「謎フレーズ探偵」そうだ村の村長さんが ④
今回は「そうだ村の村長さんが」の4回目、この歌の元歌(元ネタ)について、色々と考えて行きたいと思っている。
と、まずはその前に、過去に小学生の間で流行っていた、「そうだ村の村長さんが」という歌が、いったいどのようなものであったのか、1例を上げておくので参考にして欲しい。
「そうだ村の村長さんが」
そうだ、そうだ、そうだ村の村長さんが
ソーダ飲んで死んだそうだ
葬式まんじゅう美味いそうだ
中にはあんこが入ってないそうだ
で、ネット上には、この歌の元歌(元ネタ)とされる「詞」が、あちこちのサイトに紹介されている。
それがこちらになる(↓)。
「そうだ村の村長さん」阪田寛夫
そうだむらの そんちょうさんが
ソーダのんで しんだそうだと
みんながいうのは ウッソーだって
そんちょうさんが のんだソーダは
クリームソーダの ソーダだそうだ
おかわり十かい したそうだ
うみのいろした クリームソーダ
なかでおよげば なおうまそうだ
クリームソーダの プールはどうだと
みんなとそうだん はじめたそうだ
そうだむらでは おおそうどう
プールはつめたい ぶっそうだ
ふろにかぎると きまったそうだ
そうだよタンサン クリームおんせん
あったかそうだ あまそうだ
おとなもこどもも くうそうだけで
とろけるゆめみて ねたそうだ
ちなみにこの詩は、童謡「サッちゃん」で知られる、児童文学作家の阪田寛夫さんによるもので、見ての通り、言葉遊びのような内容になっていることが分かる・・・・・・。
子供たちの間で流行っていた、「そうだ村の村長さんが」では、村長さんはすでに「ソーダ飲んで死んだそうだ」と歌われており、その後の歌詞でも、「葬式まんじゅう美味いそうだ」、「葬式まんじゅうでっかいそうだ」、「明日の葬式忙しそうだ」、「まだ葬式ないそうだ」など、様々なバリエーションで歌われていて、村長さんはやっぱり死んだことになっている。
ところが阪田寛夫さんによる「そうだ村の村長さん」では、「そうだむらの そんちょうさんが ソーダのんで しんだそうだと みんながいうのは ウッソーだって」と歌われていて、「村長さんはじつは生きていた」というお話になっている。
そしてこの2つの詞を見比べてみると、1つの物語として成立しているのは、誰がどう見ても、阪田寛夫さんの「そうだ村の村長さん」の方だろう。
ところが子供たちの間で流行っていた、「そうだ村の村長さんが」の方も、歌詞は短いながらも、ただの語呂合わせの歌で終わることなく、細部まで練りに練って作られている、なかなか奥の深い歌なのである。
そしてこれについては、過去3回の記事でご紹介して来た通りである・・・・・・。
そこでちょっとこの2つの歌について調べてみることにした。
するといろいろな人に話を聞いてみると、子供たちの間で流行っていた「そうだ村の村長さんが」は、どうも昭和初期から、遅くとも昭和20~30年代には、すでに子供たちの間で歌われていて、全国的に流行っていた歌だったようなのだ。
そしてもう一方の阪田寛夫さんによる「そうだ村の村長さん」は、もともとは雑誌「こどもの光(家の光協会)」の連載で、「まどさんとさかたさんのことばあそび」として紹介された詞であることが分かった。
この連載は1987(昭和62)年1月から2年間続いている。
そして1992(平成4)年11月30日に、「まどみちお」との共著で、「まどさんとさかたさんのことばあそび」のタイトルで、小峰書店より絵本として発売されている。
そしてここで1つ気付くことがある。
ネット情報では、子供たちの間で流行っていた、「そうだ村の村長さんが」の元歌(元ネタ)は、阪田寛夫さんによる「そうだ村の村長さん」であると紹介されている。
ところが前述のように、こちらの詞の方が時期としては全然新しいのである。
先ほども書いたように、子供たちの間で流行っていた「そうだ村の村長さんが」は、すでに昭和初期から歌われていた。
しかし、その元歌(元ネタ)とされる詞が発表されたのは、昭和の終わり近くだったなんて、そんな矛盾した話がある訳がない。
ちなみに私の小学生時代にも、「そうだ村の村長さんが」は歌われていたが、やはり阪田寛夫さんの詞が雑誌に載る以前の話である。
どうやらネットの元歌(元ネタ)情報は間違いのようである・・・・・・。
また、当時は知る由もなかったが、子供たちの間で流行っていた、「そうだ村の村長さんが」という歌は、なんと全国区だったというのだ。
私が子供の頃は、このような全国的な流行のきっかけは、テレビ番組であることが多かった。
しかし、前述のように「そうだ村の村長さんが」は、昭和初期からすでに流行が始まっており、一般家庭にテレビが普及する前から、歌われていたようなのだ。
あまりに時代が古すぎて、いったいどこから始まった流行だったのかまでは、残念ながら追いかけられなかったが、当時はインターネットもSNSもまだなかったのだ。
ということは、ある地域で始まった流行が、子供たちの口コミだけで全国へ広まって行ったことになる訳だ。
これってある意味、SNSでバズることより、よっぽどすごいことではないだろうか・・・・・・。
(画像上、里山の林床に広がるキンランの群落。画像下、里山の雑木林では、この時期ヤマツツジの花が目立つ・・・・・・)








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