サテラビュー
▲スーパーファミコンには「サテラビュー」という、時代を先取りした周辺機器があったのをご存知だろうか・・・・・・。
スーパーファミコンの周辺機器として発売された「サテラビュー」をご存知だろうか。
サテラビューはスーパーファミコン向けの、衛星データサービスを受信するためのデーター放送受信機だった・・・・・・。
当初、サテラビューは、通信販売のみで販売されていて、ゲーム雑誌に綴じ込まれていた注文用葉書や、「クロノトリガー」というゲームに同梱されていた葉書、ゲーム取扱店で配布していた小冊子などで、申し込みをすることが出来た。
そして1995(平成7)年4月中旬頃から、ヤマト運輸の代金引換便で配送が開始された・・・・・・。
じつはこのサテラビューは、スーパーファミコンの発売前から、その構想があったらしく、スーパーファミコン本体を裏返すと、小さな横長の端子があって、本体と同色のカバーで、きっちりと隠されていた。
そして、ここにサテラビューの本体を接続することになるわけだ。
ピッタリサイズなので、接続すると2段重ねの重箱のような姿になり、全く違和感はない・・・・・・。
といっても、これだけで放送を受信出来るわけではなくて、サテラビュー専用のカセット(BS-X)や、メモリーパックなどの接続も必要で、専用のAVセレクターを介して、テレビやBSチューナーとも連携させなければならなかった。
どんな機器でもそうだが、最初の接続の作業は面倒で、機械音痴の人なら、ここで挫折してしまっていたかもしれない・・・・・・。
サテラビューの最大の特徴といえるのが、BS放送を通して、ゲームのダウンロードが出来たことだろう。
その肝となるのが、付属のカセットの「BS-Xそれは名前を盗まれた街の物語」である。
このカセットは親亀子亀方式になっており、BS-Xのカセットの上に子亀であるメモリーパックを挿入することで、ダウンロードしたゲームを遊べるようになっていた・・・・・・。
それにしても、まるでRPGのようなタイトルだが、ソフトを立ち上げると、タイトルだけではなくて、本当にRPGのように、「名前を盗まれた街」が画面上に出現する。
プレーヤーはまずこの街で、「住民登録(キャラクターの作成)」を行うことで、街の中を歩き回れるようになっていた・・・・・・。
▲スーパーファミコン本体を裏返すと、小さな横長の端子があって、本体と同色のカバーで隠されていた。サテラビューが普及しなかったこともあり、その存在すら知らなかったという人も少なくない・・・・・・。
放送中は街にある様々な建物に入ることが出来るようになる(サービスを受けることが出来るようになる)。
また、音声連動番組が放送されている時には、街のBGMに代わって、ラジオ音声が流される。
さらに、街には時間や季節の概念も存在していて、時間帯によって、登場する住民が変わったり、現実の季節に合わせて、木々が紅葉したり、雪が降ったりなど、景色の変化を楽しむことも出来た・・・・・・。
じつは、「BS-Xそれは名前を盗まれた街の物語」という意味深なタイトルからも分かる通り、BS-Xには街の噂をすべて集め、街の名前を盗んだ犯人を見つけるというストーリーがあった。
これについては、少しずつ情報は伝えられていたが、2000(平成12)年にサテラビューのサービス自体が終了してしまい、結局ストーリーが最後まで語られることはなかった・・・・・・。
では、なぜサテラビューのサービスは終了してしまったのだろうか。
じつはサテラビューは、BS放送の受信環境が整っていないと、サービスの利用が出来なかった。
サテラビューが発売された当時は、BS放送の受信機器が、現在のように普及しておらず、まずはそこから準備する必要があったのだ。
子供のためにそこまでしてやろうという親は、そうそういるものではないということだろう・・・・・・。
そんなわけで、サテラビューは思うように販売台数が伸びて行かなかった。
このため、スーパーファミコン本体の裏面にあった接続端子の存在も、全く知らなかったという人も少なくなかったようだ・・・・・・。
ところで、現在ではサテラビューのサービス自体は終了してしまっているが、BS-Xを起動することは可能で、街の中へ入ることも出来る。
ただし、街はもぬけの殻で住人の姿はなく、建物の中へ入ることは出来なくなっている。
その光景はあまりにも寂しく、こんなことならサービス終了後は、街も消えるプログラムにしておいてほしかったものである・・・・・・。
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