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2023年4月24日 (月)

スネ夫のママに「感心ざます」と言われたい

Photo_20230420090901

ドラマや漫画、アニメの中ではよく聞くセリフなのに、「現実にはそんなことを言っているやつなんて、1人もいないんじゃないか?」と疑問に感じる言葉がいくつかある。


1つ例をあげるなら、「だまらっしゃい!」が正にそうである。


多くの場合、「だまらっしゃい!」は、金持ちの奥様が、自分の子供や、部下、お手伝いさんなどに言い放つことが多い。


同様の意味で、「おだまり!」もよく使われる。


このように、「だまらっしゃい!」や「おだまり!」は、目上の人が、目下の人に対して言うセリフなのである。


しかし、みなさんは今まで誰かに、「だまらっしゃい!」とか「おだまり!」などと、言われた経験がはたしてあるだろうか。


私はこれまで生きて来た中で、そんなことを言われた経験は、今の今まで一度もない。


単に金持ちの知り合いがいないから、そのセリフを聞く機会がなかっただけなのかもしれないが、自分にとってはなんだか、全くリアリティのない言葉なのである。


それにも関わらず、そのセリフをテレビなどで聞かされても、ほとんどの人はなんの違和感も感じないというのはなぜなのだろうか。


それって、なんだかとても不思議な話である・・・・・・。


金持ちの奥様といえば、昭和の頃の漫画には、「~ざます」という言葉もよく出て来た。


その代表は、「ドラえもん」に出て来る、スネ夫のママではないだろうか。


スネ夫のママなんて令和のこの時代になっても、未だに「~ざます」をアニメの中で使っている。


しかし、よくよく考えてみると、「~ざます」なんて言葉は、先程の「おだまり!」や「だまらっしゃい!」以上に、聞く機会が少ない言葉である。


現実の世界はもとより、ドラマや漫画、アニメの世界でも、使っている人はごく少数だ。


ということは、もしかして「~ざます」は、漫画のキャラクター用に作られた言葉なんじゃないだろうか。


もっと言ってしまえば、スネ夫のママのオリジナルなんじゃないか?


そんな疑問が生まれたので、「~ざます」が本当に日本語として存在しているのか、ちょっと国語辞典を引いて調べてみることにした。


するとこちらの予想に反して、「~ざます」は国語辞典に普通に載っていた。


国語辞典によると「~ざます」は、現在の日常語に分かりやすく言い換えるなら、「ございます」とか「~です」になるようだ・・・・・・。


Photo_20230420090902

また、辞書には「ざんすの変化した語」とも書かれている。


では、「ざんす」とはいったいなんのことだろう。


そこでちょっと調べてみると、「ざんす」とは江戸吉原の遊女が使っていた言葉だったらしい。


遊女言葉の特徴として、敬語の終わりに「んす」を付けることがあげられる。


例えば「ありんす」、「くださんす」、「ござんす」などがそうである。


この「ござんす」が時の流れと共に、「ざます」へと変化して行ったということらしい。


このように「~ざます」は、もともと遊女が使っていた言葉ということもあって、当初は艶めかしい、色っぽい言葉という認識だったようだ・・・・・・。


そしてその後、時代の変化と共に、「~ざます」は遊女言葉から、お上品な言葉へと、人々の認識が変化して行くことになる。


そして昭和20年代の半ばごろまでは、「~ざます」は小説や映画の中で「上品なお嬢様言葉」として、しきりに使われていたようなのだ。


ということはやはり、スネ夫のママのオリジナルではなかったのだ。


ただ、この頃の「~ざます」は、お上品な言葉であったので、スネ夫のママが使うような、「上流家庭気取りの嫌味な言葉」とは、ニュアンスが大きく違っていたようだ。


そしてその後、時代が進み、1950年頃から「~ざます」は使う人が激減し、一気に衰退して行ったという・・・・・・。


そして1960~1970年代には、「~ざます」はもう完全に死語になっていたが、そこをあえて使い続ける人たちがいた。


そうすることによって、「自分はインテリである」とか、「上流家庭である」ということを強調し、相手にそのことを認知させようとしていたのだ。


そう、これは正にスネ夫のママそのものである・・・・・・。


そんな「~ざます」という言葉なのだが、私は現実の世界では、使っている人に出会ったことは一度もない。


フィクションの世界だって、前述のスネ夫のママと、「怪物くん」に出て来るドラキュラ伯爵ぐらいのものである。


今となっては「~ざます」なんて言葉は、もはや聞くことはないのだろうが、1回ぐらいは本物の「~ざます」を聞いてみたかったな~と思ったりもする。


もしかしたら、「だまらっしゃい!」や「おだまり!」なら、まだ聞く機会があるのかもしれないが、これらの言葉が使われるのは、どう考えても自分が怒られる時だ。


それを考えると、ちょっと体験してみたいとは言い難い。


しかし、そこをあえて自分から勇気を出して、飛び込んで行くことで、スネ夫のママに「感心ざます」と言ってもらえるのかもしれない・・・・・・。


(画像上、やわらかな若葉色に包まれた里山。画像下、今年はサツキの開花が早かった・・・・・・)


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