カテゴリー「きんしかがやくにっぽんの」の記事

2022年1月11日 (火)

「謎フレーズ探偵」一年イモ食って屁こいて ③

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前回の記事では、「学年の数え歌」の様々なバリエーションについてご紹介をした。


そしてその調査の過程で、以前記事にした、「きんしかがやくにっぽんの」で始まるゴム飛び歌に、なぜ学年の数え歌の「二年肉屋の大泥棒」の一節だけが使われていたのか、その理由が判明することになったのだった。


で、今回はいよいよ、「学年の数え歌」の元歌に迫って行きたいと思っている・・・・・・。


じつは今回の調査を始める前に、前回までの調査結果を、数え歌の情報を集めて下さったAさんに報告に行ったのだが、そこで「学年の数え歌」の元歌を探るための、大きなヒントをもらうことが出来た。


そしてこれは、Aさんも「すっかり忘れていた」そうなのだが、当初「学年の数え歌」には、三年と六年の歌詞の後に、掛け声のようなフレーズが入っていたのだという。


そしてそれが次第に簡略化されて行き、その部分を飛ばして歌うことが多くなって行ったのだとか。


で、その掛け声のフレーズが全て入った完全版がこちらになる(↓)。


「学年の数え歌(完全版)」

一年、イモ食って屁こいて
二年、肉屋の大泥棒
三年、坂道転がって、大事なチンポを擦りむいた
いいぞ、がんばれ〇〇小(〇〇は自分の通っている小学校名が入る)
燃えよ、〇〇小(〇〇は自分の通っている小学校名が入る)!
四年、夜中の大小便
五年、ゴリラのケツ洗い
六年、廊下に立たされて、そのうえ中学入れない
いいぞ、がんばれ〇〇小(〇〇は自分の通っている小学校名が入る)
燃えよ、〇〇小(〇〇は自分の通っている小学校名が入る)!


Aさんが小学生の頃は、普段は「いいぞ、がんばれ〇〇小」の部分は歌わずに、一年から六年までのフレーズだけを通して歌い、「みんなの気分が乗っている時だけ」、突然完全版の大合唱が始まったという。


運動会や遠足など、何かイベントがある時や、めったに降らない雪が降った(積もった)時などに、完全版は歌われることが多かったそうだ。
早い話がみんなのテンションが高まっている時に、完全版は歌われていたということらしい。


前回ご紹介した、「学年の数え歌」の各種バリエーションを見ても、「いいぞ、がんばれ〇〇小」のフレーズは、A~Dのいずれの歌詞にも入ってはいなかった。


そして記事で紹介しきれなかったものについても、それは全く同様だった。


ということはやはり、「いいぞ、がんばれ〇〇小」の部分は、時間と共に次第に省略されて、歌われなくなって行ったということなのだろう。


小学生というのは、この手の歌は何よりも「面白さ」を優先するので、取り立てて面白くない部分については、省略してしまうことも、決して珍しくはない。


そしてそのことが、後の時代になって、「あの歌の元歌はいったいなんだったのだろう?」と考える時に、大きな障害となって立ちはだかるのである・・・・・・。


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さて、ここからはいよいよ、「学年の数え歌」の元歌を探って行こうと思っているのだが、鍵になるのはやはり、「いいぞ、がんばれ〇〇小、燃えよ〇〇小!」のフレーズである。


