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2023年8月16日 (水)

「昭和の遊具」回旋塔

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▲回旋塔は1本の支柱に、数本の鎖で円錐状に大きな輪っかが吊り下げられている遊具だった。輪っかの部分はグルグルと回転する仕組みになっていて、子供たちはここに捕まって、クルクルと振り回されながら遊んでいた・・・・・・。

最近、公園や学校の前を通るたびに、自分が子供の頃に見ていた光景が、「ずいぶんと様変わりしてしまったなぁ」と感じる。


で、何がそんなに様変わりしてしまったのかというと、なんだか妙にスッキリしてしまったように感じるのである。


当初は自分が子供の頃に比べて、子供の数が減ってしまったことが、その原因なのだろうと思っていた。


しかし、誰もいない公園や学校の前を通っても、同様に違和感を感じるので、どうもそれが原因ではなかったようだ。


そこで当時の記憶をたどって行くと、そこにあるべきものがなくなっていたことに気付いたのだ・・・・・・。


で、何がなくなっていたのかというと、私が子供の頃には、当たり前のようにそこに設置されていた遊具が、きれいさっぱりと姿を消してしまっていたのである。


そしてその遊具を撤去した場所には、代わりの遊具が設置されている訳でもなく、ただの不自然な何もない空間になっていた。


どうやらこれが「スッキリしてしまった」と感じる原因のようだ。


で、なんで昔ながらの遊具が撤去されてしまったのかというと、近年になってその危険性を指摘されるようになったからに他ならない・・・・・・。


私が子供の頃に最も衝撃を受けた遊具といえば、なんと言っても「回旋塔」がナンバーワンである。


回旋塔というのは1本の支柱に、数本の鎖で円錐状に大きな輪っかが吊り下げられている遊具で、分かりやすくいうなら、傘の骨組みの形を想像してもらえばよいかと思う。


で、どのようにして遊ぶのかというと、回旋塔はその名の通り、回転する仕組みになっているので、まず輪っかのバーの部分に捕まって、支柱の周りを走って回転させ、そのまま輪っかにぶら下がって、クルクルと振り回されるのを楽しむのである。


しかし、これはあくまでも基本の遊び方なのだ。


慣れて来ると、より速く、よりスリリングに回されたくて、猛ダッシュで勢いをつけてから足を離し、遠心力で体が吹っ飛ばされそうになるのを必死に堪えながらバーに捕まっていた。


6~7人で回すとさらにスピードが増して、回転時間も長くなり、もはや回されていて、楽しいんだか苦しいんだか、よく分からなくなって来る。


超高速で回る回旋塔に必死に捕まりながら、次第に指先の感覚がなくなっていくのを感じつつ、いつの間にか隣の友達がいなくなっていることに、ふと気付くこともしばしばだった。


回旋塔の順番待ちをしていた友達が言うには、その瞬間彼はまるでスーパーマンのように、空中をものすごいスピードで飛んで行ったそうである。


ただ、唯一スーパーマンと違ったのは、彼が後ろ向きに飛んで行ったことだろう・・・・・・。


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▲回旋塔は斜め方向に傾けて回すことも出来た。このようにして回すと、高速の回転運動に加えて、上下運動も加わって、回されている者は恐怖を通り越して「死」を覚悟することもあった・・・・・・。

子供は大人が思いもしないような遊び方を考案する天才である。


じつはこんな遊び方はほんの序の口だったのだ。


回旋塔というのは、ただ回転するだけでなく、斜め方向に傾けて回すことも可能だった。


だから数人で輪っかを地面の方向に押し下げて、反対側にぶら下がっている友達を高く持ち上げ、高速で回転させるなんて遊び方も出来た。


じつはこの時の彼は地面から2メートル近い高さまで持ち上がっている。


静止している状態でも、そこから飛び降りるのは、ちょっと無理な高さである。


で、バーを押し下げて、回旋塔を回転させているメンバーが、そこから一斉にいなくなるとどうなるのかというと、バーに捕まって回されている彼は、ただ高速で回転するだけでなく、上下運動も加わった状態で、高速でグリングリンと振り回されることになる訳だ。


まるで宇宙飛行士になるための訓練である・・・・・・。


で、先に振り回されている彼には大変申し訳ないのだが、ここからがいよいよ本番なのである。


先ほどまで下でバーを回転させていた子供たちが、高速で回転を続けている回旋塔に次々と飛び込んで行くのだ。


タイミングを見誤ると、すでに回旋塔に振り回されている彼の回し蹴りの餌食になる。


また、バーを掴み損ねれば、大怪我をする恐れだってある訳だ。


そしてそれは、走っている車に接触するほどの衝撃で、まともにぶつかれば病院送り間違いなしである。


そんな危険な状況の中で、バーをしっかりと掴んで遊びに参加出来ていたのだから、当時の子供たちの動体視力は半端ないものがあったのだろう・・・・・・。


と、まあ、このような遊び方をする回旋塔だったので、強烈な遠心力で吹っ飛ばされて、落下して行く子供たちが毎回のようにたくさんいた。


それでも私の周りでは、体中に擦り傷やあざを作っている子供はいくらでもいたものの、大怪我をしたとか救急車で運ばれたなんて話は聞いたことがなかった。


しかし、全国的に見ると、骨折や指を切断したりする事故があったらしく、いつしか回旋塔は危険だということになり、公園や学校から次々と姿を消して行くことになったのだった。


子供の頃、回旋塔で遊んでいた者としては、なんとも寂しい限りだが、こうして当時のことを冷静に振り返ってみると、「そりゃ、そうだよなぁ・・・」と思わざるを得ない・・・・・・。



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