カテゴリー「オカルト(都市伝説)」の記事

2026年4月 8日 (水)

ミステリーファインダー

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昭和の頃は、どんな雑誌にも必ずといっていいほど、怪しい通信販売の広告が掲載されていた。


そしてそれらの広告は、誰がどう見ても、「絶対に嘘に決まっている」とか、「そんなうまい話があるわけがない」と感じるものばかりだった・・・・・・。


「ミステリーファインダー」は、こと、怪しさという面においては、これ以上のものはないというくらい、見た目からして、怪しさ全開の商品だった。


「ミステリーファインダー」は、分厚い少年向け漫画雑誌に広告を出していたので、それらの雑誌を購読していた人は、恐らく毎週のように、目にしていたのではないだろうか・・・・・・。


昭和の頃によくあった、怪しい通信販売の広告というと、必ずといっていいほど、「体験者Aさん」のレポートが掲載されていたものだ。


このため広告は、大きなものだと、1ページまるまる使っていたりしているものも少なくなかった。


しかし、「ミステリーファインダー」の広告は単純明快で、ページの片隅に小さな枠で囲まれて、4~5行の説明と小さな写真が添えられているだけだった・・・・・・。


で、まず目に飛び込んで来るのは、仏像の首(頭)だけが写った写真である。


子供の頃に初めてこれを見た時の衝撃は、いまも忘れられない。


「なんだか怖い物を見てしまった・・・」という気持ちと、「これはいったい何なんだ?」という好奇心が頭の中で交錯する・・・・・・。


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そこでまずは説明書きを読むことにする。


すると、「これはふしぎ!大仏の首が鳥や玉子、昆虫などの、オス、メスをピタリと当てる。」とだけ書かれている。


まず、この首は、「大仏の首(頭)」だったことが判明した。


そして、その「大仏の首(頭)」が「オス、メスをピタリと当てる」そうなのだが、いったいどうやって当てるのかは、何も書かれていなかった。


「大仏の首(頭)」が「こいつはオスだ」とか、「こいつはメスだ」とかしゃべり出すのだろうか。


しかし、広告の一番下に書かれている値段は、300~400円ぐらいだったと思うので、そんな大それた機能は付いていないだろう・・・・・・。


後から聞いた話では、この大仏の首は、どうやらペンダントになっていたようだ。


で、オス、メスの判定をしたいときには、ペンダントを手に下げて持ち、大仏の首が直線的に揺れるか、円を描いて揺れるかで、雌雄を判断するとのことだった。


いわゆるダウジングということになるのだろう。


しかし、ダウジングなら5円玉を紐でぶら下げたもので十分代用可能で、わざわざ大仏の首など買う必要はないのだ・・・・・・。


それに、そもそもの話になってしまうが、子供がこれを欲しがるだろうか。


300~400円という値段を見ても、これはどう考えても、ターゲットは子供だろう。


しかし、当時、大仏の首を、自分の首にかけて歩いているやつなんて、1回も見たことがなかった。


べつにかわいくもないし、かっこよくもないし、面白くもないのだ。


それに動物の雌雄を判定しまくったところで、それがいったい何になるというのか。


そんなわけで、広告写真だけはインパクト絶大な「ミステリーファインダー」だったのだが、300~400円出して、こんなものを買うなら、「ドラえもん」の単行本を1冊買った方がよっぽど得だと思っていた、子供時代の私だったのである・・・・・・。

(画像上、染井吉野からバトンを繋ぎ、八重桜が咲き始めた・・・・・・。画像下、染井吉野の下は散った花びらが地面を染めていた・・・・・・)

2026年1月21日 (水)

ムラサキカガミ

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昭和の頃、「ムラサキカガミ」というワードが話題になったことがあった。


確か「ムラサキカガミという言葉を、20歳の誕生日まで覚えていると死ぬ」とか、「呪われる」とかいわれていた・・・・・・。


で、当時はあまり深く考えることなく、「怖い話」とか「都市伝説的なもの」と、勝手に理解していたように思う。


しかし、よくよく考えてみると、怖い話や都市伝説なら、「ムラサキカガミとはいったい何なのか?」ということについて、詳しく語られていなければおかしいと思う。


ところが私が小学生の頃には、そのようなストーリーについては、何も語られていなかったと思うのだ。


何の理由もなく、「ムラサキカガミという言葉を20歳の誕生日まで覚えていたら死ぬ」などといわれても、誰がそんなことを信じるというのか。


そんなこともあって、友達から「ムラサキカガミという言葉を、20歳の誕生日まで覚えていたら死ぬんだって!」と聞かされても、翌日や翌々日、長くても1週間ぐらいは、「あ、今日も覚えているぞ」とか、「まだ覚えているぞ。やばくねえか?」なんて思ってはいたが、そのうちにいった方も、いわれた方も、すっかり忘れてしまっていたように思う・・・・・・。


そもそもの話、ムラサキカガミとはいったい何なのか。


多くの人は、「きっと、紫色の鏡に違いない」と、勝手に思い込み、「うちには紫色の鏡なんてないから大丈夫だ」なんて、「ホッ」と胸をなで下ろしていたりしたものだ・・・・・・。


しかし、ムラサキカガミが、紫色の鏡のことだなんて、誰もひと言もいっていないのだ。


もしかしたら、「村崎かがみ」さんという人なのかもしれないではないか。


そこでムラサキカガミが何なのかについて、ちょっと調べてみることにした・・・・・・。


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すると驚くべきことに、ムラサキカガミにはちゃんとしたストーリーがあったことが分かった。


これについては、地域によっていくつかのバリエーションがあるようだが、大きく関東版のストーリーと、関西版のストーリーに分けられるとのことなので、それぞれご紹介してみたいと思う・・・・・・。


