カテゴリー「花」の記事

2025年7月 2日 (水)

「カレーアイス」と「すしアイス」

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昭和のお菓子は「攻めている」商品が多かった。


いまは「味や食感で勝負」している商品が多いが、昭和のお菓子はパッケージも含めた見た目でも攻めていたのである・・・・・・。


私が子供の頃、赤城乳業から、「カレーアイス」という、信じられないような商品が発売になっていた。


赤城乳業といえば、もはやいうまでもなく、ガリガリ君で有名なあの会社である。


赤城乳業がこんなに攻めた商品も出していたのかと後になって気付いて、とても驚かされたものである・・・・・・。


カレーアイスというくらいだから、バニラアイスの上にカレーがかけてあるのを想像してしまうのだが、実際のところは、カレーに見立てたチョコレートがかけてあったのだった。


しかも、このカレーに見立てたチョコレートは、「甘口」と「中甘」の2種類があって、パッケージにもしっかりと書かれていた。


ちなみにパッケージに書かれていた注意書きによると、「中甘」はハーフビターチョコ味なのだとか。


どうでもいいが、ビターチョコ味のハーフとは、いったいどういう意味なのだろうか・・・・・・。


で、このカレーアイス、楕円形をしたカレー皿を模した容器に入っていた。


そして、パッケージ中央には、「カレーアイス」という商品名が赤字で配置され、右端に「中甘」、もしくは「甘口」のいずれかの表示がされていた。


そしてパッケージ上部には緑色の文字で、「古代インダス文明も、まっ青!」と意味不明なことが書かれていた・・・・・・。


そしてパッケージの左側には、金髪で黒髭の上半身裸の謎の男が、あぐらをかいて座っているイラストが描かれていた。


そして彼は、「赤城亭」という緑色の看板(?)を掲げているのだ。


また、彼の足の前には、壺と笛が置かれていて、その様子からして、どうやら彼は、「蛇使い」のようである。


インドといえば「蛇使い」というのが、昭和の子供たちの間に定着した、間違ったイメージだったのである・・・・・・。


と、そんなわけで、色々とつっこみどころ満載のカレーアイスだったのだが、子供たちの間では、「え~!」と思いながらも、カレーの味や香りをどこかで求めていたところがあって、買って食べてみて、「何だカレーじゃないじゃん」と、がっかりしている者が一定数いたものだ。


逆に本当のカレー味だったら、「アイスにカレーはないだろう~」と文句をいうくせに、何をほざいているんだ、このクソガキは!といったところである。


しかし、100個に1個くらいは、「当たり」として、本当のカレー味を入れてみても面白かったのではないだろうか。


そんなカレーアイスだったのだが、みなさんもご存知の通り、とっくの昔に終売になっており、是非とも復刻販売をしてもらいたいな~と思う次第である・・・・・・。


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攻めているアイスといえば、にぎり寿司の見た目をした、「すしアイス」も衝撃だった。


すしアイスを発売していたのは、あずきバーでお馴染みの井村屋で、カレーアイスの時と同様に、その意外さにとても驚かされたものである。


すしアイスのパッケージは、斜めに大きく、「にぎり寿司」という文字が配置されていて、これがとにかく目立っていて、パッケージの右上部に書かれていた、「すしアイス」という文字を打ち消すほどの効果があった・・・・・・。


ちなみにこのすしアイス、マグロのにぎりとたまご焼きのにぎりの2個入りで、パッケージには2貫並べたイラストが描かれていた。


それにしても、どういう理由でマグロとたまご焼きのネタがチョイスされたのか、その理由を知りたいところだ・・・・・・。


当たり前の話だが、このすしアイス、本当にマグロやたまご焼きの寿司の味がするわけではなく、あくまでも中身は普通のアイスである。


アイスをにぎり寿司の見た目にして、はたして子供たちの購買意欲を書き立てられるのかといったら、かなり疑問ではあるのだが・・・・・・。


きっと現代だったら、企画の段階で却下になっているだろう。


それでも勢いのまま発売してしまった昭和のあの頃って、すごい時代だったんだな~と改めて思う・・・・・・。


(画像上、雑木林の窪地で咲くアジサイの花・・・・・・。画像下、一般的なアジサイとは花の形が違うカシワバアジサイの花・・・・・・)



2025年6月 4日 (水)

牛乳に相談だ。「ショッピング篇」「キス篇」

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2005(平成17)年から2010(平成22)年頃にかけて、中央酪農会議が「牛乳に相談だ。」というテレビCMを放映していたことがあった。


その目的は若年層の牛乳離れを食い止めるための、牛乳の消費拡大キャンペーンだった。


で、個人的にこの「牛乳に相談だ。」のシリーズは、内容があまりにもバカバカしくツボだったので、ちょっとネタとして採り上げてみたいと思っている。


じつはこの「牛乳に相談だ。」のテレビCMはシリーズ化されていて、じつに10本以上の作品が放映されている。


みなさんの記憶の1ページを紐解くことが出来たら幸いである・・・・・・。


「ショッピング篇」

場面は自宅のダイニングキッチン。


「きれいになりた~い」と言いながら冷蔵庫を開け、「牛乳な~い」と言う娘。


「じゃ、買いに行こう」と言いながら、奇妙な動きをしている母親。


親子でアクロバティックな動きや、常人には理解不可能な、奇妙奇天烈な動きを繰り返しながらスーパーへ向かう2人。


この親子、とても人間とは思えない。


「じゃあ、いったい何者なんだ?」と視聴者が疑問に感じ始めた頃、「ぎゅ~にゅ~にそ~だんだっ ♪」というお馴染みの歌が流れ、それに続けて「冷蔵庫になかったら買いに行こう!」とナレーションが入ってCMは終了。