で、みなさんはこのフレーズを見て、何か思い当たることはないだろうか。


ちなみに私がまず思ったのは、「もしかしてこれって、応援歌なんじゃないの?」ということである。


「いいぞ、がんばれ」とか、「燃えよ」なんてフレーズは、どう考えても誰かを応援する時に使うワードである。


また、応援歌というのは、どちらかというと、個人よりもチームを応援する時に歌われるものである。


そう考えると、Aさんが小学生の頃に、「運動会の時には完全版を歌っていた」というのもよく分かる・・・・・・。


で、この「学年の数え歌」の元歌が応援歌だったとして、いったいなんの競技の応援歌だったのかが問題なのだ。


そこで当時のことをちょっと振り返ってみることにする。


この「学年の数え歌」が流行っていた1970~1980年代は、今と違ってテレビ中継もされているメジャーなプロスポーツはそう多くはなかった。


サッカーなんてプロ化もされていなかったし、ルールすらよく分かっていない者が多かった時代だ。


毎回テレビ中継があるプロスポーツといえば、野球、相撲、プロレスぐらいだったと思う。


そしてこの中で応援歌が歌われそうな競技といえば・・・・・・、そう、野球しかないのである。


で、このことをAさんに話したところ、「ご名答!この替え歌の元ネタは、中日ドラゴンズの応援歌なんだよ」と言うではないか。


中日ドラゴンズの応援歌は、時代ごとに作り直されているが、「学年の数え歌」の元になったのは、どうやら1974年バージョンの、「燃えよドラゴンズ」だったようだ。


じつはこの歌、とてつもなく長いのだが、「学年の数え歌」の元になったのは、2番から3番にかけての歌詞だったようだ。


ちなみに元歌の「燃えよドラゴンズ」では、選手の打順と名前が歌詞に出て来て、「一番高木が塁に出て、二番谷木が送りバント、三番井上タイムリー、四番マーチンホームラン・・・」と歌われて行く。


そして「いいぞがんばれ〇〇小」の部分は、もちろん、「いいぞがんばれドラゴンズ」であることは、もはや言うまでもないだろう。


ところで「学年の数え歌」の元歌が、中日ドラゴンズの応援歌だったということは、この歌の発祥はもしかして、名古屋だったということなのだろうか。


じつはこの点については、Aさんも知らなかったし、残念ながらいくら調べてもよく分からなかった。


ただ、「中日ドラゴンズファンの子供が最初に考案した可能性は極めて高い」とだけ言って、言葉を濁しておこうと思う・・・・・・。


(画像上、横浜はこの冬、数年ぶりの積雪となり、畑はご覧のように真っ白に。画像下、林縁はまるで水墨画のような世界に変貌した・・・・・・)

2022年1月 5日 (水)

「謎フレーズ探偵」一年イモ食って屁こいて ②

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前回から「一年イモ食って屁こいて」で始まる、学年の数え歌の調査を始めた。


で、今回はこの数え歌の様々なバリエーションをご紹介して行こうと思っているのだが、まずは前回ご紹介した、オーソドックスな歌詞のものをおさらいしておこうと思う。


それがこちらになる(↓)。


「学年の数え歌 A」

一年、イモ食って屁こいて
二年、肉屋の大泥棒
三年、坂道転がって、大事なチンポを擦りむいた
四年、夜中の大小便
五年、ゴリラのケツ洗い
六年、廊下に立たされて、そのうえ中学入れない


で、この数え歌は、地域や学年によっても、かなりバリエーションがあるそうなので、今回はその中からいくつかご紹介してみたいと思っている。


ちなみにここで言う「地域」とは、関東とか関西などの、広い範囲を示すものではなく、学区程度のごく狭い範囲を指している・・・・・・。


「学年の数え歌 B」

一年、イモ食って屁こいて
二年、肉屋の大泥棒
三年、坂から飛び降りて、そのうえチンポを擦りむいた
四年、夜中の大小便
五年、ゴリラのケツ掃除
六年、廊下に立たされて、そのうえ中学入れない


この「数え歌B」の歌詞は、「A」とたいへんよく似ているのだが、三年と五年の歌詞が「A」とは微妙に違っている。


「A」では「三年、坂道転がって」と歌われている所が、「B」では「三年、坂から飛び降りて」と歌われている。


「坂を飛び降りる」という表現はちょっと違和感があるので、歌詞としては「A」の「坂道転がって」がオリジナルなのかなぁという気がする。


また、「A」の「五年、ゴリラのケツ洗い」が、「B」では「五年、ゴリラのケツ掃除」になっているのだが、これも「ケツ掃除」という表現よりも、「ケツ洗い」の方が意味が通じてしっくり来ると思う。


