「カレーアイス」と「すしアイス」
昭和のお菓子は「攻めている」商品が多かった。
いまは「味や食感で勝負」している商品が多いが、昭和のお菓子はパッケージも含めた見た目でも攻めていたのである・・・・・・。
私が子供の頃、赤城乳業から、「カレーアイス」という、信じられないような商品が発売になっていた。
赤城乳業といえば、もはやいうまでもなく、ガリガリ君で有名なあの会社である。
赤城乳業がこんなに攻めた商品も出していたのかと後になって気付いて、とても驚かされたものである・・・・・・。
カレーアイスというくらいだから、バニラアイスの上にカレーがかけてあるのを想像してしまうのだが、実際のところは、カレーに見立てたチョコレートがかけてあったのだった。
しかも、このカレーに見立てたチョコレートは、「甘口」と「中甘」の2種類があって、パッケージにもしっかりと書かれていた。
ちなみにパッケージに書かれていた注意書きによると、「中甘」はハーフビターチョコ味なのだとか。
どうでもいいが、ビターチョコ味のハーフとは、いったいどういう意味なのだろうか・・・・・・。
で、このカレーアイス、楕円形をしたカレー皿を模した容器に入っていた。
そして、パッケージ中央には、「カレーアイス」という商品名が赤字で配置され、右端に「中甘」、もしくは「甘口」のいずれかの表示がされていた。
そしてパッケージ上部には緑色の文字で、「古代インダス文明も、まっ青!」と意味不明なことが書かれていた・・・・・・。
そしてパッケージの左側には、金髪で黒髭の上半身裸の謎の男が、あぐらをかいて座っているイラストが描かれていた。
そして彼は、「赤城亭」という緑色の看板(?)を掲げているのだ。
また、彼の足の前には、壺と笛が置かれていて、その様子からして、どうやら彼は、「蛇使い」のようである。
インドといえば「蛇使い」というのが、昭和の子供たちの間に定着した、間違ったイメージだったのである・・・・・・。
と、そんなわけで、色々とつっこみどころ満載のカレーアイスだったのだが、子供たちの間では、「え~!」と思いながらも、カレーの味や香りをどこかで求めていたところがあって、買って食べてみて、「何だカレーじゃないじゃん」と、がっかりしている者が一定数いたものだ。
逆に本当のカレー味だったら、「アイスにカレーはないだろう~」と文句をいうくせに、何をほざいているんだ、このクソガキは!といったところである。
しかし、100個に1個くらいは、「当たり」として、本当のカレー味を入れてみても面白かったのではないだろうか。
そんなカレーアイスだったのだが、みなさんもご存知の通り、とっくの昔に終売になっており、是非とも復刻販売をしてもらいたいな~と思う次第である・・・・・・。
攻めているアイスといえば、にぎり寿司の見た目をした、「すしアイス」も衝撃だった。
すしアイスを発売していたのは、あずきバーでお馴染みの井村屋で、カレーアイスの時と同様に、その意外さにとても驚かされたものである。
すしアイスのパッケージは、斜めに大きく、「にぎり寿司」という文字が配置されていて、これがとにかく目立っていて、パッケージの右上部に書かれていた、「すしアイス」という文字を打ち消すほどの効果があった・・・・・・。
ちなみにこのすしアイス、マグロのにぎりとたまご焼きのにぎりの2個入りで、パッケージには2貫並べたイラストが描かれていた。
それにしても、どういう理由でマグロとたまご焼きのネタがチョイスされたのか、その理由を知りたいところだ・・・・・・。
当たり前の話だが、このすしアイス、本当にマグロやたまご焼きの寿司の味がするわけではなく、あくまでも中身は普通のアイスである。
アイスをにぎり寿司の見た目にして、はたして子供たちの購買意欲を書き立てられるのかといったら、かなり疑問ではあるのだが・・・・・・。
きっと現代だったら、企画の段階で却下になっているだろう。
それでも勢いのまま発売してしまった昭和のあの頃って、すごい時代だったんだな~と改めて思う・・・・・・。
(画像上、雑木林の窪地で咲くアジサイの花・・・・・・。画像下、一般的なアジサイとは花の形が違うカシワバアジサイの花・・・・・・)
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