結局この親子が何者なのかは分からずじまいだった・・・・・・。


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「キス篇」

「牛乳に相談だ。」のCMシリーズは、これまで誰もが知っているような、メジャーな女優(俳優)は起用されて来なかった。


ところがこの「キス篇」では、川島海荷さんが起用されている。


場面は近所の公園。


背景には滑り台が見えている。


「ねえ、キスして」と目をつぶる少女(川島海荷)。


それをじっと見つめている少年。


引きの画になると、少年は自転車に乗っていることが分かる。


しかしこの少年、なぜか少女の膝ほどの高さの背丈しかない。


そして「大きくなりたい」とひとこと。


そこで少年は考える。


棒高跳びの棒を使って、天高く飛び上がれば、キス待ちの少女の唇に届くのではないか?


早速、棒高跳び作戦を実行する少年。


そして計算通り、少女の唇の高さまで飛び上がることに成功するが、寸前のところであえなく落下して行く少年。


どこから集まって来たのか、じいさんたちのギャラリーから、「ああ~っ・・・」という落胆の声が漏れる。


それでも少年はあきらめない。


いったいどこから持って来たのか、いつの間にかバックパックを背負っている。


このバックパック、ジェット噴射と透明なチョウの翅のようなものを装備している。


これなら一気にキス待ちの少女の元へ飛んで行けるだろう。


こんなものがあるなら、苦労して棒高跳びなんてする必要はなかったではないか。


「さっさと出せよ!」という話である。


まるで不格好なガンダムのような姿で、少女の元へ向かう少年だったが、「ヘックション!」という少女の突然のくしゃみで吹っ飛ばされ、あえなく爆発炎上。


地上に残されているちっちゃな自転車がなんともむなしい。


爆煙に包まれて、「こりゃ、絶対に助からないな」と思っていたところ、突然自宅のダイニングキッチンで、母親に肩を叩かれ起こされる少年。


「はっ!」と目覚めると同時に、「ぎゅ~にゅ~にそ~だんだ ♪」という、このCMではお馴染みのメロディが流れる。


そして牛乳を飲もうと、冷蔵庫を開ける少年だったが、なんと肝心の牛乳がない。


するとすかさず、「と思ったら、冷蔵庫にないから買いに行こう」と、フォローのナレーションが入る。


最後はスーパーの牛乳売り場で、親子でなぜかY字バランスの決めポーズをしてCMは終了・・・・・・。


(画像上、6月に入ってキンシバイの花が各所で咲き出している・・・・・・。画像下、斜面一面に広がっているガクアジサイが咲き始めた・・・・・・)





2025年5月28日 (水)

ドラえもんと鼻くそ

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私は子供の頃、ドラえもんの単行本(小学館てんとう虫コミックス)を愛読していた。


ドラえもんには、子供の頃に読んで衝撃を受け、大人になっても忘れられないほど、強烈に印象に残っているエピソードがいくつかある。


そんなエピソードのひとつが、単行本(小学館てんとう虫コミックス)第7巻の、「くせなおしガス」というエピソードだ。


「くせなおしガス」とは、誰でも無意識にやってしまう悪いくせを、本人に気付かせるために、ガスの力で少し大げさに再現してくれるというもの。


のび太は自分の鼻をほじるくせを、パパとママに指摘されたので、2人のくせも本人たちに気付かせたいと思い、ドラえもんに頼んで、「くせなおしガス」を出してもらう。


そして2人のいる部屋に気付かれないように、「くせなおしガス」を噴霧するドラえもん。


ふすまの隙間から、いつ2人のくせが出てもいいように、こっそりと様子を見ているドラえもんとのび太。


ところが先にくせが出てしまったのはのび太の方で、暇を持て余したのか、ついつい鼻をほじるくせが出てしまったのだ。


すると鼻の穴につっこんだのび太の右手小指に、あれよあれよという間に、鼻くそがほじくり出されて行き、最終的にはのび太の顔よりも大きな、鼻くそのボールが出来てしまう。


それを見たのび太とドラえもんは大慌てで、
「ど、どうしよう、これ」
「きたないな。はやくごみ箱へ」
と、鼻くそボールを両手で持ちながら走り回っている。


そこへ玄関にお客さんがやって来る。


しかし、パニックになって走り回っているのび太とドラえもんは、巨大鼻くそボールで前が見えず、「ごめんください」と言いかけているお客さんの顔に、鼻くそボールをムギュッと押しつけてしまう。


そしてお客さんに、「なに?それ」と言われて、あわてて背後に鼻くそボールを隠している。


で、私が忘れられないのは、この「くせなおしガス」のエピソードそのものというより、この鼻くそボールのディティールなのだ。


ボールといっても、ただの球体というわけではなく、全体にでこぼこしていて、そのでこぼこの描写が何ともリアルで気持ちが悪く、それでいてコミカルで、思わず「プッ!」と吹き出してしまう破壊力があった。


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じつはドラえもんでは、小学館てんとう虫コミックス第15巻の、「こっそりカメラ」というエピソードにも鼻くそボールが登場する。


こちらはのび太の同級生の「はる夫」が、「ひそかにためたハナクソが、こんなボールになった」と、机の上に置いて満足気に眺めているのだが、のび太のものより2回りほど小さく感じる。


