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2024年9月26日 (木)

コーヒービート

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▲コーヒービートは1971(昭和46)年に発売になった。そしてその発売当時から、パッケージのデザインはほとんど変わっていない・・・・・・。

昭和の頃はどういう訳か、コーヒー味のお菓子が人気で、お菓子メーカー各社からたくさん発売されていた。


超ロングセラーとなっている、「コーヒービート」もその中のひとつで、1971(昭和46)年3月に明治製菓から発売になった。


コーヒービートは筒状の容器の中に、コーヒー豆の形をした、子供でも美味しく食べられる、ミルクコーヒー味のチョコレートがたくさん入っていて、一粒食べると止まらなくなったものである。


コーヒービートのパッケージは、昭和の頃からほとんど変わっていないが、発売当初の容器は紙ではなくプラスチックで、六角形の茶色い蓋がはめられていた。


私が物心ついた頃には、もう現在のような紙製の容器になっていたので、プラスチック製の容器が使われていた期間は、コーヒービートの長い歴史からしたら、ほんの一瞬だったのだろう・・・・・・。


ところでこのコーヒービート、中身のお菓子を食べ終わった後の空き容器も、何かと使い道があって、当時の子供たちは捨てずに取っておいたものである。


で、こんなものを一体何に使っていたのかというと、様々な小物を一時的に保管するために使っていたのである。


「小物の保管」などというと、「コーヒービートの空き容器に1つ1つラベルを貼って、机の中のものを分かりやすく整理整頓するのに使っていたのではないか?」と想像されるかたも少なくないと思う。


しかし、馬鹿ばかりやっていた、昭和の男子小学生が、そんな几帳面なことをするわけがない。


では、いったい何に使っていたのか・・・・・・?


使い方は人それぞれだったが、1つ例をあげるなら、野原に行って、オナモミの実(ひっつき虫)を採集して来て、コーヒービートの容器に入れておく。


そして敵(という設定の友達)を発見した時に、背後からそっと忍び寄り、コーヒービートの容器からオナモミの実をサッと取り出し、相手にこっそり投げつけるのだ。


投げつけると言っても、思いっ切り投げつけるのではなく、敵に気付かれないように、そっと山なりに投げつけるのである。


そして注意しなければいけないのは、相手に「おや、いま背中に何か当たったような気がするぞ?」と勘付かれてはいけないことだ。


あくまでもそ~っと投げつけるのである・・・・・・。


そこで相手に気付かれなければしめたものだ。


2つ、3つと、立て続けにオナモミの実を投げつけていく。


そうすると、彼の背中は、いつしかオナモミの実がいっぱい張り付いている状態になる。


そして、ここまで来れば、とりあえずはミッション達成ということになる。


あとは彼が家に帰る前に誰かと出会い、背中のオナモミのことを指摘され、「え~~~っ⁉」と仰天することになろうが、帰宅後に母ちゃんに、「あんた、いったいどこを歩いて来たの!」と怒られようが知ったこっちゃない。


翌日、学校で彼から、「昨日、こんな不思議なことがあってさあ・・・」という話を聞かされるのを楽しみに、ニヤニヤしながら布団に入るのである・・・・・・。


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▲コーヒービートはコーヒー豆の形をした、ミルクコーヒー味のチョコレートだった。そのリアルな形が何ともおしゃれで、人気に一気に火がついたのだろう・・・・・・。

また、コーヒービートの容器は、野山で採集した昆虫を家に連れて帰るまでの間、一時的に保管しておくのにも重宝した。


「でも、コーヒービートの容器じゃ、狭すぎるんじゃないの?」と思われるかもしれないが、じつはこの狭さが輸送には好都合なのである。


どういうことかというと、コーヒービートの容器は細いので、中の昆虫があまり動き回れないため、暴れて足がもげてしまったり、移動中の揺れで、容器の壁に激突して、ダメージを負ったりするリスクが少なくてすむのだ。


そして、ここで注意しなければいけないのは、採集した昆虫を入れるのは、1つの容器に1匹までにしておくということだ。


なぜかというと、この細くて狭い容器の中に、複数の昆虫を入れてしまうと、互いに相手を攻撃してしまい、双方が怪我を負ったり、下手をしたら死んでしまいかねないからだ・・・・・・。


また、容器に昆虫を入れたら、中の昆虫が動けないように、ティッシュなどを詰めて、容器の空間を調整した方がいい。


こうしておけば、移動中に容器が揺れても、中の昆虫が滑って動いてしまうことはなくなり、より安全に家まで移動させることが出来るのだ。


私は子供の頃、虫好きだったので、この方法で家に連れ帰った昆虫は多種に及んだが、中でもクワガタやカマキリ、バッタは、毎年のように飼育していたものだ・・・・・・。


また、私には全く記憶がないのだが、母が言うには、私は4~5歳の頃、なぜか庭のダンゴムシに興味を持ち、一日中、庭にしゃがみ込んで、熱心にダンゴムシを観察していた時期があったのだという。


そんなある日、座卓の上にコーヒービートの容器が転がっているのを見つけた母は、テレビドラマを見ながら、コーヒービートを食べようと、何気なくその容器を手に取った。


そして、視線はテレビ画面から外さずに、おもむろにコーヒービートの容器から蓋を外した。


そして右手に持った容器を揺すって、左の手のひらにチョコレートを数粒取り出そうとしていた。


すると思いのほか、たくさんのチョコレートが左の手のひらに出てしまったと感じた母は、チョコレートを少し容器に戻そうと、テレビから自分の左手に視線を移した。


すると次の瞬間、「ウギャ~~~!」という母の叫び声が部屋の中にこだまし、お昼寝をしていた私は、たたき起こされるハメになったのだという。


じつはコーヒービートの容器から出て来たのは、コーヒー豆の形をしたチョコレートではなく、私が庭で捕まえた、おびただしい数のダンゴムシだったのだそうだ。


そしてこの時、錯乱した母は、あろうことか左手のダンゴムシを、思わず投げ捨ててしまい、その後、部屋に散らばったダンゴムシを、1時間かけて拾い集めるハメになったのだという。


そして、全てのダンゴムシを回収した母は、ヘトヘトになって座卓の前に座り込んだのだった。


そしてそのとき思わず口を突いて出た言葉は、「あのまま、口に放り込まなくて、本当によかった・・・・・・」だったそうである・・・・・・。


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