どうでもいいが、なんで五年生になるとゴリラのケツを洗わなければならないのか・・・・・・。


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「学年の数え歌 C」

一年、いちいち叱られて
二年、肉屋の大泥棒
三年、坂から落っこちて、大事な金玉擦りむいた
四年、よろよろ酔っ払い
五年、ゴシゴシケツ洗い
六年、牢屋に入れられた


見ての通り、この「数え歌C」では、歌詞の大半の部分が、これまでご紹介して来たものとは違っている。


「数え歌C」の主人公は、一年生の時に「いちいち叱られて」いたところを見ると、悪ガキであることは容易に想像出来る。


そしてなんと四年生で早くも飲酒をしたらしく、「よろよろ酔っ払い」になってしまっている。


小学校四年生で飲酒とは、こりゃあ、ただ者ではないなと思っていたら、なんと六年生の時に何をしでかしたのか、「牢屋に入れられた」というから、もはや札付きのワルであることは間違いないだろう。


そしてこの「数え歌C」では、三年のフレーズが「坂から落っこちて」とあるのだが、「坂から落っこちる」という表現は、やはり違和感がありおかしい。


ということは、この「数え歌C」も恐らくオリジナルではないということだろう・・・・・・。


「学年の数え歌 D」

一年、一日えらい人
二年、肉屋の大泥棒
三年、散髪丸坊主
四年、ヨチヨチ幼稚園
五年、ゴリラのケツ洗い
六年、ろくろく、ろくでなし


この「数え歌D」も歌詞の大半が違う。


「数え歌D」の主人公は、一年生の時は優等生だったのに、三年生の時に何かやらかしたらしく、頭を丸坊主にして反省。


そして四年生の時に、また何か悪さをしたようで、「幼稚園からやり直して来い!」と怒られた様子。


また、五年生の時には、「ゴリラのケツ洗い」の奉仕活動に専念するも、その甲斐なく六年生でついに「ろくでなし」になってしまっている・・・・・・。


さて、今回は「学年の数え歌A~D」の、4つのバリエーションをご紹介して来たのだがいかがだったろうか。


私の感じでは歌詞に違和感がなく、ちゃんと意味が通じているということから、恐らく「A」が「学年の数え歌」のオリジナルだったのではないかと想像している。


そして今回の調査で1つ分かったことは、これら複数のバリエーション(紹介したものが全てではない)のどれを取って見ても、「二年肉屋の大泥棒」のフレーズだけは必ず採用されていたという事実だ。


前回の記事の冒頭あたりで触れた、「きんしかがやくにっぽんの」で始まるゴム飛び歌に、なぜかこのフレーズだけが使われていたのは、どうやらこんな理由があってのことのようだ。


そして次回はいよいよ大詰め、「学年の数え歌」の元歌に迫って行こうと思っている・・・・・・。


(画像上、寒くても咲いているイモカタバミの花。画像下、橙色に紅葉するイロハモミジ)



2021年12月30日 (木)

「謎フレーズ探偵」一年イモ食って屁こいて ①

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以前、「謎フレーズ探偵」の企画で、「きんしかがやくにっぽんの」で始まるゴム飛び歌について調査をしたことがあった。


で、このゴム飛び歌には、いくつかのバリエーションがあったのだが、その一例がこちらになる(↓)。


「ゴム飛び歌」

きんしかがやくにっぽんの
アジア、アメリカ、ヨーロッパ
パッパッパリアの新学期
にんにんにくやの大泥棒
教会の鐘が鳴ります、キンコンカン


そして、このゴム飛び歌の、「にんにんにくやの大泥棒」というフレーズについて調査をしていた時、この一節は当時流行っていた、「数え歌」のワンフレーズだということが判明した。


で、記事ではその数え歌がどんなものであったか、その一例をご紹介しているのだが、それがこちらになる(↓)。


「数え歌」

一年、イモ食って屁こいて
二年、肉屋の大泥棒
三年、坂道転がって
四年、夜中に大小便
五年、ゴリラのケツ洗い
六年、廊下に立たされた


そしてこの時わたしは、この数え歌のあまりにバカバカしい歌詞がなんだかとっても気になっていたのだった・・・・・・。


ところが調査中の「ゴム飛び歌」に、「数え歌」が関係していたのは、「二年、肉屋の大泥棒」のたったワンフレーズだけだった。


このため、本題から大きくそれてしまうということもあって、この数え歌については特に詳しく調査をすることはしなかった。


しかし、その後もずっと気になっていたことには変わりがなく、機会があったらぜひとも詳しく調査をしてみたいと思っていた。


そこで今回ようやく本腰を入れて、調査をしてみることにしたという訳だ・・・・・・。


ところが「ゴム飛び歌」の調査の際に偶然分かったことなのだが、この「数え歌」はどうも私よりも少し年齢が上の人たちが小学生の頃に、流行っていた歌のようなのだ。


現実に私はこの「数え歌」は知らなかった。


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ということは、私の友人知人のネットワークだけでは、ちょっと心もとないということで、今回も「レインボーマンの替え歌」や、「ハゲの数え歌」の調査の時に、大変お世話になったAさんを頼ることにした。