しかし、こちらは「くせなおしガス」で大げさに再現したものではなく、はる夫がコツコツとためて、少しずつ大きくしたものなのだ。


そう考えると、のび太の鼻くそボールよりも、はる夫の鼻くそボールの方がすごいといえよう。


のび太のものよりも小さいとはいえ、はる夫の鼻くそボールもそこそこのサイズで、占い師の使う水晶玉と、ハンドボールの中間ほどのサイズはあると思う。


それにしても、こんなに大きな鼻くそを、はる夫はいったいどこに保存しているのだろう。


この時、はる夫が鼻くそボールを置いているのは、恐らく学習机の上だと思うのだが、学習机の引き出しには、どう考えても入らないサイズだろう。


机の上にそのまま置いておければ一番楽なのだろうが、普通の家庭ならまず間違いなく、母ちゃんの雷が落ちる案件だろう。


一方、のび太の鼻くそボールの方も、ドラえもんは「はやくごみ箱へ」とのび太を促しているのだが、のび太の鼻くそボールは、のび太の顔よりも大きく、どう考えてもごみ箱の口につかえてしまうはずだ。


このあとどう処理をしたのか気になるところである。


このように、私は子供の頃に読んだ、ドラえもんの鼻くそにまつわるエピソードが、強烈な印象としていまでも頭に残っている。


そしてこれらのエピソードを読んだ当時の私が、「自分も野球のボールくらいのサイズなら、何とかいけるんじゃないか?」と、一瞬思ったことをつけ加えておきたい・・・・・・。


(画像上、5月中旬頃から咲き始めるシモツケの花・・・・・・。画像下、芳香を漂わせながら、スイカズラの花が咲いている・・・・・・)


2025年4月 9日 (水)

レコードの思い出

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昭和を語るうえで外せないものの1つにレコードがある。


私が子供の頃は、レコードからCDへ移行する過渡期だったので、実際にレコードを手に取っていたのは、小学生の頃までだったと思う・・・・・・。


ひとくちにレコードといっても、大きさや見た目の違うものが数種類あった。


レコードの時代にちょっとでも引っかかっている人ならば、「LP盤」、「EP盤」、「7インチシングル」なんて言葉を聞いたことがあると思う。


ちなみに「LP盤」とは「Long Play」の略で、曲数のあるアルバム用、「EP盤」は「Extended Play」の略で、1~2曲のシングル用。


「7インチシングル」は呼び方の違いで、「EP盤」と同様のものと思ってよい・・・・・・。


レコードは大きさにも違いがあって、「LP盤」は12インチの大盤で30㎝。


「EP盤(7インチシングル)」は、7インチと小さくて、大きさは17㎝と決まっていた。


「EP盤」のレコードは、プレーヤーにセットするための中央の穴が大きくて、「ドーナッツ盤」とも呼ばれていた。


むしろこちらの呼び名で覚えているかたの方が多いかも知れない・・・・・・。


いったい何でこんな大きな穴を開けてあるのかというと、もともとはジュークボックスなどのオートチェンジャーで、1曲ずつ連続演奏する用途を想定して企画されていたためで、穴はその時の名残ということになるだろう。


子供の頃は、そんな歴史なんて知る由もなく、ただ単にレコードの面積を小さくして、収録曲を減らして、値段を安くしているのだろうなんて、「上げ底」的なメーカーの悪巧みを疑っていたものである・・・・・・。


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で、ドーナッツ盤のレコードをプレーヤーで聴くためには、中央の穴を塞ぐように固定するアダプター(円盤)が必要だった。


アダプターは穴とピッタリサイズになっていて、これがないとレコードが安定せず、まともに曲を聴くことが出来なかった・・・・・・。


アダプターはプレーヤーに付属されていたが、小さなものなのでなくしやすく、使いたいときに、「あれ、どこにやったかな・・・?」なんてこともしばしばあった。


たいていの場合は、レコードをプレーヤーから外す時に、近くの本棚などにヒョイと置いて、そのまま忘れてしまっていたということが多かった・・・・・・。


また、アダプターは円盤状なので、うっかり落とすと、コロコロと転がって、家具と家具の隙間に入ってしまい、その瞬間から、それを掻き出すための棒探しが、家族総出で始まるのである。


私はこのアダプターについても、「わざわざなくしやすい形状のものを作って、何度も買わせようとするメーカーの悪巧みに違いない」と、子供ながらにずっと思っていたものだ


どうでもいいがいやな子供である・・・・・・。


ところでレコードといえば、昭和の頃に「レコード形のチョコレート」というのが売られていた。


明治製菓が発売していた「マイレコード」は、その名の通り、レコードの形をしたチョコレートで、本物のレコードの中央部分(タイトルなどが書かれているシールが貼られている部分)には、ホワイトチョコレートが使用されていた・・・・・・。


そして特筆すべきは、明治のマイレコードには、なんとおまけのソノシートまで付いていたのだ。


ちなみにソノシートとは、塩化ビニール製のペラペラのレコードで、当時は子供向けの雑誌の付録としてよく付いて来ていた・・・・・・。


風で飛んで行ってしまうくらい、ペラペラのレコードだったが、ちゃんとプレーヤーで音楽を聴くことが出来た。


そして驚いてしまうのは、そのおまけのソノシートは、なんと全12種類もあったのだそう。


ちなみに私は、おまけのソノシートの内容は残念ながら全く覚えていない・・・・・・。


「明治マイレコード」は、1979(昭和54)年の発売で人気だったのだが、なぜか数年で終売となってしまった。


おまけに力を入れすぎて、赤字だったのだろうか・・・・・・。


(画像上、咲き誇る満開の桜も、そろそろ見納めか・・・・・・。画像下、白花のスミレが歩道に沿うようにして群落を作っていた・・・・・・)






2025年4月 2日 (水)

