」なんて「忍者ハットリくん」のパクリだし、「チョンパ」なんて首チョンパを彷彿させ、心霊写真が増殖しそうな予感がする。


さらに「西麻布」なんて意味不明としか言いようがない。


パッケージを開けたら、西麻布の何が入っているというのか・・・・・・。


当時、女子中高生は、気心の知れた友達と、正にルンルン気分で、毎日のように写真を撮っていた。


そしてそのことは、「写ルンです」という商品名に、そっくりそのまま投影されていたことになる訳だ。


「ルンルン気分で写真が撮れちゃうんです」と言われれば、そりゃあ、「写ルンです」にみんな食いつく訳だ。


「写ルンです」のヒットは、正にネーミングセンスの勝利だったといえるだろう・・・・・・。


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