関東版のストーリーでは・・・・・・、


誕生日に素敵な鏡をもらった女の子がいた。


ある日、ふと思いついて、その鏡を紫色の絵の具で塗った。


しかし、自分が思っていたようにはいかず、元通り、絵の具を拭き取ろうとした。


ところが、絵の具はどうしても拭き取ることが出来なかった。


女の子はそのことを後悔し続けて、ついには病気になってしまう。


そして20歳の誕生日を迎える前に、女の子は亡くなってしまった。


女の子は亡くなる時、「紫の鏡・・・、紫の鏡・・・」とつぶやいていたそうだ・・・・・・。


もう1つ、関西地方のストーリーでは・・・・・・、


紫色の鏡を大切にしていた女性がいた。


女性は成人式を控えていたのだが、交通事故にあって亡くなってしまう。


女性の親は大切にしていた鏡を棺に入れてあげようとしたが、どこを探しても見つからなかった。


その後、女性のことを悪くいっていた友人がなぜか失踪。


そして、どういうわけか、その友人の部屋から、紫色の鏡が見つかる・・・・・・。


以上のことから、ムラサキカガミが紫色の鏡であることは、とりあえず分かった。


しかし、この話がどうやったら、「ムラサキカガミという言葉を20歳の誕生日まで覚えていたら死ぬ」につながって来るのかについては、いっさい何も分からなかった。


さらになぜこのストーリーが、私が小学生の頃に語られていなかったのかについても分からず仕舞いだった。


バックボーンとなっているストーリーを知らなければ、ただの意味不明な戯言でしかない。


だからこそ、私たちは死なずに済んだのかもしれないけれど・・・・・・。


(画像上、極寒の冬空のもと、ソシンロウバイの花が咲いている・・・・・・。画像下、冬に活動している昆虫の1種、ナミスジフユナミシャクのオス・・・・・・)






2025年12月 3日 (水)

自分とそっくりな人と会ったら死ぬ

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世の中には自分とそっくりな人が3人は存在するといわれている。


しかし、私は今の今まで、自分とそっくりな人と遭遇したことは一度もない。


「自分とそっくりな人」ということは、これはどう考えても、相手も日本人ということになるだろう。


なぜなら、青い目をした金髪のアメリカ人が、自分とそっくりなわけがないからだ。


どんなに顔立ちが似ていたとしても、「青い目」や「金髪」という時点でアウトである。


日本人限定ということになると、出会いの場は国内である可能性が極めて高い。


そうなって来ると、もしかしたら、気付いていないだけで、自分とそっくりな人と、どこかですれ違っていた可能性もなきにしもあらずである・・・・・・。


じつは、「世の中には自分とそっくりな人が3人は存在する」という説を、科学的に検証した人がいる。


スペインの「ホセ・カレーラス白血病研究所」所属の、マネル・エステラー氏である。


マネル・エステラー氏は、ある写真家が長年に渡って撮りためていた、「他人の空似」に登場する人々の中から、誰が見てもそっくりなペアを、顔認識アルゴリズムを通して特定し、遺伝子情報を調べたのだという。


すると各ペアには、「血縁関係がなかった」にも関わらず、顔の骨格や肌の色、水分保持といった点において、「DNA配列に共通点があった」という、興味深い結果が示されたのだそう。


この調査報告を見ると、顔の作りに関わるDNAの配列さえ共通していれば、血縁関係などなくても、自分とそっくりな人は、世の中に3人どころか、もっとたくさん存在している可能性もあるわけだ・・・・・・。


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ところで昭和の頃に、子供たちの間でささやかれていたうわさの1つに、「自分とそっくりな人に会ったら死ぬ」というのがあった。


あまりにも唐突な「死の宣告」に、慌てふためいた子供たちがたくさんいたのは、もはやいうまでもない・・・・・・。


で、当時は前述の「世の中には自分とそっくりな人が3人は存在する」といううわさと、「自分とそっくりな人に会ったら死ぬ」といううわさが、混同されていたように思う。


混乱しないようにいっておくと、この2つはそもそも別々のうわさ話である・・・・・・。


で、後者の「自分とそっくりな人に会ったら死ぬ」に関しては、いま考えると、「自分とそっくりな人=ドッペルケンガー」のことだったようである。


一般的にドッペルケンガーと出会うことは、「死の予兆」だといわれていて、幻覚では済まされないほど、多くの伝承が残されている。


文豪、芥川龍之介も、ドッペルケンガーを見たといわれており、目撃後間もなくして、死亡したともいわれている。


ところでこのドッペルケンガーは、「自分とそっくりな人」ではなく、どうも「自分自身」のようなので、そっくりさんとは違って、会話など意思の疎通は出来ないようである。


もし、出来たとしたら、それはもはや病気であり、〇〇科の専門医のお世話になることになる・・・・・・。


一方の「自分とそっくりな人」に関しては、自分とは別人の、「ただのそっくりな人」なので、もし街で出会ったら、勇気を出して話しかけてみるのもいいかもしれない。


ただ、自分と見分けが付かないくらい、そっくりな人と出会った場合、それがそっくりさんなのか、ドッペルケンガーなのか、どうやって区別をつけたらいいのか悩むところだ・・・・・・。


(画像上、落葉したイチョウの葉で、黄色い世界が出来上がっていた・・・・・・。画像下、越冬中のアカスジキンカメムシが、日光浴に出て来ていた・・・・・・)






2025年8月20日 (水)

音楽室のうわさと鼻血の原因

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昭和の頃には日常生活に密着した迷信や、都市伝説というのがけっこうあった。