ふきあげパイプ

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駄菓子屋で売られていたおもちゃというのは、お正月のお年玉を使ったり、クリスマスに親にねだって買ってもらうような高級なおもちゃではなく、何かを我慢すれば、普段でも簡単に手に入るような、安価なものばかりだった。


そしてそれらは、値段が値段だけに、購入して遊んだところで、満足感や充実感はあまりなくて、「だから何?」と感じるようなものばかりだった・・・・・・。


例えば「ふきあげパイプ」というおもちゃをご存知だろうか。


「ふきあげパイプ」のパイプとは、首の部分が大きい、西洋風のキセルのことで、専用のたばこを吸うための道具のことである。


日本では映画の中で見かけるくらいで、実際に使っている人に遭遇することはまずない。


ちなみに私が子供の頃に見た、パイプでたばこを吸っている日本人は、ジャイアント馬場ぐらいだったと思う。


そんなこともあって、子供にとっては、たばこを吸うための道具としてのパイプは、全くリアリティがなかったのだが、「ふきあげパイプ」に関しては、お馴染みのおもちゃで、色々な場所で売られていたのを覚えている・・・・・・。


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「ふきあげパイプ」はプラスチックで出来たパイプ型のおもちゃで、パイプの先端に小さなカゴが付いていて、その中に軽いプラスチック製の小さなボールが入っていた。


そしてパイプの口から息を「プーーッ!」と吹き込むことで、カゴの中の小さなボールがフワフワと浮き上がるのだ。


パイプとはいうものの、息を吸い込むのではなく、息を吐くという、本物のパイプとは真逆のことをしなくてはならないのである・・・・・・。


ふきあげパイプは、ただそれだけのおもちゃなのだが、ボールが目の前でフワフワと浮き上がるという現象が、まるでマジックでも見ているかのような不思議さもあって、当時の子供たちにはとても人気があった。


しかも、マジックだったら、ある程度の練習が必要だが、ふきあげパイプは何の練習もなしに、簡単にボールを浮かせることが出来るのだ。


そんな人気のふきあげパイプだったので、それなりに売れる商品だったらしく、駄菓子屋だけではなくて、文房具屋や雑貨屋などでも売られていて、当時は見る機会の多いおもちゃだった・・・・・・。


ふきあげパイプはそれ単独で遊ぶというより、座卓やテーブルの上に置いてあって、テレビのCM中に手に取って、ボールを浮かせたり、何もすることがなくて、暇を持て余している時などに手に取って、ボールをフワフワと浮かせて楽しんでいたものだ。


そういう意味では喫煙者がたばこを吹かす時と、さして変わらなかったのだな~と、いまになって思ったりする。


このおもちゃをパイプの形にしようと思った開発者が、そこまで考えて作ったかどうかは定かではないが、もしそうだったとしたら、さすが目の付け所が違うとしかいいようがない・・・・・・。


ところでこのふきあげパイプというおもちゃは、外に持ち出して遊ぶことは出来なかった。


なぜかというと、ふきあげパイプは本体もボールも軽いプラスチック製だったので、外でボールをフワフワ浮かせていると、そよ風くらいの弱い風でも、その影響をもろに受け、あっという間にボールはどこかへ飛んで行ってしまったのだ・・・・・・。


そんなわけで、うちではふきあげパイプは、いつもテレビの前の座卓の上に置かれていて、暇さえあればパイプを咥えて、ボールをフワフワ浮かせていた。


そんな私を見て、両親は「こいつ将来、ヘビースモーカーになるんじゃないか?」と心配していたが、結局のところ、私は大人になっても、たばこを吸うことは、いっさいなかったのだった・・・・・・。


(画像上、歩道に沿って細長い群落を作っているスミレ・・・・・・。画像下、里山ではミツバツツジが咲き始めた・・・・・・)



2025年2月19日 (水)