で、Aさんにこの話を持って行く時に、「ゴム飛び歌」の調査の際に調べてあった、前述の「数え歌」のメモを持参して行き、見てもらうことにした。


するとAさんはメモを見るなり、「ああ、これか、知ってるよ。でもこれ、ちょっと歌詞が抜けてるな」と言って、すぐに歌詞をサラサラっと書き加えてくれた。


どうやら前回調査したものは、「完全版」ではなかったようなのだ。


で、Aさんが歌詞を書き加えてくれた完全版がこちらになる(↓)。


「学年の数え歌 A」

一年、イモ食って屁こいて
二年、肉屋の大泥棒
三年、坂道転がって、大事なチンポをすりむいた
四年、夜中の大小便
五年、ゴリラのケツ洗い
六年、廊下に立たされて、そのうえ中学入れない


どうやら三年と六年のフレーズには、後半の歌詞が存在していたということらしい・・・・・・。


また、Aさんが言うには、この数え歌は地域や学年によっても、かなりバリエーションがあるそうなのだ。


Aさんは中学に進学した際に、同級生が自分の知っていた歌詞とは違う歌詞で、この数え歌を歌っているのを聴いて、たいへん驚いたことを覚えているという。


そう言われてみれば、中学になると、より広い範囲から生徒が集まって来るようになるため、小学校の時とは違って、入って来る情報量が一気に増えて、本件に限らず、このようなことがよく起きていたように思う・・・・・・。


で、今回もAさんがメールや電話を駆使して、あちこちから情報を集めて来てくれたので、次回から本格的に調査を始めたいと思っている。


Aさんいつもありがとうございます。


それにしても、こんなマイナーな話題まで、ちゃんと引っ掛かって来るAさんの情報網は本当にすごいとしか言いようがない。


いったい世の中のどこまで張り巡らされているのだろうか。


うちのベランダに小さな網を張っているジョロウグモも、きっと羨ましがっているに違いない・・・・・・。


(画像上、ドウダンツツジの紅葉。画像下、寒空の下で咲くボケの花)




2021年4月28日 (水)

「謎フレーズ探偵」きんしかがやくにっぽんの(後編)

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今回の記事は前回の続きになる。


ということで、まずは前回ご紹介した、「ゴム飛びの歌」をちょっとおさらいしておこう。


ちなみに以下は、情報提供者がSさん、AさんとBさんはそのお友達ということになる・・・・・・。


(ゴム飛び歌 Sさん)

きんしかがやくにっぽんの
あいこでアメリカ、ヨーロッパ
あっぱっぱ~の見物人
紀元は1千600年
あ~あ、教会の鐘が鳴ります、キンコンカン


(ゴム飛び歌 Aさん)

きんしかがやくにっぽんの
アジア、アメリカ、ヨーロッパ
パッパパリアの新学期
にんにんにくやの大泥棒
教会の鐘が鳴ります、キンコンカン


(ゴム飛び歌 Bさん)

きーしかがやくにっぽんの
あいこでアメリカ、ヨーロッパ
あっぱっぱ~の遠足に
にんにんにくやの大泥棒


前回の調査では、この「ゴム飛び歌」の元歌と思われる、「紀元二千六百年」と、その「替え歌」にたどり着くことが出来た。


しかし、まだ「ゴム飛び歌」の歌詞の謎については、ほとんどの部分を解き明かしていない。


そこで今回は、「ゴム飛び歌」の歌詞の謎を1つ1つ調べて行きたいと思っている・・・・・・。


まず、前回の記事で、ゴム飛び歌の「きんしかがやくにっぽんの(Sさん、Aさん)」の部分と、「紀元は1千600年(Sさん)」の部分は、元歌である「紀元二千六百年」の歌詞が元になっていると書いた。


