カテゴリー「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の記事

2022年8月 3日 (水)

「謎フレーズ探偵」おまえのかあちゃんでべそ ①

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▲樹液を吸いに雑木林にやって来たアカボシゴマダラ。

「ば~か、か~ば、ちんどんや、おまえのかあちゃん、で~べ~そ ♪」


今はもうこんな囃子歌を歌う子供はいないのだろうが、私が小学生だった頃には日常的に歌われている歌だった。


それにしても、今こうして文字に起こしてみると、なんともすごい歌詞である。


という訳で、今回の謎フレーズ探偵は、この「おまえのかあちゃんでべその歌」について調査を進めて行こうと思っている。


とはいうものの、「おまえのかあちゃんでべそ」は、いわゆる悪口で他人を囃し立てるためだけの歌である。


このため歌詞は非常に短くて、とても元歌があるようには思えない。


ところがこの歌、元歌は見当たらないのだが、じつはとても奥が深い歌で、調査を進めて行くと、歌詞の向こう側に日本の歴史が見えて来るのだ。


で、今回はとりあえず、いろいろな人に聞き込みをして判明した、「おまえのかあちゃんでべそ」の各種バリエーションについてご紹介してみたいと思っている・・・・・・。


「おまえのかあちゃんでべそ A」

ば~か、か~ば、ちんどんや、おまえのかあちゃん、で~べ~そ!ついでにおまえも、で~べ~そ!


これは冒頭でご紹介した歌詞と同じもので、恐らく最もオーソドックスな歌詞のものと思われる。
ちなみに私が子供の頃に聴いた記憶があるのは、この歌詞のもので間違いないと思う。


「おまえのかあちゃんでべそ B」

ば~か、か~ば、ちんどんや、おまえのかあちゃん、大で~べ~そ!ついでにおまえも大でべそ!


歌詞Bは歌詞Aとほとんどいっしょだが、最後のフレーズが「大でべそ」に変化している。
どうでもいいが、「大でべそ」ってなんだよという話である。


さて、どんどん行こう。


「おまえのかあちゃんでべそ C」

ば~か、か~ば、ちんどんや、おまえのかあちゃん、赤でべそ!ついでにおまえも赤でべそ!


歌詞Bと同様に「赤でべそ」ってなんだよとつっこんでやりたくなるのは私だけではあるまい。
じつはこの「でべそ」の変化はもう1パターンある。


それがこちら(↓)。


「おまえのかあちゃんでべそ D」

ば~か、か~ば、ちんどんや、おまえのかあちゃん黒でべそ!ついでにおまえも黒でべそ!


このように歌詞Bでは大でべそ、歌詞Cでは赤でべそ、歌詞Dでは黒でべそと、「でべそ」の部分の歌詞だけが変化しているのだが、じつはこれにはちゃんと意味がある。


そしてこれについては次の次の回で解き明かされることになる。


「おまえのかあちゃんでべそ E」

ば~か、か~ば、ちんどんや、おまえのかあちゃんで~べ~そ!いつになったらひっこむか!


歌詞Eではこれまでの歌詞A~Dと違い、後半の歌詞がガラリと変わっていることが分かる。
どうでもいいが、でべそがひっこむことなんてあるのか?


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▲ふと、青モミジを見上げればミンミンゼミが止まっていた。

「おまえのかあちゃんでべそ F」

で~ぶ、で~ぶ、ひゃっかんで~ぶ、おまえのかあちゃん、で~べ~そ!


あれ、これは以前調査した、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の出だしの部分じゃないか?


じつは「おまえのかあちゃんでべその歌」は、このように「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」と合わさって歌われているバリエーションがけっこう見られた。


「おまえのかあちゃんでべそ G」

で~ぶ、で~ぶ、ひゃっかんで~ぶ、おまえのかあちゃんで~べ~そ!ついでにおまえもで~べ~そ!


今回調査したものの中では確認出来なかったが、この歌詞Gには、どうやら「大でべそ」、「赤でべそ」、「黒でべそ」のバリエーションも存在しているようだ。


これについては調査協力者のSさんが、子供の頃に聴いた記憶があると言っていた。


「おまえのかあちゃんでべそ H」

ば~か、か~ば、ちんどんや、おまえのかあちゃんで~べ~そ!でんしゃにひかれてぺっちゃんこ!ついでにおまえもぺっちゃんこ!