「半ドン」という極楽

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「半ドン」という言葉をご存知だろうか。


半ライス、半チャーハンのように、どんぶりものを食べ切れないから、半分の量にしてもらうという意味ではない・・・・・・。


昭和の頃、会社は月曜から土曜までの6日間勤務が普通で、子供たちも当たり前のように、月曜から土曜まで学校に通っていた。


そんな中、土曜日だけは、午前中で学校は終わりだった。


これがいわゆる「半ドン」である・・・・・・。


ちなみに「半ドン」の言葉の由来は、「半分ドンタク」が訛ったという説がある。


「半分ドンタク」の「ドンタク」とは、オランダ語で「日曜日」という意味のようだ。


また、別の説もあって、「半分休みの土曜日」を略したともいわれている。


この他にも諸説あるようだが、早い話がいまとなっては、誰も本当の理由を知らないということだろう。


いったいどこの誰が言い出して、どういう意味だったのか、誰も記録なんて付けていないから、出所不明の謎の言葉になってしまったということだろう・・・・・・。


半ドンの日は午前中で授業が終わるので、朝からもう嬉しくてしょうがなかった。


平日だったら小学校は5時間目、6時間目まで授業があったので、下校時間は午後2時、3時が当たり前である。


ところが半ドンの土曜日は、午前中の4時間目で授業は終わりで帰ってよかったのだ・・・・・・。


しかし、ちょっとした問題もあって、4時間目の終了のチャイムが鳴ったからといって、「はい、さようなら~」とはいかなかったのである。


私も含めてとっくの昔に学生生活を終えた人からしてみると、きっと、もう忘れかけている記憶かと思うのだが、下校の前にはすることがあったはずである。


よ~く、思い出してみてほしい・・・・・・。


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そう、「教室の掃除」をしなければいけなかったのだ。


しかも、午前中で授業が終了ということは、当然のことながら、給食は出ないことになる。


平日だったら、「めんどくせ~」と思いながらも、帰るためにはさっさと掃除を終えなくてはいけないから、みんな黙々と掃除をしていた。


しかし、半ドンの日は給食がない。


いつもだったら、「パパッ」といい加減に、いや手早く済ませてしまう掃除だが、給食を食べていないというだけで、びっくりするくらい身体が動かないのだ。


ダラダラやっているわけでもないのに、半ドンの日の掃除ははかどらず、いつもの倍近くの時間がかかっていたように思う。


このように、「腹が減っていると、こんなにも身体が動かなくなるものか!」ということを実感出来るのもまた、半ドンならではの醍醐味だったのである・・・・・・。


べつに掃除当番でなくても、昼食は家に帰ってからだったので、帰りの通学路はとにかく腹が減っていて、みんな子供とは思えないほど覇気がなく、まるで病人が行進しているかのようにトボトボと歩いていた。


きっと、端から見たら、異様な光景だったに違いない・・・・・・。


ヘロヘロになりながら家にたどり着くと、母親が昼食の準備をして待っていた。


家の昼ご飯だから、べつに手の込んだものが出るはずもなく、インスタントの袋麺や、冷蔵庫に入っているもので、パパッと簡単に作れるものが出されるのだが、不思議なことにこれが信じられないくらい美味く感じられた。


人間という生き物は、極限まで腹が減っていると、粗末な料理でもご馳走に感じるらしい。


いつだったか、母にその話をしたところ、ひっぱたかれそうになったのを覚えている・・・・・・。


昼食を食べ終えて、生命の危機を脱すると、急に正常な思考が出来るようになり、「いつもだったら、まだ学校にいて、5時間目の授業を受けているんだよな~」などと、ふと思うことがよくあった。


しかし、「今日は半ドンの日なので、自分はもう家に帰って来ていて、いまから半日は休みなんだ~!」と実感すると、嬉しさのあまり、思わず「キャッ!」だか「ウへェッ!」だか忘れたが、自然とへんな声が出てしまい、その開放感を大の字になって、じっくりと味わったりしたものだった。


狭い部屋で大の字になり、うっとりとした表情をして、ニヤニヤしている様子は、きっと「危険な香り」がプンプンしていたに違いない。


ちなみに公立の学校に、完全週休2日制が導入されたのは、2002(平成14)年からだった・・・・・・。


(画像上、毎年、立春の頃に咲き始めるマンサクの花・・・・・・。画像下、お猿さんの顔に例えられることが多いセンダンの冬芽葉痕・・・・・・)


2025年1月 8日 (水)

牛乳に相談だ。「シンクロ篇」「チョーク篇」

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2005(平成17)年から2010(平成22)年頃にかけて、中央酪農会議が「牛乳に相談だ。」というテレビCMを放映していたことがあった。


その目的は若年層の牛乳離れを食い止めるための、牛乳の消費拡大キャンペーンだった。


で、個人的にこの「牛乳に相談だ。」のシリーズは、内容があまりにもバカバカしくツボだったので、ちょっとネタとして採り上げてみたいと思っている・・・・・・。


じつはこの「牛乳に相談だ。」のテレビCMはシリーズ化されていて、じつに10本以上の作品が放映されている。


というわけで、まずは今回は、「シンクロ篇」をご紹介してみたいと思う。


みなさんの記憶の1ページを紐解くことが出来たら幸いである・・・・・・。


「シンクロ篇」

公園のベンチで牛乳を飲んでいる友達に、「牛乳好きね~」と語りかける女子高生。


すると、「ナイスなバディになれんのよ」と友達。


「ナイスなバディ~?」と、ひとり妄想に耽る女子高生・・・・・・。


場面は変わり、なぜかアーティスティックスイミング(当時はまだシンクロナイズドスイミングの名称だった)の会場。


女子高生はなぜか選手として大会に出場している。


プールに入ろうとして、水を身体にちょっとかけるが、「冷たいっ!」と後ずさりする女子高生。


まだ、プールにも入っていないのに、その様子を見て、なぜか10点満点のプレートを出す審査員たち。


演技が始まったものの、泳げないのか、溺れているような感じで、不格好な演技を続ける女子高生。


その様子を見て、またしても10点満点のプレートを掲げる審査員たち。


しかもよく見ると、「10」の脇に手書きで「億」の文字が書かれている。


この審査員、どうみても外国人なのに、なぜ漢字が書けるのか。


その直後、審査員長が驚きの行動に出る。


なぜか金メダルを持ってプールにダイブするのだ。


その様子を見て、お祭り騒ぎの会場・・・・・・。


場面は冒頭の公園のシーンに戻り、「飲まなきゃ!」と女子高生がひとこと。


そしてベンチに背中を当てて、ブリッジしながら瓶牛乳をグビグビ飲む2人。


「牛乳に相談だ ♪」のお馴染みのフレーズでCMは終了となる・・・・・・。


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そしてこの「シンクロ篇」と同時期に、もう1本CMが放映されていたので、こちらも続けてご紹介してみたいと思う・・・・・・。


