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2023年5月18日 (木)

弁当箱のフタ

Photo_20230514091701

私は子供の頃から、「蓋にこびり付いているもの」が妙に好きだった。


例えば駅弁の内蓋にこびり付いている、ご飯粒などがそうである。


常識的に考えて、駅弁の内蓋にこびり付いているご飯粒は、駅弁の容器に詰められているご飯と全く同じもののはずだ。


ところがどういう訳か、私には内蓋にこびり付いているご飯粒の方が、駅弁の容器に詰められているご飯よりも、数倍美味い気がするのだ。


特に容器に経木が使われている弁当箱のご飯は絶品である。


本来なら「美味いものは最後に食え!」の格言に従って、蓋にこびり付いたご飯粒は、一番最後に一粒ずつ丁寧に味わいたいのだが、そうすると水分が飛んで味が落ちてしまうため、やむを得ず一番最初に味わうことにしている。


しかし、そうはいっても、駅弁の内蓋にくっ付いているご飯粒などたかが知れている。


出来ることなら、他人の買った弁当箱の内蓋も譲り受け、こびり付いたご飯粒を、ありがたくいただきたいぐらいである。


しかし、よほど親しい間柄でもない限りそれは無理で、いつももどかしい思いをしている・・・・・・。


弁当といえば駅弁ばかりではない。


当時、私の住む横浜市では、中学からは給食ではなく、弁当持参だったので、毎朝家から弁当箱を持って通学していた。


そしてこの弁当箱の蓋にも、ご飯粒をはじめ、じつに様々なものがこびり付いていたのである。


ご飯粒といっしょにこびり付いている可能性の高いものに「ふりかけ」があった。


ふりかけの中でも、特に「のり玉」は高確率で蓋に貼り付いていることが多く、蓋にこびり付いたご飯粒を1粒ずつ口へ運びながら、「今日はのり玉つきだぜ、ヘッ、へッ、へッ・・・」などと、周りに気付かれぬよう、弁当箱の蓋で自らの顔を覆い隠しながら、1人ほくそ笑んでいたものである・・・・・・。


また、たまにサプライズで、海苔弁の海苔がベロンと剥がれて、蓋の方に全部くっ付いていてしまっていることがあった。


しかし、ここまで来てしまうと、こびり付いているというよりは、どう見ても「思いがけず剥がれてしまった」ものである。


だからこのような場合は、蓋から丁寧に剥がして、本来あるべきご飯の上へ戻し、普通に海苔弁として食べた方が美味いに決まっている。


蓋にくっ付いていれば、なんでもかんでも美味くなるという訳ではないのである・・・・・・。


Photo_20230514091702

弁当でこびり付くのは、ご飯のエリアばかりではない。


おかずのエリアにもぜひ注目して欲しい。


おかずのエリアで蓋にこびり付いていることが多いのはミートボールの餡である。


不思議なものでミートボールの餡というのは、ミートボール本体に絡んでいる状態よりも、このように弁当箱の蓋にこびり付いているものの方が、普通に食べるよりも格段に美味い。


そのことをたった一言で表現するのは非常に難しいのだが、ものすごく簡単に言うなら、「コクが増しに増している」のである。


だからミートボールの餡が弁当箱の蓋に付着している時は、ご飯のエリアからこびり付いたご飯をかき集めて来て、おかずエリアのミートボールの餡に合流させて食べると最強である。


あまりの美味さに、満面の笑みを浮かべながら涙を流しそうになる自分がいる。


しかし、さすがに学校の教室でそれをやったら、自分の未来は閉ざされると思い、必死になって堪えたのはもはや言うまでもない・・・・・・。


ハンバーグにかけられたソースも、弁当箱の蓋に付着すると魔法のソースへと変貌する。


ただし、これについては、レトルトのハンバーグよりも、手作りのハンバーグの方がおすすめである。


手作りのハンバーグにかけられたソースが弁当箱の蓋に付着すると、それはもはやソースではなく、ハンバーグの味がすると言っても過言ではない。


しかも、ハンバーグそのものを食べるよりも、蓋に付着したソースの方が、どういう訳かうま味がはるかに増しているのである。


ミートボールの餡の時は、満面の笑みを浮かべながら、涙を流しそうになったが、手作りハンバーグのソースになると、こぼれ落ちそうになる涙を必死にこらえながら、エクスタシーを迎えそうになる。


ソースを絡めたご飯粒を1粒ずつ口に運びながら、思わず「んあっっ!」などと、歓喜の声上げてしまいそうになるので注意が必要である・・・・・・。


このように弁当箱の蓋というのは決して侮ってはいけない。


下手をしたら弁当というのは、彩りよくきれいに詰められている弁当本体よりも、それを守っているだけの存在と思われている蓋の方が、メインイベンターなのかもしれない。


少なくとも私にとってはそうである・・・・・・。


(画像上、上品な桃色の花をびっしりと付けるタニウツギ。画像下、越冬したクビキリギスが活動を開始した。5月は産卵シーズンになる・・・・・・)

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