そしてそれらは真偽のほどは定かではないのに、なぜか信じている人が少なくなかった・・・・・・。


例えば学校の七不思議として有名になった、音楽室の肖像画の目が夕方になると、キョロキョロと動き出すとか、誰もいないはずの音楽室から、ピアノを弾く音が聞こえて来るという、いわゆる「怖い話」などがそうだ。


じつはこれについては、実際に見たり聴いたりしたという人が、1クラスに何名かは必ずいたものである。


他の七不思議に関しては、エピソードが伝わっているだけで、実際に体験した人はいなかったのに、音楽室の話だけは、目撃者や体験者がいて、妙に信憑性が高かったのである・・・・・・。


で、この音楽室のエピソードなのだが、私が大人になってから聞いた話では・・・・・・、むかし放課後に音楽室で遊んでいた女の子がいて、何かの拍子にピアノの蓋に身体を挟まれて、大怪我をしたことがあったのだという。


この事件がきっかけとなって、先生や保護者が、子供たちにいつまでも学校にいないで、早く帰ってもらおうと、夕方になると音楽室の肖像画の目が動くとか、誰もいないはずの音楽室から、ピアノを弾く音が聞こえて来るという、子供が怖がるような話を、わざと流したのだという。


そしてこれが全国的に広まり、学校の七不思議の1つになったということらしい・・・・・・。


しかし、その後、うわさを流した先生や保護者たちが、予想もしていなかったことが起こり始める。


遅くまで学校で遊んでいた子供たちの中から、実際に肖像画の目が動いたのを見たという者や、誰もいない音楽室からピアノを弾く音が聞こえたと主張する者が複数人現れたのだ。


ただのうわさ話が都市伝説へ昇華した瞬間だった・・・・・・。


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昭和の頃に聞いたうわさ話に、「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」というのもあった。


これについては、うわさ話というよりも、「本当の話」として語られていたので、チョコレートを食べるときには、どのくらいが適量なのかが分からず、「もしかしたら、もうひとくち食べたら、鼻血が出るんじゃないか・・・」と、ビクビクしながら食べていたのを覚えている。


そしてどうもこのうわさを流したのも、じつは子供たちの親だったようだ・・・・・・。


戦後の日本では、アメリカ兵が配ったチョコレートが流行していた。


しかし、チョコレートばかり食べていると、身体が甘いものを摂取したことで満足してしまい、まともに食事が出来なくなってしまう。


このことを懸念した親がチョコレートを控えさせるという意味で、そのようなうわさを流したのではないかと考えられている・・・・・・。


そもそもの話、カカオポリフェノールには血圧を下げる効果があり、鼻血は逆に出にくくなるそうなのだ。


大人に比べて子供の方が鼻血が出やすいのは、鼻の穴をほじったり、こすったりしてしまい、その時に出来る傷が原因なのだそう。


チョコレートの食べすぎとは何の関係もないのだ。


同様にピーナツを食べ過ぎると鼻血が出るという話もあるが、こちらもチョコレートと同様に、食べ過ぎて食事を摂れなくなることを懸念した親が流したうわさだったようだ・・・・・・。


もうひとつ、つけ加えるなら、「エッチなものを見ると鼻血が出る」というのもある。


昭和の漫画にはよくある描写で、ヒロインのパンツや裸を、偶然見てしまった主人公が、両方の鼻の穴から鼻血を、「ブーーーツ!」と勢いよく噴射するシーンがある。


これについても、子供に見せないために、親(大人)が作り出した迷信だといわれている。


これらのことから総合的に判断すると、「大人の言うことは、鵜呑みにしない方がいい」ということである・・・・・・。


(画像上、立秋を過ぎるとちらほらと鳴き始めるツクツクボウシ・・・・・・。画像下、セミたちの母なる木。こんなにたくさんのセミたちを地上へ送り出して来た・・・・・・)

2025年1月15日 (水)

MAYA

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▲自宅の物入れから、昭和の頃の古い雑誌が出て来た。「MAYA」は1988(昭和63)年10月に、「月刊ムー」の姉妹誌として創刊されている・・・・・・。

自宅の物入れを整理していたところ、思いがけず古い雑誌が出て来て、思わず見入ってしまった。


表紙のタイトルには、「MAYA」とあるのだが、いまの私には買った記憶が全くなくて、見覚えがない雑誌だった・・・・・・。


そこで表紙を捲って、目次を確かめてみることにする。


すると巻頭特集は、「ザ・ピラミッドミステリー」、総力特集企画は、「占いスペシャル1992年はこうなる!」、そして巻末大特集は、「宇宙人大図鑑」とある。


これを見ると、この「MAYA」という雑誌は、どうやらオカルト情報誌のようである。


オカルト情報誌といえば、1979(昭和54)年に学習研究社から創刊された「月刊ムー」が有名だが、ムー以外にもオカルト情報誌が発売されていたとは知らなかった・・・・・・。


で、「MAYA」については、衝撃的事実が明らかになった。


なんと「MAYA」は「月刊ムー」と同じ学習研究社から刊行されていたのである。


「すでにムーがあるのになんで?」と思うかたも少なくないと思うが、じつは「MAYA」は「月刊ムー」よりも、低年齢層に向けて刊行した雑誌だったらしいのだ。


確かに「月刊ムー」の内容は、子供にはかなり難しく、とてもじゃないが簡単に理解出来るようなものではなかった。


ちなみに「MAYA」は1988(昭和63)年10月に、月刊ムーの姉妹誌として創刊されている。


そう考えると、「ムー」を意識しての、「MAYA」というタイトルだったのだと理解出来る。


ちなみに「月刊ムー」以外のオカルト情報誌は、現在は全て休刊になってしまっている・・・・・・。


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▲巻末大特集の「宇宙人大図鑑」。オールカラーできれいにまとめられているが、いまとなっては、ちょっと聞いたことのないような宇宙人も紹介されている・・・・・・。