歌詞Hではこれまでのものと違って、後半の歌詞に「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」のフレーズが採用されている。
どうやらこっちのパターンもあるようだ。


「おまえのかあちゃんでべその歌」と、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」は、同時期に流行っていたために、このようなことが起きていると思われるのだが、これが意図的なものだったのか、人から人へ伝えられる際に、混同して伝わって来たものなのかは今となってはよく分からない・・・・・・。


という訳で今回は、「おまえのかあちゃんでべそ」の、各種バリエーションについてご紹介して来たのだがいかがだったろうか。
みなさんの記憶の中にある、「おまえのかあちゃんでべその歌」はこの中にあっただろうか。


で、次回からはいよいよ「おまえのかあちゃんでべその歌」の、歌詞の解析の方を始めて行きたいと思っている・・・・・・。


(本稿では便宜上、「おまえのかあちゃん」という歌詞に統一させてもらっているが、じつはこの部分の歌詞を「おまえのかあさん」で覚えていたかたもいた。したがって、歌詞A~Hはどちらのバリエーションも存在していることになる。そしてこの歌に関しては、元歌らしきものが見当たらないので、どちらが正しいとか、どちらが先かという判断は出来ないので、その点はご了承いただきたいと思う・・・・・・)

2021年9月 1日 (水)

「謎フレーズ探偵」でぶでぶひゃっかんでぶの歌 ③

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さて、今回はいよいよ大詰め、昭和50~60年代に小学生の間で流行っていた、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」のルーツに迫ってみたいと思っている。


そこでまずは、前回の調査で浮上して来た、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」のそっくりさんの歌について、ちょっとおさらいをしておこう・・・・・・。


「そっくりさんの歌(仮)」

いろはにこんぺいとう
こんぺいとうはあまい
あまいはおさとう
おさとうはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはのみ
のみはあかい
あかいはほおずき
ほおずきはなる
なるはおなら
おならはくさい
くさいはうんこ
うんこはきいろい
きいろいはバナナ
バナナはたかい
たかいはじゅうにかい
じゅうにかいはこわい
こわいはおばけ
おばけはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


ちなみにこの歌は、私の知人の親が、自分の親から教わった歌とのことなので、これまでご紹介して来た歌よりも、ずっと古い時代に流行っていた歌であることは間違いない。


もしかしたら、この歌を調査することで、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」のルーツにたどり着けるかもしれない。


まずはこの歌をパッと見て、皆さんが歌詞に疑問を感じそうな部分から、1つ1つ解析して行きたいと思う。


「うさぎははねる」までは、特に何の問題もないと思うのだが、次の「はねるはのみ」、「のみはあかい」のあたりから、特に若い世代の人たちには、意味が通じない人がちらほら出て来ると思う。


ちなみに、「のみ」とは昆虫の「蚤(ノミ)」のことで、ノミは動物の血を吸い、腹が赤く膨れるので、「のみはあかい」のである・・・・・・。


そして、「あかいはほおずき」、「ほおずきはなる」と続くのだが、ここでいう、「ほうずきはなる」とは、「ほうずきは生る」ではなく、「ほおずきは鳴る」と書く。


では、「ほおずきは鳴る」とはいったいどういうことだろうか。


じつは昔の子供は、丸いほおずきの果実をよく揉み解し、中身をドロドロの状態にしてから外へ捨て、空になった皮の部分を、水でよく洗ってから口に含み、舌で圧迫しながら、「ビィ~、ビィ~」と音を鳴らす遊びをよくしていたのだそうだ。


果実の内側の空気を、果皮に開いている小さな穴と、舌の間から押し出すことで音が鳴るという非常に単純な仕組みである。


ブーブークッションや音の鳴るペット用のおもちゃと、同じような仕組みと思えばいい。


ちなみに「果皮に開いている小さな穴」とは、軸が付いていた部分のことで、サクランボを想像してもらえれば分かりやすいかと思う。


ドロドロにした果肉を外へ捨てる時もこの小さな穴から出すことになる。


私が子供の頃は、もうそんな遊びをする子供はいなかったが、庭でほおずきを育てていた時、母が「昔の遊びにこんなのがあったよ」と、実際にやって見せてくれたことがあったのをよく覚えている。