「チョーク篇」

机を向かい合わせにして、2人の男子生徒が話をしている。


友達が瓶牛乳をがぶがぶ飲んでいる姿を見て、思わず、「この牛乳好きめ!」と言ってしまう男子生徒。


すると友達は、大して気にする様子もなく、「集中力がアップするんだよ」とひと言。


「集中力・・・・・・?」と妄想を始める男子生徒・・・・・・。


授業中なのにこっそり雑誌を見て、後ろの席の友達に何やら話しかけている男子生徒。


うかつなことに教鞭を震う女教師に、その様子を見られてしまう。


しかも、この女教師、ただ者ではないらしく、間髪入れず正確なコントロールで、チョークを投げつけて来る。


しかし、男子生徒の反応は早く、それを頭を傾けて余裕で避けてしまう・・・・・・。


すると今度は悔しそうな表情を浮かべながら、両手の指の間にチョークを挟み、それを一気に投げつけて来る女教師。


この女教師、もしかして忍者の家系なのか。


しかし男子生徒はそれを身体をくねらせながら避けてみせる・・・・・・。


それを見た女教師、ここで方向転換、秘密兵器を投入する。


なんと教卓の天板を跳ね上げると、中にチョークがびっしりと入っている。


そして足でペダルを踏むことで、収納部分が跳ね上がり、チョークが一気に飛んで来る仕組みになっている。


しかし男子生徒はそれすらも、いとも簡単に避けてしまう・・・・・・。


それを見た女教師は、教卓の下に避難したのかと思いきや、なんと教卓の下にはたくさんの操作レバーが隠されていたのだ。


そして手慣れた手つきで、それを操作していく女教師。


するとメカニカルアームが教卓の前方から出て来て、矢のようなスピードでチョークを投げつけて来る。


しかし、それすらも男子生徒は避けてしまうのだが、その避け方がまた凄いのだ。


なんと男子生徒は爆速で飛んで来たチョークを箸でキャッチしてしまうのだ。


動体視力ハンパねぇという話である・・・・・・。


それを見た女教師は、いよいよ最後の手段に出る。


なんと女教師は、「ガシン!ガシン!ガシン!」といいながら、巨大チョークに変身してしまうではないか。


こいつ人間ではなかったのか・・・・・・。


そして巨大チョークはロケットのごとく発射される。


ちなみに巨大チョークの前面は女教師の顔になっており、「うはははははっ!」と笑いながら男子生徒に突っ込んで来るのだが、恐怖というか、非常に気味が悪い。


しかし男子生徒は、それすらも全く臆することなく、両手でキャッチしてしまう。


そしてチョーク前面の女教師の顔に向かって、「授業を続けませんか?」とクールにひと言・・・・・・。


そして場面は冒頭の教室のシーンに戻り、「飲まなきゃ!」。


最後に友達と向かい合い、のけぞりながら瓶牛乳を「グビッ!」と飲み、「ぎゅ~にゅ~にそ~だんだっ ♪」というこのCMではお馴染みのフレーズが流れる。


そして、「牛乳に相談だ gyunyu.com」というテロップが出てCMは終了となる・・・・・・。


(画像上、キンクロハジロが珍しく陸に上がって来ていた・・・・・・。画像下、寒空の下、ニホンスイセンが綺麗に咲いている・・・・・・)


2024年11月19日 (火)

流行ったけれど、縁のなかったカバン

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昭和の頃、「グルーピーケース」という、厚紙で出来たカバンのようなものが流行ったことがあった。


カバンといっても、菓子箱的なものに留め具を付けて、「カパッ!」と、開け閉めが出来るようにしただけのもので、留め具がなければ、ただの丈夫な箱だった・・・・・・。


で、箱が勝手に開いてしまわないように、スナップボタンで「パチッ!」と、留められるようになってはいたのだが、持ち手などはなかったので、小脇に抱えて持ち歩くしかなかった。


個人的には持ち手がないと、持ちづらくてしょうがなくて、いくら流行っているとはいえ、買おうとは思わなかった・・・・・・。


ちなみにグルーピーケースは、1971(昭和46)年に発売になり、1988(昭和63)年まで製造販売されていたようだ。


当時はテレビで、「ミドリのミドリのグルーピーケース ♪」というCMも流れていたので、覚えているかたも少なくないのではないだろうか。


ちなみに「ミドリ」とは発売元の会社の名前である・・・・・・。


グルーピーケースは私には刺さらなかったが、世間一般では流行っていたので、じつに様々なデザインのものが発売になっていた。


個人的によく見かけたのは、ジーンズの尻ポケットの部分を切り取って、ケースに貼り付けたようなデザインのもの、キティちゃんやスヌーピーなどのキャラクターもの、ラグビーのユニフォームや、アメリカンフットボールチームのデザインのものなどが記憶に残っている・・・・・・。


で、このグルーピーケースと同時期に流行っていた(?)のが「ブックバンド」だ。


当時アメリカなど、海外の学園ものドラマを見ていると、学生が教科書をバンドとバックルで十字形に留め、肩から担いで歩いていた。


見た目はかっこいいのだが、よくよく考えてみれば、バンドを緩めて教科書を取り出したら、また縛り直さなくてはならないし、移動の最中にバンドが緩んだりしたら、その辺に教科書をばら撒いてしまうだろう・・・・・・。


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さらにいうなら、ペンケースなどの小物は、いっしょに束ねることが出来ないから、別に持って歩かなければならないのだ。


教科書だって全てサイズがいっしょならいいが、大きさが違うものがあったりしたら、きちんと固定することが出来ないはずである。


これについては、過去に雑誌や本を捨てるときに、ビニールひもで束ねたものを、ゴミ捨て場まで持って行く最中に、その場に派手にばら撒いてしまい、とっくの昔に証明済みである・・・・・・。


もっというなら、雨の日はどうするのだろうか。


バンドで束ねて肩から担いでいるだけなら、まず間違いなく、濡れてしまうだろうし、それを乾かしたとしても、ページが波打ってヨレヨレになってしまい、読みづらいことこのうえない。