ところで、今回自宅の物入れから出て来た「MAYA」は、1992(平成4)年2月号だったのだが、なんとなんと、休刊前の最後の号だったのだ。


通常ならば「次号予告」になるページに、「読者の皆様へ」というタイトルがあって、「マヤはこの2月号を持って休刊いたします。3年半に渡る読者の皆様のあたたかいご支援に心よりお礼申し上げます。ビジュアルでわかりやすいオカルト入門書として、「マヤ」は可愛がって貰うべく努力してきました。しかし、当初の志とは裏腹に、読者の皆様のご期待に添えるまでに成長するに至りませんでした。誠に心苦しく残念ですが休刊のやむなきに至りました。長い間のご愛読有り難うございました。」とある・・・・・・。


この文面を見ると、3年半しか続けられなくて、読者に対して申し訳ないという気持ちが、ひしひしと伝わって来るのだが、個人的には雑誌として、3年半は長続きした方なのではないかと思う。


昭和のファミコンブームの頃に発売になった、ファミコンの情報誌なんて、3年どころか数ヶ月で休刊に追い込まれたものもあるのだ。


それを考えたら、3年半続けられたことは、立派だったと思うのだ・・・・・・。


ちなみにあまり知られていないが、「MAYA」を刊行していた学研からも、ファミコン情報誌は発売になっていた。


1986(昭和61)年4月に創刊された「ファミコントップ」がそれである。


じつはこの年にはなんと6誌ものファミコン情報誌が創刊されていた。


そのことも影響したのか、「ファミコントップ」は思うように売り上げが伸びていかず、なんとたったの4号で休刊へ追い込まれることになってしまった。


これは当時10誌近くあったファミコン情報誌の中で、最も短命な雑誌だったといえる。


そんなわけで、すでにお気づきかと思うが、学研には「MAYA」よりも上(下ともいえる・・・)の雑誌があったのである。


イメージとは裏腹に、学研ってけっこうやっちまっていたようである・・・・・・。


そして今回の件で1つ分かったことは、私がこの「MAYA」という雑誌をたった一冊だけ捨てずに保管しておいたのは、この号が最終号だったからではないだろうか。


ということは、当時のわたしは、この「MAYA」をずっと愛読していたのかもしれない。


そんな愛着のある雑誌でなければ、いくら最終号とはいえ、ずっと保管しておくことなんてないだろう。


ただ、1つ残念なのは、私には「MAYA」を購読していた頃のことが、いくら思い出そうとしても、全く思い出せないのだった・・・・・・。



2024年12月13日 (金)

「あかなめ」と「枕返し」

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個人的には妖怪というと、人気の少ない場所で、気配を消して、ひっそりと暮らしているイメージが強い。


このため人間がその姿を目撃することはめったにない。


だからこその「妖怪」であり、これが日常的にしばしば目撃される存在であったら、きっと別の呼び方になっていたことだろう・・・・・・。


ところが妖怪の中には、大胆にも人の生活空間に、堂々と侵入してくるものもいる。


例えば「あかなめ」という妖怪は、住人も寝静まった深夜にその家の風呂場に出現する。


人もいない風呂場で、いったい何をしようというのか・・・・・・。


じつは「あかなめ」は、人のいない風呂場で、浴槽に付着した垢をペロペロと舐めているのだ。


「それで?」と思うかたも少なくないだろうが、「あかなめ」がする行動は、その一点に尽きる。


他にはいっさい何もしない・・・・・・。


住人の寝静まった深夜の出来事なので、人間の側からしたら、深夜の風呂場でそんなことが起きているなんて知る由もなく、「あかなめ」の侵入については、永遠に気付くことはないのである。


ただ、浴槽を洗う時に、「最近いやにヌメリがひどいな~?」とは感じるかもしれない・・・・・・。


「あかなめ」が来訪する頻度は定かではないが、風呂の水を替えずに入った日に限って、前日の深夜に「あかなめ」が来ていたりすると、ひじょうにやっかいである。


お風呂に浸かって、「ホッ」と一息ついていたら、ふと浴槽のヌメリに気付いて、「ああ、やっぱり水を替えておけばよかったな・・・」などと思っても、時すでに遅しである。


そのヌメリがただの汚れではなく、「あかなめ」のよだれだったなんて、思いもしないだろうが、そんな経験があるかたは、注意した方がよいだろう。


もしかしたら「あかなめ」は、あなたの家の風呂場の常連で、「ここの家の垢はひと味違う!」などと、太鼓判を押されている可能性もある・・・・・・。


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風呂に入ってさっぱりしたら、後は寝るだけである。


しかし、妖怪の中には、深夜に寝室に現れるものもいるので、うかうかしてはいられない・・・・・・。


先ほどの「あかなめ」は、人に危害を加えるようなことはなかったが、深夜に寝室に現れる「枕返し」という妖怪は、熟睡している人に対して、いたずらのような、謎の行動を仕掛けて来る。


いったい何をして来るのかというと、「枕返し」という名前にもあるように、枕を素早く抜き取って、それをひっくり返して、「サッ!」と元に戻したり、抜き取った枕を投げ捨てたりして来る。


また、布団を「ガバッ!」とめくって、寝ている人の体の向きを、上下逆に入れ替えたりもする。


いったい何のためにそんなことをして来るのか、全くもって理解に苦しむ。


それを実行することによって、相手が起きてしまう可能性もあるわけで、そんなリスクを冒してまで、やることの意味が分からない・・・・・・。


人間の側からしたら、朝起きた時に感じる寝違えや体の痛みは、恐らくこいつのせいだろう。


また、十分寝たのに「寝た気がしない」とか、寝ていただけなのに、「なぜか疲れた」という時も、「枕返し」が現れていた可能性がある。


「もう、やめてくれよ~」という話である・・・・・・。


先ほども書いたが、「枕返し」のこれらの行動は、非常にリスクが高い。


それにもかかわらず、それを実行して来るということは、想像するにこれは仕事なのではないか。


いったいどこから給料が出ているのかは謎だが、夜遅い勤務ということもあり、きっと深夜手当が付くのだろう。


さらにオフィスに出社するわけではないので、恐らくは出張手当も付いているはずだ。


さらに相手を起こさずに、職務遂行をするためには、それなりに経験と技術が必要になって来る。


当然、技術手当的なものも付くだろう。


そう考えると「枕返し」って、意外と高給取りなのではないか?