ただ、冒頭の「きんしかがやくにっぽんの」の部分を、Bさんは「きーしかがやくにっぽんの」と覚えていた。


これはいったいどういうことなのだろう。


そこで私も個人的に自分の周りの人に聞き込みをしてみたところ、「きーし」派の人も確かにいたのである。


ただ、違っているのは、「きーし」の部分だけなので、どうやらこれは、元歌を聴き間違えて覚えて、そのフレーズをそのままゴム飛び歌に転用してしまい、それが自然に広まって行ったものと思われる・・・・・・。


ゴム飛び歌の次のフレーズは、「あいこでアメリカ、ヨーロッパ(Sさん、Bさん)」と、「アジア、アメリカ、ヨーロッパ(Aさん)」だが、これはじゃんけん遊びでよく使われるフレーズだ。


「じゃんけん、ほかほか、北海道、あいこでアメリカ、ヨーロッパ」という北海道発祥のものが、全国に少しずつ形を変えながら広まって行ったものらしい・・・・・・。


次の「あっぱっぱ~の見物人(Sさん)」、「パッパッパリアの新学期(Aさん)」、「あっぱっぱ~の遠足に(Bさん)」に関しては、「あっぱっぱ~」と「パッパッパリア」の部分に注目すると、意味は分からないがどちらも言葉の響きがよく似ている。


ということは、これは元はどちらも同じ言葉だったのではないだろうか。


そこでまずは、「あっぱっぱ~」について調べてみることにした。


すると「あっぱっぱ~」は「アッパッパー」が正しい表記のようで、女性の夏用ワンピースのことだそうで、サラッとした木綿生地のものを指して言うらしい。


また、アッパッパーは大きめでゆったりとしたデザインが特徴で、歩く時に裾が「パッ、パッ、パッ」と広がる様子から、そう名付けられたとも言われているようだ。


もしかしたら、「パッパッパリア(Aさん)」はこの辺に関係があるのかもしれない。


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主に1920年~1930年代にかけて流行した服のようだが、アッパッパー自体は現在もある。
ただ、さすがに現在では「アッパッパー」とは呼んでいないようだ。


そして驚いてしまうのは、「アッパッパー」はなんと夏の季語にもなっているのだそう。


そういえば私がまだ小さい頃に、母が衣類の衣替えをしながら、「アッパッパー」がどうのこうのと、独り言を言っていたのをうっすらと覚えている。


ちなみにAさんの「パッパッパリア」に関しては、「アッパッパー」が聞き間違えなどで、音変化して行ったものと考えるのが自然ではないだろうか・・・・・・。


さて、次は「にんにんにくやの大泥棒(Aさん、Bさん)」である。


これについては、Sさんや私の周りで知っている人がいないか、事あるごとに聞き込みをしてみたのだが、なんと知っていたのは、当時ゴム飛びをしていた女子ではなく、ゴム飛びとは無縁の男子だった。


それも私たちより世代が少し上の人が知っていたのだ。


で、「にんにんにくやの大泥棒」がなんなのかというと、これの元歌は当時小学生の間で流行った「数え歌」だったそうで、これはどうやらそのワンフレーズであったらしい。


そしてその一例は次のようなものであった。


(学年の数え歌)

一年、イモ食って屁こいて
二年、肉屋の大泥棒
三年、坂道転がって
四年、夜中に大小便
五年、ゴリラのケツ洗い
六年、廊下に立たされた


そして謎なのは、この数え歌は男子限定の流行り歌だったらしいのだが、それがなぜ女子の遊びである、ゴム飛びの歌に使われていたのかということだ・・・・・・。


さて、いよいよ大詰めだ。


最後は「教会の鐘が鳴ります、キンコンカン(Sさん、Aさん)」である。


これについては、私はなんとなく分かる気がする。


と言うのは、私が子供の頃、母がペットのセキセイインコに、「緑の丘の赤い屋根、とんがり帽子の時計台、鐘がなりますキンコンカン ♪」という歌を覚えさせようとして、よく歌って聴かせていたのだ。