そんなわけで、個人的にはこのブックバンドも、「面倒くさい」、「使いづらい」という理由からパスだった・・・・・・。


昭和の頃に流行ったが、自分には刺さらなかったカバンといえば、「セカンドバック」も忘れてはならない。


セカンドバックは小脇に抱えて歩くタイプのカバンで、グルーピーケースと同様に持ち手はなかった。


当時はプロ野球選手が契約更改の時などに持ち歩いている印象が強くて、スポーツニュースの映像でよく見かけたものだった・・・・・・。


セカンドバックはグルーピーケースよりも一回り以上小さくて、今となっては、「スマホもない時代に、いったい何を入れていたのだろう?」と思う人も少なくないと思う。


じつはセカンドバックの中身は、財布や印鑑、眼鏡やペンなど、ちょっとしたもので、だからこそ、プロ野球選手の契約更改の時に、よく見かけたのだろう・・・・・・。


当時子供だった私は、財布なんて小銭入れで十分だったし、印鑑なんて使う機会もなく、視力はよかったので眼鏡なんて無用の長物だった。


となると、セカンドバックに入れるものはペンしかなくて、結果的に買っても役に立たないものということで、自分には縁のないカバンだったのである・・・・・・。


(画像上、里山では至る所で咲いているノコンギクの花・・・・・・。画像下、ケヤキは他の木々に先駆けて、いち早く紅葉が始まる・・・・・・)



2024年11月 1日 (金)

尻目

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一般に妖怪というと、怖いイメージがあると思う。


しかし、なかにはいったい何の目的で、人の前に姿を現しているのか、全くもって理解不能なものもいる。


例えば「尻目」という妖怪がそうだ・・・・・・。


尻目は暗い夜道に現れる妖怪で、最初は人間の少女の姿をしていて、なぜか道にじっとうずくまって泣いている。


そんな光景を目の当たりにしたら、誰だって「大丈夫?」と声をかけてしまうだろう。


すると少女はおもむろに立ち上がると、なんと服を脱ぎ始めるのだ。


あっけにとられて、その様子を眺めていると、少女はついにはすっぽんぽんになってしまう。


そしてなぜか、四つん這いになって、こちらに尻を突き出して見せる。


一瞬、屁でもこくのかと疑ってしまうのだが、どうもそうではないらしい・・・・・・。


そして次の瞬間、私たちは尻目の真の姿を目の当たりにすることになるのだ。


なんと尻目の尻には、本来、肛門があるべき場所に目が付いているのだ。


それも一つ目である。


こういうのを「目の付け所が違う」というのだろうか・・・・・・。


ということは、尻目はこちらに尻を向けているにもかかわらず、こちらの様子がつぶさに見えているということになるのだろう。


さらにこの尻に付いている目は、ギョロギョロとあたりを見回すだけでなく、なんとピカピカとフラッシュを繰り返すというのだ。


何かの攻撃の予兆かと思い、一瞬身構えてしまうのだが、尻目はなぜかそれ以上のことは何もして来ない。


いったい何のためのフラッシュなのか意味がさっぱり分からない。


一種の自己主張のようなものなのだろうか・・・・・・。


誤解のないように、念のためもう一度書くが、ピカピカと光っているのは、あくまでも目である。


しかし、この体勢では、傍目には尻の穴が光っているようにしか見えない。


尻目の光る尻の穴(実際には目)を目の当たりにして、路上で腰を抜かして驚いている人がいる光景は、想像してみるとなんとも滑稽である・・・・・・。


Photo_20241101171602

ところで尻目は尻に目が付いているということは、本来はこちら側が「顔」ということになるのだろう。


しかし、その割には、鼻や口はどこにも見当たらない。


では、我々が頭だと思っていた部分は、いったいどうなっているのかというと、なんと目も鼻も口もなく、のっぺらぼうなのである。


少女の姿をしていた時の顔は、いったいどこへ行ってしまったというのだろう・・・・・・。


ということは、尻目には本来顔にあるべきパーツは目しかないことになる。


しかも、単眼ということになるだろう。


ということは、尻目はいわゆる一つ目小僧系の妖怪ということになるのだろうか・・・・・・。


しかし、一般的な一つ目小僧のイメージは、人とほとんど変わらない姿をしており、唯一違うのが、目が1つしかないという点だ。


そして、いうまでもないが、目や鼻や口は、人と同じように頭部(顔)のあるべき場所に収まっている。


二足歩行や四足歩行をする生物にとっては、それが最も理想的な形と言えるだろう・・・・・・。


ところが尻目は、目は尻の穴に付いているから、まあ、いいとして(よくはないが・・・)、鼻と口はどこにも見当たらないのだ。


いったいどうやって呼吸をして、どこから食べ物を摂取しているのか謎としかいいようがない。


妖怪とはいえ、生きて活動をしているのだから、ちゃんと呼吸もしているだろうし、何も食べないなんてことがあるわけがない。


ところで素朴な疑問だが、肛門が「目」で塞がっているということは、うんこをする時はいったいどうしているのだろう・・・・・・。


ところで、尻目を二足歩行の生物だと仮定すると、彼(彼女)は立った状態では何も見えていないことになるだろう。


恐らく尻目の「目」はお尻の割れ目に埋没してしまい、きっと目を閉じているのと同じ状態のはずだ。


ということは、尻目には二足歩行は不可能ということになるだろう。


だから、「道にうずくまって泣いている」ような、不自然な登場の仕方になってしまったのだろう・・・・・・。


そして、突然服を脱ぎだした理由も、服を脱がなければ、目が覆われていて、何も見えないからということになる。


そして四つん這いになって、尻を突き出すことで、ようやく周りを見渡せるようになるわけだ・・・・・・。


しかし、人間の常識に当てはめて考えるなら、この状態では足も手も逆向きに付いていることになり、きっと動きにくいこと、このうえないだろう。


だから尻目は肛門をフラッシュさせるだけで、何もして来ないのかもしれない。


そんなわけで、もし暗い夜道で尻目と出会ったら、彼(彼女)のパフォーマンスを最後まで見届け、少し同情してやって欲しいと思う・・・・・・。


(画像上、セセリチョウがフヨウの花の中で雨宿り・・・・・・。画像下、アキアカネは低温に強く、毎年初冬の頃まで見られる・・・・・・)



