ミステリーファインダー
昭和の頃は、どんな雑誌にも必ずといっていいほど、怪しい通信販売の広告が掲載されていた。
そしてそれらの広告は、誰がどう見ても、「絶対に嘘に決まっている」とか、「そんなうまい話があるわけがない」と感じるものばかりだった・・・・・・。
「ミステリーファインダー」は、こと、怪しさという面においては、これ以上のものはないというくらい、見た目からして、怪しさ全開の商品だった。
「ミステリーファインダー」は、分厚い少年向け漫画雑誌に広告を出していたので、それらの雑誌を購読していた人は、恐らく毎週のように、目にしていたのではないだろうか・・・・・・。
昭和の頃によくあった、怪しい通信販売の広告というと、必ずといっていいほど、「体験者Aさん」のレポートが掲載されていたものだ。
このため広告は、大きなものだと、1ページまるまる使っていたりしているものも少なくなかった。
しかし、「ミステリーファインダー」の広告は単純明快で、ページの片隅に小さな枠で囲まれて、4~5行の説明と小さな写真が添えられているだけだった・・・・・・。
で、まず目に飛び込んで来るのは、仏像の首(頭)だけが写った写真である。
子供の頃に初めてこれを見た時の衝撃は、いまも忘れられない。
「なんだか怖い物を見てしまった・・・」という気持ちと、「これはいったい何なんだ?」という好奇心が頭の中で交錯する・・・・・・。
そこでまずは説明書きを読むことにする。
すると、「これはふしぎ!大仏の首が鳥や玉子、昆虫などの、オス、メスをピタリと当てる。」とだけ書かれている。
まず、この首は、「大仏の首(頭)」だったことが判明した。
そして、その「大仏の首(頭)」が「オス、メスをピタリと当てる」そうなのだが、いったいどうやって当てるのかは、何も書かれていなかった。
「大仏の首(頭)」が「こいつはオスだ」とか、「こいつはメスだ」とかしゃべり出すのだろうか。
しかし、広告の一番下に書かれている値段は、300~400円ぐらいだったと思うので、そんな大それた機能は付いていないだろう・・・・・・。
後から聞いた話では、この大仏の首は、どうやらペンダントになっていたようだ。
で、オス、メスの判定をしたいときには、ペンダントを手に下げて持ち、大仏の首が直線的に揺れるか、円を描いて揺れるかで、雌雄を判断するとのことだった。
いわゆるダウジングということになるのだろう。
しかし、ダウジングなら5円玉を紐でぶら下げたもので十分代用可能で、わざわざ大仏の首など買う必要はないのだ・・・・・・。
それに、そもそもの話になってしまうが、子供がこれを欲しがるだろうか。
300~400円という値段を見ても、これはどう考えても、ターゲットは子供だろう。
しかし、当時、大仏の首を、自分の首にかけて歩いているやつなんて、1回も見たことがなかった。
べつにかわいくもないし、かっこよくもないし、面白くもないのだ。
それに動物の雌雄を判定しまくったところで、それがいったい何になるというのか。
そんなわけで、広告写真だけはインパクト絶大な「ミステリーファインダー」だったのだが、300~400円出して、こんなものを買うなら、「ドラえもん」の単行本を1冊買った方がよっぽど得だと思っていた、子供時代の私だったのである・・・・・・。
(画像上、染井吉野からバトンを繋ぎ、八重桜が咲き始めた・・・・・・。画像下、染井吉野の下は散った花びらが地面を染めていた・・・・・・)




















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