たぶん、その歌のワンフレーズだと思うのだがどうだろう。


しかし、そうは言っても、私はこの歌がなんの歌だったのか全く知らない。


学校でも歌った記憶はないし、NHKの「みんなのうた」で聴いた記憶もない。


ということは、童謡などではないということなのか。


では、いったいなんの歌なのだろう。


で、調べてみたところ、この歌は「とんがり帽子」というそうで、1947(昭和22)年7月5日から、1950(昭和25)年12月29日まで、NHKのラジオドラマとして放送された、「鐘の鳴る丘」の主題歌だったのだそう。


今の時代、ラジオドラマなんて聞きなれない言葉だが、テレビはまだ普及していなかった時代の話である・・・・・・。


という訳で、「ゴム飛び歌」のフレーズを、一通り解析し終えた訳なのだがいかがだったろうか。


ゴム飛び歌の情報を提供してくれた人たちは、みんな口をそろえて、「意味不明だった」と語っていたのだが、それもそのはず、「ゴム飛び歌」を構成しているフレーズ1つ1つは、かなり古い時代に流行っていたワードの寄せ集めだったのである・・・・・・。


ところで、このゴム飛び歌のメロディ、どこかで聴いたことがあると思っていたら、なんとあの「ヨドバシカメラのCM曲」だった。


ちなみにヨドバシカメラのCM曲の元歌は、「リパブリック讃歌」のサビの部分、「グローリーグローリーハレルヤ」である。


じつは「紀元二千六百年」は、歌い出しのメロディが、この「リパブリック讃歌」に酷似している。


もともとは「紀元二千六百年」が、ゴム飛び歌のメロディだったらしいのだが、敗戦で歌うことが禁止されたらしく、たまたまメロディが似ていた「リパブリック讃歌」に、急遽差し替えられたという過去があったのだそうだ・・・・・・。


余談だがSさんから「ゴム飛びの歌」の情報を提供してもらった時、じつは別のゴム飛び歌の情報も提供してもらっている。


そう、「ゴム飛び歌」は、1つではなかったのだ。


こちらも面白そうなので、後日記事にしてみようかな~なんて思っている・・・・・・。


(画像上、里山の林床で春に咲くフデリンドウの花。画像下、里山の斜面下に広がるニリンソウの大群落)


2021年4月22日 (木)

「謎フレーズ探偵」きんしかがやくにっぽんの(前編)

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私が子供の頃、住宅街の道端では、女の子がゴム飛びをして遊んでいる光景がよく見られたものだ。


最近ではゴム飛びをしている女の子なんて、全く見かけなくなってしまったが、ゴム飛びという遊びは、もう絶滅してしまったのだろうか。


それにしても、「ちょっと見ない間に」とはよく言ったものだが、いったいいつの間にあの光景は見られなくなってしまったのだろう。


自分の頭の中には、今でも鮮明に残っている光景なので、なんだかとても不思議な気がする・・・・・・。


で、なんでまたこんな話をしたのかというと、以前、「謎フレーズ探偵」のお話をUPした時に、それを読んで下さったという知人の女性(仮にSさんとする)から、「そう言えば子供の頃に、ゴム飛びで遊ぶ時に歌っていた歌があるんだけど、あれもいま考えると意味不明で謎だったよ」と、情報提供をしてもらったのだ。


ちなみにSさんがゴム飛びで遊んでいたのは、昭和50~60年代とのこと。


私がその話を聞いてまず思ったのは、「え!ゴム飛びって、歌を歌いながらするものだったの?」ということだ。


当時、男子は女子の遊びには全く興味がなく、いっしょにゴム飛びをして遊ぶことなんて皆無だった。


道端で女子がゴム飛びをしている光景はよく目にしていたが、考えてみたらゴム飛びのルールなどについては、全く知らなかったのだ・・・・・・。


で、Sさんが情報提供してくれた、「ゴム飛びの歌」は次のようなものだった。


(ゴム飛び歌 Sさん)

きんしかがやくにっぽんの
あいこでアメリカ、ヨーロッパ
あっぱっぱ~の見物人
紀元は1千600年
あ~あ、教会の鐘が鳴りますキンコンカン


う~む、確かに意味不明で、どこから手を付けたらよいか、さっぱり分からない・・・・・・。


どうしようかと頭を抱えていたところ、数日してSさんから追加の情報が届いた。
なんでもゴム飛びの歌について、友人にも話を聞いてくれたというのだ。


ところがSさんの友人2人が覚えていたゴム飛びの歌は、どういう訳か歌詞が微妙に違っていたのだ。


そしてそれは次のようなものだった・・・・・・。


(ゴム飛び歌 友人A)