まさかその時の経験が、この原稿を書く時に役に立つとは思ってもみなかった・・・・・・。


そして、それに続く歌詞は、「なるはおなら」、「おならはくさい」、「くさいはうんこ」、「うんこはきいろい」と、小学生の大好きワードが連発されて行く。


その後は、「きいろいはバナナ」、「バナナはたかい」と続いて行くのだが、現代の人たちは、「バナナはたかい」と言っても、あまりピンと来ないだろう。


それは私も同様である。


現在ではバナナはスーパーで手ごろな値段で買うことが出来るフルーツになったが、昔はバナナは高級フルーツで、庶民が日常的に買って食べるようなフルーツではなかったのだ・・・・・・。


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そしてここからが問題である。


歌詞は「バナナはたかい」から「たかいはじゅうにかい」、「じゅうにかいはこわい」と続いて行くのだが、「じゅうにかい」とはいったい何のことだろう。


そこでちょっと調べてみると、明治20年代に東京の浅草に、通称「浅草十二階」と呼ばれる建物があったことが分かった。


「たかいはじゅうにかい」とは恐らくこれのことだろう。


浅草十二階は正式には「凌雲閣」といい、高さ52メートルの赤レンガ造りの塔だったようだ。


で、なんでこのような塔が造られたのかというと、当時は高い所からの眺めを売りにした、望楼建築がブームになっていたのだそう。


凌雲閣の名前についても、「雲を凌ぐほど高い」という意味があったようだ。


通称の「浅草十二階」からも分かるように、凌雲閣は十二階建てで、10階までは赤レンガ造り、11~12階の展望塔が木造になっていたという。


現在では12階程度の建物なら、別に驚くような高さではないが、当時としては12階の高さの建物はかなり珍しく、だからこそ、「たかいはじゅうにかい」、「じゅうにかいはこわい」と歌われたのである・・・・・・。


そんな凌雲閣も1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災により、建物の8階部分より上が崩壊してしまう。


そして凌雲閣はこの時すでに経営難に陥っていたそうで、復旧が困難だったこともあり、同年の9月23日に陸軍工兵隊により、なんと爆破解体されたという。


で、このことから分かることは、「そっくりさんの歌(仮)」は、この凌雲閣があった時代に作られ、すでに歌われていたということである。


凌雲閣は1890(明治23)年11月に建てられ、1923(大正12)年9月23日に爆破解体されている。


ということは、我々の想像以上に、この歌は古い時代から存在していたということになるだろう。


そして確認出来る限りでは、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の、最も古いバージョンと思われるのが、この「そっくりさんの歌(仮)」なのである。


したがって、昭和50~60年代に小学生の間で流行っていた、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の元歌は、どうやらこの歌で間違いなさそうだ。


そして、もう1つ分かったことが、どうやらこの当時、「で~ぶ、で~ぶ、ひゃっかんで~ぶ」の冒頭のフレーズは、太った子供を囃し立てる歌として、言葉遊びの歌とは別に歌われていたようなのだ。


それがどこかのタイミングで、言葉遊びの歌と合わさって、私たちの知る、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」となったらしい。


それにしても、こんなバカバカしい歌が、明治時代から存在していて、それが時代と共に少しずつ歌詞を変えながら、小学生の間で代々歌い継がれて来たなんて、ちょっとにわかには信じられないような話である。


そして今回の調査で1つはっきりと分かったことは、「いつの時代も小学生の頭のレベルは、少しも変わっていないのだなぁ」ということである・・・・・・。


(画像上、夏の暑い時期に、長期間花を付けるサルスベリ。画像下、立秋の頃から鳴き出し、8月の終わりに一気に数を増すツクツクボウシ)

2021年8月26日 (木)

「謎フレーズ探偵」でぶでぶひゃっかんでぶの歌 ②

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前回から昭和50~60年代に小学生の間で流行っていた、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の調査を始めた。