2024年10月14日 (月)

牛乳に相談だ。「バスケ篇」「シンデレラ篇」

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2005(平成17)年から2010(平成22)年頃にかけて、中央酪農会議が「牛乳に相談だ。」という、テレビCMを放映していたことがあった。


その目的は若年層の牛乳離れを食い止めるための、牛乳の消費拡大キャンペーンだった。


で、個人的にこの「牛乳に相談だ。」のシリーズは、内容があまりにもバカバカしくツボだったので、ちょっとネタとして取り上げてみたいと思っている・・・・・・。


じつはこの「牛乳に相談だ。」のテレビCMはシリーズ化されていて、じつに10本以上の作品が放映されている。


そしてその記念すべき最初の作品は「バスケ篇」で、2005(平成17)年8月から放映が開始されている。


CMではまず、バスケ部のロッカー室が映し出される。


弱小チームなのか、「試合に勝ちて~」と部員Aがつぶやく。


すると部員Bがすかさず、「じゃ、牛乳だ!」と唐突にひと言。


「なんで?」と部員A。


「でかくなるんだよ」と部員Bが答える。


すると虚空を見つめながら、「でかく・・・・・・」と妄想に耽る部員A・・・・・・。


そして、場面は部員Aの妄想の世界に切り替わる。


どうやら他校との試合のシーンのようだ。


しかし、なぜか部員Aたちは巨人になっており、バスケットボールをまるでバケツリレーでもしているかのように、後ろへ手渡しで次々と回していく。


相手チームは巨人化していないので、ボールに全く手が届かず、なんなくゴールを決めることが出来る。


「よっしゃ!」と喜び合う部員Aたち。


巨人チームに対抗するため、素早いドリブルで部員Aたちの股の間を潜って行き、虎視眈々とゴールを狙う相手チーム。


しかし、巨人と化している部員Aは、ゴールを手の平で隠してしまい、相手チームのシュートは入らない。


スコアを見ると、なんと「327対0」。


女子生徒の黄色い声援に鼻の下を伸ばす部員A・・・・・・。


そして場面は冒頭のバスケ部のロッカー室に戻り、「飲まなきゃ!」とひと言。


そして部員全員で牛乳をコップで飲み干す。


「牛乳に相談だ」と男性のナレーションが入り、CMは終了となる・・・・・・。


Photo_20241014160802

で、この「バスケ篇」と同時期に、「シンデレラ篇」も公開されているので、続けてご紹介してみたい。


「シンデレラ篇」の冒頭の場面は自宅のダイニング。


お母さんが唐突に、「牛乳飲んだら人生得よ」と娘に語りかける。


「何が?」と不思議そうに聞き返す娘。


すると「骨が丈夫になるのよ」とお母さん。


「骨?」とつぶやきながら、妄想を始める娘・・・・・・。


そして場面は中世ヨーロッパのような世界に変わる。


髭の長い外国人執事風の男性から、「履いてみてください」とガラスの靴を手渡される娘。


「ガラスの靴・・・」とポツリとつぶやく娘。


そして言われるがままにそのガラスの靴を履いてみるとなんとピッタリサイズ・・・・・・。


ここで登場するのが、意地悪な姉2人なのだが、主人公の「娘」は黒髪ストレートでがっつり日本人なのに、なぜか姉2人は金髪で中世ヨーロッパ風のお姫様ヘア。


どこからどう見ても外国人である・・・・・・。


そしてこの意地悪な姉2人が暴挙に出る。


なんとお城のダビデ像を倒して、シンデレラ(娘)の頭に直撃させてしまうのだ。


しかし、ダビデ像を頭上に乗せたまま、「なに、なに?」とノーダメージのシンデレラ(娘)。


すると、「ず~っと探してました」と、突然どこからともなく、いかにもバカっぽい王子が現れる。


そして、「あなたのような素敵な骨密度の女性を!」とおかしなことを言い出す。


その直後、シンデレラ(娘)の頭の上に乗っていたダビデ像が首からポキッと折れて、頭の部分だけがシンデレラ(娘)の頭上に残る。


「結婚して!」と王子・・・・・・。


場面は変わり、城の外で夜空を見上げる2人。


「あ、流れ星!」と王子。


「ロマンチック~」と思わずつぶやくシンデレラ(娘)。


その直後、シンデレラ(娘)の頭に隕石が直撃。


「あっつ(熱)!」とはいうものの、なんとシンデレラ(娘)は無傷。


逆に隕石の方が煙を出しながら割れてしまう。


もはやドクタースランプアラレちゃんの世界である・・・・・・。


場面は冒頭の自宅ダイニングに戻り、「飲んどこうかな~」とお母さんと2人でコップに入った牛乳をグビッと飲み干す。


そして、「牛乳に相談だ」と男性のナレーションが入り、CMは終了となる・・・・・・。


このCMによって、牛乳のイメージアップがはかられ、若年層の牛乳離れを食い止めることに繋がったのかどうかは分からないが、面白かったことだけは確かである・・・・・・。


(画像上、草地にアキアカネがたくさん舞っていた・・・・・・。画像下、アキノタムラソウがあちこちで咲いている・・・・・・)


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