きんしかがやくにっぽんの
アジア、アメリカ、ヨーロッパ
パッパッパリアの新学期
にんにんにくやの大泥棒
教会の鐘が鳴りますキンコンカン


(ゴム飛び歌 友人B)

きーしかがやくにっぽんの
あいこでアメリカ、ヨーロッパ
あっぱっぱ~の遠足に
にんにんにくやの大泥棒


この違いは地域差によるものなのか、彼女らの記憶違いによるものなのかは定かではない。


だだ、歌詞は確かによく似ており、元歌のようなものがあるのなら、なんとかそこにたどり着けるかもしれない・・・・・・。


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そこでまず、冒頭の「きんしかがやくにっぽんの」について調べてみた。


するとこれについては、拍子抜けするくらいあっさりと分かった。


これは「紀元二千六百年」というタイトルの歌で、神武天皇即位、紀元二千六百年を祝う、奉祝国民歌の一節とのことだった。


そしてこの歌は、なんと1940(昭和15)年に作曲されたものとのことで、予想以上に古い時代の歌だったようだ。


ちなみにきんしかがやくの「きんし」は、「金鵄」と書くそうで、日本書紀に登場する金色の鵄(トビ)のことで、神武天皇による日本建国を導いたとされている。


また、Sさん提供の歌詞には、「紀元は1千600年」とあるのだが、これはこの歌の中に、「紀元は二千六百年」という一節があり、これがなぜか1千年ばかり減らされて、転用されたものと思われる。


ところでこの「紀元二千六百年」という国民歌は、子供にはかなり難解な歌詞で、なんと5番まであるかなり長い歌になっている。


とりあえず比較的意味が分かりやすい、1番の歌詞だけを紹介しておくので参考にして欲しい。


(紀元二千六百年)

金鵄輝く日本の
栄えある光、身に受けて
いまこそ祝へ、この朝(あした)
紀元は二千六百年
ああ一億の胸はなる


それにしても不可解なのは、こんなに難しくお堅い歌を、子供がゴム飛びの歌に使おうなんて、果たして思うだろうか。


私にはどうもそのことが引っ掛かっていたのだが、調べてみるとこの「紀元二千六百年」には、なんと替え歌が存在していたのだ。


「紀元二千六百年」が作曲された1940(昭和15)年は、タバコの銘柄が和名に変更された年でもあり、それまで「ゴールデンバット」という名称で売られていたタバコが、「金鵄」に変更されることになった。


で、同じ「金鵄」繋がりということで、「紀元二千六百年」の歌詞が、タバコの値上げを皮肉る替え歌として、世間に広まって行ったらしいのだ。


ちなみに元歌と違って替え歌の方は非常に短く、長さとしてはゴム飛びの歌と同じくらいである。


歌詞はゴム飛びの歌と同様に、色々とバリエーションがあるようだが、概ね次のようなものであったらしい。


(替え歌)

金鵄上がって、十五銭
栄えある光、三十銭
朝日は昇って、四十五銭
紀元は二千六百年
ああ一億の金は減る


どうだろうか。


ゴム飛びの歌とは歌詞が全然違うのだが、子供が興味を持ちそうなのは、元歌よりは断然こちらの方ではないだろうか。



恐らくゴム飛びの歌の元になったのは、このタバコ値上げの替え歌に違いない。


当時、この替え歌を聴いた子供が、「これは使える」と目を付け、ゴム飛びの歌に作り直して、それが連綿と歌いつがれて来た、ということではないだろうか・・・・・・。


さて、今回は、「ゴム飛びの歌」の大元にはたどり着けたものの、まだ歌詞の謎については、ほとんどの部分を解き明かせていない。


本稿のタイトルは、「謎フレーズ探偵」である。


これをやらなきゃ意味がない。


という訳で、次回はゴム飛びの歌の歌詞の謎について、いろいろと考えてみたいと思っている・・・・・・。


(画像上、今では見られる場所が激減してしまったクマガイソウ。画像下、よく手入れされた里山の林床にはタチツボスミレの群落が広がっている・・・・・・)



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