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2023年6月29日 (木)

定番なのに現実には使わないセリフ

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人は恐怖に直面すると、「キャ~~~~~!」と悲鳴を上げるイメージがある。


例えば暗い夜道を若い女性が1人で歩いている時、後ろから何者かが一定の距離をキープしながらつけて来るシーン。


恐怖に耐えられなくなって女性が走り出すと、それを追って相手も走り出す。


そして女性が転んで後ろを振り返ると、そこには刃物を振りかざし、いまにも襲い掛かろうとしている男の姿が・・・・・・。


また、夜中に身体に異変を感じて目覚めると、金縛りにあって身動きがとれなくなっていることに気付く。


とりあえず、目は動かせるので、部屋の中をぐるりと見回すと、床の上をゆっくりと這いながら、こちらへ向かって近付いて来る、白装束の髪の長い女の姿が。


なんとかこの場から逃げ出そうと、手足をバタつかせ、身体を必死に動かそうとするが、自分の意思に反して身体が全く動かない。


「もうダメだ。夢であってくれ!」と祈りながらギュッと目を閉じると、こちらの予想に反して何も起きる気配がない。


そこでゆっくりと目を開くと、自分の顔をじっと覗き込む、青白い女の幽霊の顔が目の前に現れるのだ。


そして、このようなシーンでは、どちらもクライマックスは女性の「キャ~~~~~!」という叫び声で締めくくられることが多い・・・・・・。


しかし、ちょっと待って欲しい。


冷静に考えてみると、これってどこか不自然に感じないだろうか。


もし、自分がそのような状況に追い込まれたとして、あなたははたして、「キャ~~~~~!」などという叫び声を上げたりするだろうか。


「そんなこと、そうなってみなけりゃ分からないよ」と思われるかもしれない・・・・・・。


Photo_20230620110202

それでは質問を変えよう。


そのような絶体絶命のピンチにあなたは、「キャ~~~~~!」などという叫び声を上げる自信があるだろうか。


人間というのは真の恐怖に直面した場合、声は出せないものである。


仮に出せたとしても、それは「ヒッ・・・!」とか「ハッ・・・!」という、息を呑む瞬間に思わず出てしまった声なのではないだろうか。


では、あの「キャ~~~~~!」はいったいなんなのかというと、「恐怖を演出するためのセリフである」としか言いようがない。


きっとこれは、ドラマやアニメ、漫画の世界から生まれた手法だったのではないかと私は思う・・・・・・。


現実にドラマやアニメ、漫画の世界では、ちょっと驚いたぐらいの場面でも、「キャ~~~~~!」が使われているのだが、現実の世界ではそんな大げさな驚き方をする人は見たことがない。


それに意識的に「キャ~~~~~!」を使ってみようと思っても、実際に自分が言うとなると、周りの目が気になって、これがかなり恥ずかしい。


そしてそんな大声を出すこと自体、かなり勇気がいるということに気付かされるはずだ。


だからもし、自分が絶体絶命のピンチに陥ったとしても、「キャ~~~~~!」と悲鳴を上げれば、きっと誰かが助けに来てくれるなんて思わない方がいい。


「あっちにへんなやつがいるから近づかない方がいい」と思われるのがオチである。


あれはあくまでも、恐怖を演出するためのセリフなのである。


そこにリアリティは微塵もないのだ・・・・・・。


そしてこのようなセリフは、「キャ~~~~~!」だけではない。


じつは探して見るとけっこうあるものなのだ。


例えばちょっと色っぽい場面で使われることの多い、「いや~ん」などがそうである。


例えばギャグマンガでは、ヒロインの女の子が何かの拍子に転倒して、パンツが丸見えになってしまい、スカートを押さえながら、「いや~ん」などと言ったりする。


また、ドラマではハゲたじじいが、キャバクラで店の女の子に、「〇〇ちゃん、おっぱい大きいねぇ」などと、胸を凝視しながら話しかけ、〇〇ちゃんがその大きな胸を手で隠しながら、「いや~ん」と返したりするのが定番である。


しかし、現実には「いや~ん」なんてセリフを吐く女の子はまずいないだろう。


また、「いや~ん」に続くセリフに、「ばか~ん」もあるが、これを続けて口に出してみると非常にバカっぽい。


もしそんなことを口走ってしまったら、「自分は大バカ者です」と言っているようなものである。


ドラマやアニメ、漫画の世界では、ごくごく日常的に使われているセリフだから、それが現実なのだろうと勝手に勘違いをして、うっかり使ってしまったりすると大変なことになるので注意が必要である・・・・・・。


(画像上、林床にギンリョウソウが現れた。画像下、斜面への転倒防止に植えられているアジサイが見ごろになった・・・・・・)


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