ドラえもんと鼻くそ
私は子供の頃、ドラえもんの単行本(小学館てんとう虫コミックス)を愛読していた。
ドラえもんには、子供の頃に読んで衝撃を受け、大人になっても忘れられないほど、強烈に印象に残っているエピソードがいくつかある。
そんなエピソードのひとつが、単行本(小学館てんとう虫コミックス)第7巻の、「くせなおしガス」というエピソードだ。
「くせなおしガス」とは、誰でも無意識にやってしまう悪いくせを、本人に気付かせるために、ガスの力で少し大げさに再現してくれるというもの。
のび太は自分の鼻をほじるくせを、パパとママに指摘されたので、2人のくせも本人たちに気付かせたいと思い、ドラえもんに頼んで、「くせなおしガス」を出してもらう。
そして2人のいる部屋に気付かれないように、「くせなおしガス」を噴霧するドラえもん。
ふすまの隙間から、いつ2人のくせが出てもいいように、こっそりと様子を見ているドラえもんとのび太。
ところが先にくせが出てしまったのはのび太の方で、暇を持て余したのか、ついつい鼻をほじるくせが出てしまったのだ。
すると鼻の穴につっこんだのび太の右手小指に、あれよあれよという間に、鼻くそがほじくり出されて行き、最終的にはのび太の顔よりも大きな、鼻くそのボールが出来てしまう。
それを見たのび太とドラえもんは大慌てで、
「ど、どうしよう、これ」
「きたないな。はやくごみ箱へ」
と、鼻くそボールを両手で持ちながら走り回っている。
そこへ玄関にお客さんがやって来る。
しかし、パニックになって走り回っているのび太とドラえもんは、巨大鼻くそボールで前が見えず、「ごめんください」と言いかけているお客さんの顔に、鼻くそボールをムギュッと押しつけてしまう。
そしてお客さんに、「なに?それ」と言われて、あわてて背後に鼻くそボールを隠している。
で、私が忘れられないのは、この「くせなおしガス」のエピソードそのものというより、この鼻くそボールのディティールなのだ。
ボールといっても、ただの球体というわけではなく、全体にでこぼこしていて、そのでこぼこの描写が何ともリアルで気持ちが悪く、それでいてコミカルで、思わず「プッ!」と吹き出してしまう破壊力があった。
じつはドラえもんでは、小学館てんとう虫コミックス第15巻の、「こっそりカメラ」というエピソードにも鼻くそボールが登場する。
こちらはのび太の同級生の「はる夫」が、「ひそかにためたハナクソが、こんなボールになった」と、机の上に置いて満足気に眺めているのだが、のび太のものより2回りほど小さく感じる。
しかし、こちらは「くせなおしガス」で大げさに再現したものではなく、はる夫がコツコツとためて、少しずつ大きくしたものなのだ。
そう考えると、のび太の鼻くそボールよりも、はる夫の鼻くそボールの方がすごいといえよう。
のび太のものよりも小さいとはいえ、はる夫の鼻くそボールもそこそこのサイズで、占い師の使う水晶玉と、ハンドボールの中間ほどのサイズはあると思う。
それにしても、こんなに大きな鼻くそを、はる夫はいったいどこに保存しているのだろう。
この時、はる夫が鼻くそボールを置いているのは、恐らく学習机の上だと思うのだが、学習机の引き出しには、どう考えても入らないサイズだろう。
机の上にそのまま置いておければ一番楽なのだろうが、普通の家庭ならまず間違いなく、母ちゃんの雷が落ちる案件だろう。
一方、のび太の鼻くそボールの方も、ドラえもんは「はやくごみ箱へ」とのび太を促しているのだが、のび太の鼻くそボールは、のび太の顔よりも大きく、どう考えてもごみ箱の口につかえてしまうはずだ。
このあとどう処理をしたのか気になるところである。
このように、私は子供の頃に読んだ、ドラえもんの鼻くそにまつわるエピソードが、強烈な印象としていまでも頭に残っている。
そしてこれらのエピソードを読んだ当時の私が、「自分も野球のボールくらいのサイズなら、何とかいけるんじゃないか?」と、一瞬思ったことをつけ加えておきたい・・・・・・。
(画像上、5月中旬頃から咲き始めるシモツケの花・・・・・・。画像下、芳香を漂わせながら、スイカズラの花が咲いている・・・・・・)




















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