人の安眠を妨害しておいて、高額な給料を手にしているなんて、非常に腹が立つ話である・・・・・・。


(画像上、イロハモミジがきれいに紅葉した・・・・・・。画像下、日光浴をしている顔見知りの三毛猫・・・・・・)


2024年11月 1日 (金)

尻目

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一般に妖怪というと、怖いイメージがあると思う。


しかし、なかにはいったい何の目的で、人の前に姿を現しているのか、全くもって理解不能なものもいる。


例えば「尻目」という妖怪がそうだ・・・・・・。


尻目は暗い夜道に現れる妖怪で、最初は人間の少女の姿をしていて、なぜか道にじっとうずくまって泣いている。


そんな光景を目の当たりにしたら、誰だって「大丈夫?」と声をかけてしまうだろう。


すると少女はおもむろに立ち上がると、なんと服を脱ぎ始めるのだ。


あっけにとられて、その様子を眺めていると、少女はついにはすっぽんぽんになってしまう。


そしてなぜか、四つん這いになって、こちらに尻を突き出して見せる。


一瞬、屁でもこくのかと疑ってしまうのだが、どうもそうではないらしい・・・・・・。


そして次の瞬間、私たちは尻目の真の姿を目の当たりにすることになるのだ。


なんと尻目の尻には、本来、肛門があるべき場所に目が付いているのだ。


それも一つ目である。


こういうのを「目の付け所が違う」というのだろうか・・・・・・。


ということは、尻目はこちらに尻を向けているにもかかわらず、こちらの様子がつぶさに見えているということになるのだろう。


さらにこの尻に付いている目は、ギョロギョロとあたりを見回すだけでなく、なんとピカピカとフラッシュを繰り返すというのだ。


何かの攻撃の予兆かと思い、一瞬身構えてしまうのだが、尻目はなぜかそれ以上のことは何もして来ない。


いったい何のためのフラッシュなのか意味がさっぱり分からない。


一種の自己主張のようなものなのだろうか・・・・・・。


誤解のないように、念のためもう一度書くが、ピカピカと光っているのは、あくまでも目である。


しかし、この体勢では、傍目には尻の穴が光っているようにしか見えない。


尻目の光る尻の穴(実際には目)を目の当たりにして、路上で腰を抜かして驚いている人がいる光景は、想像してみるとなんとも滑稽である・・・・・・。


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ところで尻目は尻に目が付いているということは、本来はこちら側が「顔」ということになるのだろう。


しかし、その割には、鼻や口はどこにも見当たらない。


では、我々が頭だと思っていた部分は、いったいどうなっているのかというと、なんと目も鼻も口もなく、のっぺらぼうなのである。


少女の姿をしていた時の顔は、いったいどこへ行ってしまったというのだろう・・・・・・。


ということは、尻目には本来顔にあるべきパーツは目しかないことになる。


しかも、単眼ということになるだろう。


ということは、尻目はいわゆる一つ目小僧系の妖怪ということになるのだろうか・・・・・・。


しかし、一般的な一つ目小僧のイメージは、人とほとんど変わらない姿をしており、唯一違うのが、目が1つしかないという点だ。


そして、いうまでもないが、目や鼻や口は、人と同じように頭部(顔)のあるべき場所に収まっている。


二足歩行や四足歩行をする生物にとっては、それが最も理想的な形と言えるだろう・・・・・・。


ところが尻目は、目は尻の穴に付いているから、まあ、いいとして(よくはないが・・・)、鼻と口はどこにも見当たらないのだ。


いったいどうやって呼吸をして、どこから食べ物を摂取しているのか謎としかいいようがない。


妖怪とはいえ、生きて活動をしているのだから、ちゃんと呼吸もしているだろうし、何も食べないなんてことがあるわけがない。


ところで素朴な疑問だが、肛門が「目」で塞がっているということは、うんこをする時はいったいどうしているのだろう・・・・・・。


ところで、尻目を二足歩行の生物だと仮定すると、彼(彼女)は立った状態では何も見えていないことになるだろう。


恐らく尻目の「目」はお尻の割れ目に埋没してしまい、きっと目を閉じているのと同じ状態のはずだ。


ということは、尻目には二足歩行は不可能ということになるだろう。


だから、「道にうずくまって泣いている」ような、不自然な登場の仕方になってしまったのだろう・・・・・・。


そして、突然服を脱ぎだした理由も、服を脱がなければ、目が覆われていて、何も見えないからということになる。


そして四つん這いになって、尻を突き出すことで、ようやく周りを見渡せるようになるわけだ・・・・・・。


しかし、人間の常識に当てはめて考えるなら、この状態では足も手も逆向きに付いていることになり、きっと動きにくいこと、このうえないだろう。


だから尻目は肛門をフラッシュさせるだけで、何もして来ないのかもしれない。


そんなわけで、もし暗い夜道で尻目と出会ったら、彼(彼女)のパフォーマンスを最後まで見届け、少し同情してやって欲しいと思う・・・・・・。


(画像上、セセリチョウがフヨウの花の中で雨宿り・・・・・・。画像下、アキアカネは低温に強く、毎年初冬の頃まで見られる・・・・・・)