で、その調査の過程で、たまたま分かったのだが、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」には、歌詞がたいへんよく似たそっくりさんの歌が存在していた。


そして、このそっくりさんの歌は、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」のルーツを探るうえで、非常に重要な役割を果たしてくれそうなのである。


という訳で、今回はこのそっくりさんの歌を中心に調査を進めて行きたいと思う・・・・・・。


そこでまずは前回のおさらい、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の最もオーソドックスな歌詞のものを紹介しておく。


それがこちら(↓)。


「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」

で~ぶ~、で~ぶ~、ひゃっかんで~ぶ~
くるまにひかれてぺっちゃんこ
ぺっちゃんこはせんべい
せんべいはあまい
あまいはさとう
さとうはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはかえる
かえるはあおい
あおいはやなぎ
やなぎはゆれる
ゆれるはじしん
じしんはこわい
こわいはゆうれい
ゆうれいはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


そしてこの、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」は、前回の記事でご紹介した通り、歌詞に様々なバリエーションがあるのだが、そのほとんどは人から人へ伝わる際に、聞き間違えて覚えてしまっていたり、歌詞の一部を忘れてしまい、強引に繋げて歌ったと思われるものが大半を占めていた。


で、この「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の調査の過程で、この歌と非常によく似た歌がいくつか出て来た。


そしてそれは、大きく2つの系統に分けることが出来るので、今から1つずつご紹介して行こうと思う。


ちなみにどちらの系統も、歌詞の聞き間違えや、抜け落ちがなく、ちゃんと意味が通る、最もオーソドックスな歌詞のものだけををご紹介する。


まずは1つ目がこちらになる(↓)。


「いろはにこんぺいとうの歌」

いろはにこんぺいとう
こんぺいとうはあまい
あまいはさとう
さとうはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはかえる
かえるはあおい
あおいはやなぎ
やなぎはゆれる
ゆれるはじしん
じしんはこわい
こわいはゆうれい
ゆうれいはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


もう、お気付きだろう。


この歌が「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」と違うのは、冒頭の「いろはにこんぺいとう」と、「こんぺいとうはあまい」の2つのフレーズだけで、後の歌詞はまったくいっしょなのだ。


で、この「いろはにこんぺいとうの歌」も、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」と同様に、歌詞には様々なバリエーションがあり、そのほとんどは聞き間違えて覚えてしまっていたり、歌詞の一部を忘れて、強引に繋げて歌ったと思われるものだった・・・・・・。


さて、どんどん行こう。
そっくりさんの歌の2つ目はこちら(↓)。


「さよならさんかくまたきてしかくの歌」

さよならさんかくまたきてしかく
しかくはとうふ
とうふはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはかえる
かえるはあおい
あおいはやなぎ
やなぎはゆれる
ゆれるはじしん
じしんはこわい
こわいはゆうれい
ゆうれいはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


こちらも違うのは冒頭の、「さよならさんかくまたきてしかく」と、「しかくはとうふ」、「とうふはしろい」の部分だけで、後はどういう訳か、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」と全くいっしょなのである。


で、こちらに関しても、歌詞に様々なバリエーションがあるのは、「いろはにこんぺいとうの歌」や「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」と全く同様である・・・・・・。


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ちなみに私はどちらの歌もなんとなく知っていた。


恐らくどこかのタイミングで見聞きしていたのだと思う。


ただ、この歌を実際に歌っていたかというと、私にはその記憶は全くないと言っていい。


私が歌っていた記憶があるのは、やはり「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」の方なのだ。


で、ここで問題になって来るのが、「いったいどちらが先(元歌)なのか?」ということである。


ちなみにご紹介して来た、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」、「いろはにこんぺいとうの歌」、「さよならさんかくまたきてしかくの歌」は、本稿では主に昭和50~60年代に小学生時代を過ごした人から聞き取り調査をしている。