2024年10月 8日 (火)

オクラとスイカにまつわる迷信

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昭和の頃には、日常生活に密着した迷信や、都市伝説というのがけっこうあった。


我が家でもそれは例外ではなく、私が幼かった頃、母から「スイカやオクラの種は、うっかり食べてしまうと、次第に腹に貯まっていき、それが原因で盲腸になる」という話をよく聞かされたものだった。


具体的にどういう話だったのかというと、スイカやオクラの種は、そのまま飲み込んでしまうと、虫垂、いわゆる盲腸の部分に、知らぬ間に貯まっていき、それが原因で虫垂炎になるから、ちゃんと取り除いてから食べなくてはならないという、非常に面倒くさい話だった・・・・・・。


このため母は、オクラを調理する時には、まずオクラを縦半分に切って、種の部分をきれいに掻き出してから調理を始めていた。


一方のスイカの方はというと、オクラのように一掻きで種を取り出すという訳にはいかなかったので、食べるときに自分で一粒ずつ種を取り除かなくてはならず、せっかくキンキンに冷やしておいたスイカなのに、食べ始めるころには生温かくなっていて、とてももどかしく感じたものである・・・・・・。


で、スイカの場合、食べる前に表面の種をスプーンできれいに取り除いても、果肉の内側にも種は点在しており、やっとの思いでひとくち食べられても、今度は口の中で種探しを始めなくてはならなかった。


このため子供にはスイカを食べるのは異常に時間がかかり、正直面倒くさいことこのうえなかった。


早い話がスイカは食べたいけれど、食べるのが面倒くさいというジレンマに悩まされていたのである・・・・・・。


しかし、面倒でもこれをやらなければ盲腸になるかも知れないのだ。


盲腸になったという人の話を聞くと、大の大人が七転八倒するほど、とてつもなく痛いものらしい。


うんこが出そうな時に起こる腹痛とは訳が違うのだ。


そんな激痛レベルの痛みを避けられるのなら、スイカの種を1粒1粒丁寧に取り除く手間など屁でもない・・・・・・。


ところで当時の私には疑問に感じていることが1つあった。


ドリフの志村けんは、スイカの早食いを特技としていた。


あんなに猛烈な勢いで、スイカをあっという間に平らげてしまうのだから、きっとスイカの種を取り除いている暇などないはずである。


きっと、あれでは種も全部丸飲みに違いない。


それなのに志村けんは、なぜ盲腸にならないのか。


ドリフはテレビで毎週やっているのだから、盲腸になって入院でもしたら、きっと番組は休むことになるだろう。


それなのに、志村けんが休んでいるところは、結局のところ、一度も見たことがなかった・・・・・・。


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ところで、スイカといえば、もう1つ迷信というか、都市伝説があったのを、みなさんはご存知だろうか。


どのような迷信だったのかというと、スイカの種をうっかり飲み込んでしまうと、お腹の中でスイカが芽を出し、なんとへそを突き破って蔓が生長してくるというのである。


今だったら、「そんな馬鹿な・・・」と、一笑に伏すところだが、当時は大人が大真面目にその話を語っていたので、信じている子供も少なくなかった。


そんなこともあって、当時の子供たちは、スイカは食べたいけれど、種は絶対に飲み込んではいけないという極度の緊張感と戦いながら、スイカをひとくちずつ、慎重に食べ進めていたのである・・・・・・。


そこまでしていても、「もしかしたら、さっきうっかりスイカの種を、一粒飲み込んでしまったかも知れない」と感じる時があった。


そんな時は、「明日になって、腹が痛くなったらどうしよう・・・」とか、「朝起きたら、へそからスイカの蔓が伸び始めていたらどうしよう・・・」とか、悪いことばかり考えてしまい、なかなか寝付けずに、悶々とした一夜を過ごすことになるのである・・・・・・。


ところで、このオクラやスイカにまつわる迷信(都市伝説)だが、私は中学2年の夏に、全くのデマであることを確信した。


そのきっかけとなったのは、スーパーの惣菜コーナーで買った、「オクラと豆腐の和え物」だった。


そしてその日の夕飯の一品として、その惣菜はだされたのだが、なんとよく見ればそのオクラはぶつ切りで、種を一切取っていなかったのだ。


私がそのことに気付いたのは、もう夕飯をすっかり食べ終わる頃だった・・・・・・。


その日の晩は、もうお先真っ暗の心境で、盲腸にならないことを何度も神に祈りながら、布団へ入ったのだった。


次の日の朝、不思議なことに、あれほど恐れていた腹の痛みは、なぜか少しも感じられなかった。


「あれ?」と思いながら、便意を感じて便所へ行くと、便秘の人がうらやむほどスムーズにブリブリとうんこが出た。


そして、お尻を拭いて、立ち上がり、自分の尻から捻り出されたうんこをまじまじと見つめる。


すると、次の瞬間、思わず「あっ!」と声が出ていた。


なんとなんと、目の前でぐったりと横たわっている私のうんこには、白いつぶつぶがびっしりと入っていたのだ。


もはやいうまでもなく、それはオクラの種だった。


「何だ、食べちゃっても、うんこで出るんじゃん・・・」


私は脱力しながら、自分のうんこをボーッと見つめ続け、そんなひとりごとをボソリとつぶやいていた。


スイカの場合は種が黒いので、今までは全く気付かなかったが、オクラの経験を踏まえて、スイカを食べた翌日のうんこをよーく観察してみると、やはりオクラと同様に、うんこにしっかりと種が練り込まれていた。


一体あの迷信はなんだったのだろうと、今でもふと思うことがある・・・・・・。


(画像上、今年は開花が遅れに遅れた彼岸花・・・・・・。画像下、キクイモの花が見頃になった・・・・・・)



2024年9月20日 (金)

窓から首ヒョコヒョコ女

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私が子供の頃は都市伝説というと、出所不明のものがほとんどだったが、最近はネット掲示板や、SNS発信の都市伝説が目立つようになって来た。


「窓から首ヒョコヒョコ女」もそんな都市伝説の一つで、窓の外から部屋の中を覗き込んで来ることがその名の由来となっている・・・・・・。


で、この「窓から首ヒョコヒョコ女」の外見についてだが、目撃者の証言では推定年齢は30歳前後だという。


一般的に「都市伝説の女」というと、若い女性か、ばあさんと相場が決まっているものだが、30歳前後というと、若くも年寄りでもなく、なんとも中途半端な年齢といえよう・・・・・・。


そして見た目の特徴についてだが、肌は青白いそうで、一見病弱なのかと思ってしまうのだが、外出して歩き回っているところを見ると、どうもそうではないらしい。


「青白い」という言葉をいい方にとって、別の言葉に置き換えるなら、「透明感がある美白」といったところだろうか・・・・・・。


さらにヘアースタイルは、黒髪のロングヘアーとのことで、茶髪や金髪でないところが好感が持てる。


もしかしたら「窓から首ヒョコヒョコ女」は、予想に反してけっこう「いい女」なのかもしれない・・・・・・。


で、この「窓から首ヒョコヒョコ女」、窓の外から部屋の中を覗き込んで来るわけなのだが、それが1階であるなら、塀や垣根の向こう側から背伸びをして、家の中の様子を、「ヒョコ、ヒョコ」とうかがっているような状況が想像される。


そうなって来ると、多くの人は泥棒やストーカーを疑うのではないだろうか。


ところがこの「窓から首ヒョコヒョコ女」は、1階だけではなく、2階の部屋の窓からも、部屋の中の様子をヒョコヒョコと覗き込んで来るというのだ。


それもベランダなどが設置されていない、足場のない窓からも覗き込んで来るというから驚きである・・・・・・。


ところが、窓を開けてもそこには誰もいないのだ。


こうなって来ると、もはや幽霊や宇宙人の目撃情報のようである。


ただ、幽霊や宇宙人の目撃情報と違うのは、なんと彼女は地上から背伸びをして、部屋の中の様子を覗き込んで来る点だ。


で、これが幽霊や宇宙人の類いなら、何度か窓の向こう側に現れては消えてを繰り返した後、知らないうちに、部屋の中に入り込んでいるという報告がじつに多い。


そしてこちらが金縛りに遭って動けないことをいいことに、じりじりとこちらに迫って来るという話が定番である・・・・・・。


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ところが「窓から首ヒョコヒョコ女」の場合は、窓の外からこちらの様子をうかがって来るだけで、特にこれといって何もして来ない。


早い話が実害は何もないのだ。


いったい何のために部屋の中を覗いているのか全くもって意味不明である。


脅かされる側からしても、怖がりがいがないといえよう・・・・・・。


もし、定期的にやって来るようなら、「ま~た、あいつ来てるよ」ぐらいにしか、思わなくなっているかもしれない。


そして、そこまで慣れてしまったら、思い切って窓を開け、「窓から首ヒョコヒョコ女」に声を掛け、部屋に上がってもらい、お茶の一杯でも飲んで行ってもらおうと考えるかもしれない。


そして彼女と茶飲み友達になってしまえばしめたものだ。


いったいどうやって、2階まで背伸びをしているのか、こっそり教えてもらえるかもしれない・・・・・・。


ところで、この「窓から首ヒョコヒョコ女」、じつはローカルな都市伝説で、出現地域もピンポイントで判明している。


そして、その地域は東京都八王子市だと言われている。


私が子供の頃に流行った口裂け女の都市伝説は、日本全国津々浦々で、同時多発的に出没情報があって、その結果、全国的なブームとなって、


子供たちは恐怖に身を震わせていたものだが、「窓から首ヒョコヒョコ女」に関しては、どうもそのようなことはないらしい。


と、いうことは、「やっぱり彼女は妖怪とかではなく、いたずら好きのただの人間なのではないのか?」という気がしないでもない。


しかし、そうなって来ると、「30歳にもなって、アンタなにやってんのよ」と、ひとこと言ってやりたい気分でいっぱいである・・・・・・。


(画像上、キクイモの花が咲き始めた・・・・・・。画像下、ツクツクボウシはまだ頑張っている・・・・・・)



2024年8月 9日 (金)

オッケルイペ

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その日、部屋には私以外に里帆さんが1人いたが、お互いの存在を忘れるほど、それぞれの仕事に没頭していて、室内は「シーン」と静まり返っていた。


どのくらい時間が経ったのか定かではないが、私はずっと同じ姿勢で机に向かっていたので背中が痛くなり、おもむろに顔を上げて、万歳をするような姿勢になって、「う~~~ん!」と背筋を伸ばしていた。


そしてちょうど顔を上げた時に、私の正面の席に座っていた里帆さんの姿が目に入り、「ああ、そういえば里帆さんがいたんだった・・・」と、すっかり忘れていた里帆さんの存在を、私はこのとき改めて認識していた・・・・・・。