ということは、「地域や学校によって、流行りの系統が違っていた」ということなのだろうか。


どうやら元歌を確かめるためには、もう少し時代を遡る必要がありそうだ・・・・・・。


で、そのことに関して、いろいろと調べている時、なんとまたしても、別のそっくりさんの歌が浮上して来たのである。


ただ、この歌に関しては、「いろはにこんぺいとうの歌」と、「さよならさんかくまたきてしかくの歌」とは、どうも様子が違うようなのだ。


ちなみにこの歌、歌い出しは「いろはにこんぺいとうの歌」と全くいっしょなのだが、途中から展開が大きく変わるので、そこに注目してご覧いただきたい。


「いろはにこんぺいとうの歌」と区別するため、これを仮に「そっくりさんの歌」とする。


それがこちら(↓)。


「そっくりさんの歌(仮)」

いろはにこんぺいとう
こんぺいとうはあまい
あまいはおさとう
おさとうはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはのみ
のみはあかい
あかいはほおずき
ほおずきはなる
なるはおなら
おならはくさい
くさいはうんこ
うんこはきいろい
きいろいはバナナ
バナナはたかい
たかいはじゅうにかい
じゅうにかいはこわい
こわいはおばけ
おばけはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


どうだろうか。


歌詞に意味不明なところもあるし、全体の雰囲気がこれまでご紹介して来たものとはどうも違う。


これは私の勘だが、もしかしたらこの歌を解析することで、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」のルーツに迫れるかもしれない。


という訳で、次回はいよいよ大詰め、「そっくりさんの歌(仮)」の解析から始めて見たいと思っている・・・・・・。


(画像上、雑木林に樹液を求めてやって来たゴマダラチョウ。画像下、ゴマダラカミキリはまるで作り物のようにツヤツヤのボディをしている)


2021年8月20日 (金)

「謎フレーズ探偵」でぶでぶひゃっかんでぶの歌 ①

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若い世代の人たちは知らないだろうが、私が小学生の頃、「で~ぶ~、で~ぶ~、ひゃっかんで~ぶ~♪」で始まる、謎の歌が流行っていたことがあった。


ここだけを抜粋すると、いっけん太った子供を、悪口で囃し立てる歌のように聞こえるのだが、その後のフレーズは、じつは「でぶ」とは何の関係もなく、まるで連想ゲームのような言葉遊びになっていた。


という訳で、今回はこの出所不明の、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」をふか~く掘り下げてみたいと思っている・・・・・・。


ところでこの、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」は、聞き取り調査をしてみると、じつは歌詞に様々なバリエーションがあって、いったいどれが本来の元歌なのか、今となってはさっぱり分からない状況になってしまっている。


そこでまずは、私が子供の頃に実際に歌っていた、最もオーソドックスと思われるものを、先にご紹介してみたいと思う。
それがこちら(↓)。


「でぶでぶひゃっかんでぶの歌 A」

で~ぶ~、で~ぶ~、ひゃっかんで~ぶ~
くるまにひかれてぺっちゃんこ
ぺっちゃんこはせんべい
せんべいはあまい
あまいはさとう
さとうはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはかえる
かえるはあおい
あおいはやなぎ
やなぎはゆれる
ゆれるはじしん
じしんはこわい
こわいはゆうれい
ゆうれいはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


昭和50~60年代に小学生の間で歌われていた、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」は、恐らくこれが元歌だったのではないかと私は思っている。


今回、私の友人知人、その関係者にも協力してもらい、複数の人に聞き込み調査をしてみたところ、この歌をベースにして、変化して行ったと思われる歌詞のものがいくつか出て来た。


そしてそのほとんどは、人から人へ伝わる際に、聞き間違えて覚えてしまっていたり、歌詞の一部を忘れてしまい、強引に繋げて歌ったと思われるものが大半を占めていた。


一番多かったのが、「かえるはあおい」から、「じしんはこわい」までの後半のフレーズが、他のワードにすり替わってしまっていたり、歌詞を忘れて、途中を省略して歌っているものだった。


例えば本来は「かえるはあおい」→「あおいはやなぎ」と続くところが、「あおいははっぱ」や「あおいはなっぱ」に歌詞が変化してしまっているケース。


そして本来は、「あおいはやなぎ」→「やなぎはゆれる」→「ゆれるはじしん」と繋いでいくところが、「ゆれるはゆうれい」と、一部の歌詞を飛ばしてしまっているケースもあった。


この場合、「ゆれるはじしん」→「じしんはこわい」→「こわいはゆうれい」と続かなければ、意味が通じないだろう。


また、「かえるはあおい」から「あおいはゆうれい」と強引に繋げていくものもあった。
「あおいはゆうれいって、いったいなんだよ!」という話である。


ちなみに冒頭の「くるまにひかれてぺっちゃんこ」は、「でんしゃにひかれてぺっちゃんこ」バージョンもある・・・・・・。


そんな中、これは明らかに別系統と思われる歌詞のものもあったのでご紹介してみたい。


それがこちら(↓)。


「でぶでぶひゃっかんでぶの歌 B」

で~ぶ~、で~ぶ~、ひゃっかんで~ぶ~
くるまにひかれてぺっちゃんこ
ぺっちゃんこはせんべい
せんべいはあまい
あまいはさとう
さとうはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはかえる
かえるはあおい
あおいはきゅうり
きゅうりはながい
ながいはへび
へびはこわい
こわいはゆうれい
ゆうれいはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


このように、「かえるはあおい」→「あおいはきゅうり」→「きゅうりはながい」→「ながいはへび」→「へびはこわい」→「こわいはゆうれい」と繋げていくパターンもけっこう見られた。


これはどう考えても聞き間違いなどではないだろう・・・・・・。


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そしてこの「かえる」から「きゅうり」に繋げていく歌詞のものには、最後のオチまで違うバージョンも存在していたのでご紹介してみたい。


歌詞の後半からオチへ向けての展開に注目してご覧頂きたい(↓)。


「でぶでぶひゃっかんでぶの歌 C」

で~ぶ~、で~ぶ~、ひゃっかんで~ぶ~
くるまにひかれてぺっちゃんこ
ぺっちゃんこはせんべい
せんべいはあまい
あまいはさとう
さとうはしろい
しろいはうさぎ
うさぎははねる
はねるはかえる
かえるはあおい
あおいはきゅうり
きゅうりはながい
ながいはろうか
ろうかはすべる
すべるはおやじのはげあたま


また、今回調査した、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」には、途中の歌詞を忘れてしまったのか、異常に短いバージョンもあった。


それがこちら(↓)。


「でぶでぶひゃっかんでぶの歌 D」

で~ぶ~、で~ぶ~、ひゃっかんで~ぶ~
くるまにひかれてぺっちゃんこ
ぺっちゃんこはせんべい
せんべいはあまい
あまいはさとう
さとうはしろい
しろいはゆうれい
ゆうれいはきえる
きえるはでんき
でんきはひかる
ひかるはおやじのはげあたま


「いくらなんでも短かすぎやしないか?」とつっこみたくなるが、ポイントは「しろいはゆうれい」の部分だ。


最初の方でご紹介した、「あおいはゆうれい」と違って、「しろいはゆうれい」なら、なんとか意味が通じている。


もしかしたら歌詞を忘れて、「あおいはゆうれい」と歌った人が、「これじゃあ、どう考えてもおかしい」と気付いて、途中を大幅にショートカットして、辻褄を合わせたとも考えられる・・・・・・。


さて、今回は昭和50~60年代に小学生の間で流行っていた、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」をご紹介して来たのだがいかがだったろうか。


じつは今回の調査でたまたま分かったのだが、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」には、歌詞がたいへんよく似た、「そっくりさんの歌」が存在していた。


そして、どうやらそのそっくりさんの歌は、「でぶでぶひゃっかんでぶの歌」のルーツを探るうえで、非常に重要な役割を果たしてくれそうなのである。


という訳で、次回はそのそっくりさんの歌の方も合わせて調査して行きたいと思っている・・・・・・。


ところで、「ひゃっかんでぶとはいったいなに?」と思われているかたも少なくないと思うので、一応解説しておく。


「貫」とは昔の質量の単位で、一貫は3.75キログラムになる。


ということは、百貫は375キログラムということになり、早い話が「そんなデブはこの世にいね~よ」ということになるだろう。


いつの時代も小学生というのは、突拍子もないことを考えるものである・・・・・・。


(画像上、公園のシラカシの木に樹液を吸いに来たアカボシゴマダラ。画像下、「み~ん、み~ん、み~ん、み~ん」と鳴くミンミンゼミ)



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