里帆さんはいつものように机に突っ伏すような姿勢で仕事をしていて、パッと見、寝てるんじゃないかと思ってしまう。


思わず中学校時代の担任のものまねで、「目が近あ~~~いっ!」と大声で叫びたくなって来る。


しかし常に誰かの話し声や、何かしらの物音がしていた教室と違って、こんなに静まり返った部屋でそれをやったら、恐らく里帆さんは目ん玉が飛び出すほど仰天するに違いない。


そんなことを考えていると、いたずら好きの私としては、無性にそれを実行したくなって来るのだが、さすがにまじめに仕事をしている人間にそれをやったらまずいだろうと思い、なんとかその場は思い留まっていた・・・・・・。


そんな時だった。


自分の仕事に没頭していた里帆さんが、突然「ガバッ!」と顔を上げると、「くろねこさん!」と私に声を掛けて来たのだ。


私は「目が近あ~~~いっ!」を言うべきか、言わないべきか、まだ迷っていたので、予想もしていなかった里帆さんの行動に、居眠りをしていたところを、突然先生に指名された生徒のごとく、「はっ、はいっ!」などと、不自然極まりない返事をしてしまい、里帆さんにやや怪しまれてしまった・・・・・・。


里帆さんはちょっと怪訝そうな表情を見せたものの、すぐにいつもの顔に戻り、「くろねこさん、なんかこの部屋、臭くないですか?」と話を切り出して来た。


私は里帆さんに先手を取られ、「目が近あ~~~いっ!」を言いそびれてしまったことを、心の中でめちゃくちゃ後悔しつつも、そのことを悟られないように、「臭いってどんなにおい?」と、常に冷静沈着な自分を装いつつ返事をしていた。


すると里帆さんは、「う~ん・・・」と少し考えてから、「おならみたいなにおいです」と言った。


私はその言葉を聞いて、すぐにピンと来た。


オッケルイペだ、オッケルイペが現れたのだ。


オッケルイペとは家の中など、閉ざされた空間を狙って出現する妖怪で、オッケルイペが現れると、誰も心当たりがないのに、おならの臭いが漂って来るという、奇妙な現象が起きるのだ。


里帆さんは私のその説明を聞いて、「オッケルイペ?そんな妖怪、初めて聞きました」と言った。


確かにオッケルイペは、あまりメジャーな妖怪ではないので、一般にはほとんど知られていない。


もしかしたら、あの鬼太郎だって、出会ったことはないのではないか・・・・・・。


里帆さんは続けて、「で、オッケルイペって、どんな悪さをするんです?」と聞いて来た。


私にしてみたら、意外な質問だったので、「えっ、悪さ?」と聞き返したところ、里帆さんは「妖怪なんだから、何か悪さをするために出て来るんでしょ?」とさらに聞き返して来た。


結論から言ってしまうと、オッケルイペは特にこれといって何もしない。


ただ、屁をこくだけである。


部屋の中を移動しながら、あちこちで屁をこいて回るので、そのうち臭いで我慢出来ないほどになって来る。


里帆さんは極度の怖がりなので、「怖くないのは助かりますけど、臭くなるのは嫌です」と言った・・・・・・。


Photo_20240809182201

そこで私は里帆さんに、オッケルイペが現れた時の対処方法を伝授することにした。


じつはオッケルイペを黙らせるには、こちらも屁で対抗すればよいのである。


オッケルイペは屁で攻撃して来るくせに、他人の屁にはすこぶる弱く、こちらも屁をぶっこいてやると、恐れ入って退散して行くのだという。


ちなみに屁が出そうもない時は、口で「ブーッ!」と屁の真似をするだけでもいいのだそうだ。


そんなエピソードを聞かされると、「オッケルイペって馬鹿なの?」と思ってしまうのだが、じつはオッケルイペの正体は、黒いキツネなのだそうだ・・・・・・。


その話しを聞いて里帆さんは、「でも、普通に考えたら、本当のおならの方が効果はありそうですよね?」と言った。


まあ、それはそうだろう。


いくら、「口真似でも効果あり」と言っても、それがあまりにも下手くそだったら、オッケルイペにバレてしまうかもしれない。


「じゃ、ここからは反撃ということで、里帆さん張り切ってどうぞ!」と、私は里帆さんに放屁を勧めたのだが、「わたし、いまはどう頑張っても出ませんから、くろねこさんお願いしますっ!」とペコリと頭を下げられた。


そうは言っても、私だってそう都合よく屁を操ることなんて出来ないよと思いながらも、そこまで言われたら、ここはちょっと頑張ってみるしかないだろう・・・・・・。


そこで腹を押してみたり、揉んでみたり、さすってみたりしながら、出そうもないおならを、なんとか捻り出そうと頑張っていたところ、そこに里帆さんまでやって来て、「私にも押させて下さい」と言い出すではないか。


そして里帆さんは、自分が便秘になった時に、押してみて効果があったというポイントを、いまから押してみるときっぱりと宣言した。


そこで私は里帆さんの指圧に身をゆだねていると、不思議なことになんとなく屁をしたい気分になって来たのである。


そこでそのことを里帆さんに伝えると、里帆さんはここぞとばかりに、そのポイントをさらにグイグイと押し込んで来た。


すると次の瞬間、顔色の悪い女の幽霊が発する、「ああ~~~っ・・・」という、か細い呻き声のようなおならが、静まり返った部屋の片隅で、「プ~~~ゥッ!」と、ただ、ただ、弱々しく響き渡っていた。


そしてその声は、まるでもう少し私の腹の中に滞在していたかったと主張しているかのようでもあった。


その声の感じから察するに、きっと、おならも無念だったに違いない・・・・・・。


(画像上、農家さんが畑の片隅で育てているカノコユリが、今夏もたくさん花を咲かせてくれた・・・・・・。画像下、猛暑でひとっこ一人いない公園でアブラゼミが大合唱・・・・・・)

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