給食との格闘
▲私が小学生の頃は、基本はパン食だったので、箸が付いて来ることはまずなく、画像のような先割れスプーンが毎回必ず付いて来ていた。このため、たまに出るソフト麺やご飯を食べる時も、この先割れスプーンを使っていた・・・・・・。
私が小学生の頃、給食に出ていたヨーグルトはビン入りだった。
牛乳は紙パックの三角牛乳だったのに、ヨーグルトに限ってなぜビン入りだったのか、いま考えるとちょっと疑問に感じる。
そしてそのヨーグルトの容器に使われていたビンは、寸胴で口がキュッと先細りになっていて、ちょうど牛乳ビンの上部だけを、バッサリとカットしたような形をしていた。
で、このビン入りヨーグルト、子供たちには人気のメニューだったのだが、1つ難点があって、前述のようにビンの口が先細りになっていたため、とても食べづらかったのだ。
というのも、当時給食に必ず付いて来ていた先割れスプーンは、まるでカレースプーンのような大きさのスプーンだった。
牛乳ビンの口にカレースプーンを入れることを想像してもらえば分かると思うが、サイズ的にはギリギリだったのだ。
しかもヨーグルトのビンは上部がキュッと狭くなった形をしていたので、大きなスプーンでは中のヨーグルトをすくいづらく、そのことがとてもストレスになっていた。
特にビンの首の部分に貼り付いているヨーグルトは、スプーンをどう使っても、かき取ることが出来ず、ビンを逆さにしてみたり、振ってみたりして、なんとかきれいに食べられないものか、ビンと格闘している者が教室のあちこちにいた。
そんな風に、食べるのに一苦労のヨーグルトだったのだが、休みの者がいれば、じゃんけんによる争奪戦が展開されていた。
しかし、見事勝利しても、次の瞬間には再びヨーグルトのビンと格闘を始めなければならず、じゃんけんに勝ったにもかかわらず、ヨーグルトのビンを握りしめながら、大きなため息を吐いていたものである・・・・・・。
▲給食にはマーガリンやバター、チーズ、ジャムなどがしばしば付いて来ていた。ジャムだけは袋入りになっていたが、その他のものは、四角い銀紙に包まれているだけだった。どうでもいいが、画像のように食パンが3枚も付いて来ることはなかった・・・・・・。
私が小学生の頃は、給食はパン食だったので、マーガリンやバターがしばしば付いて来ていた。
給食に付いて来るマーガリンやバターは1回分の量を小さなブロック状に固めてあり、それを銀色の紙できれいに包んであった。
こんな風に個別に小さく包装されているマーガリンやバターは、店で売っているところは一度も見たことがなかったので、あれは給食専用に開発されたものだったのだろう。
で、このマーガリンやバターだが、ただ専用の銀紙に包んであっただけなので、子供にはとても扱いづらいものだった。
開封するにしても、ミシン目などが入っていた訳ではなく、銀色の包装紙の接着部分を、爪でカリカリしながら、剥がして行くしか方法がなかった。
で、接着部分を剥がして、折り畳まれている包装紙をゆっくりと開いて行くのだが、当然のことながらその構造上、内側ほど包装紙はベタベタになっており、全部開き切る頃には、自分の手にもマーガリンやバターが付着し、手がベタベタになってしまっていた。
そうは言っても、これはもはや毎度のことで、半分は諦めていたものの、これにはみんなストレスを感じていたものである。
そんな中、バカな男子は、「マーガリンは食べられるし、ハンドクリームになるし、いい匂いもするんだぜ~」などと言って、テカテカになった自分の手を女子に見せびらかしていたが、そんなものを見せられたところで、「よかったね・・・」と苦笑するのが精一杯である・・・・・・。
ところで給食に出ていたマーガリンやバターには、それとはまた別の問題もあった。
夏は通常よりも軟らかく、冬は通常よりも硬くなってしまっていたのだ。
別の言い方をするなら、夏はドロドロ、冬はカチカチだったのである。
気温の高い夏はマーガリンやバターは、ちょっと触っただけでグニャグニャになっていることがすぐに分かり、開封の際に手がベタベタになることは容易に想像することが出来た。
手に伝わって来るグニャグニャした感触を噛みしめながら、「うわ~・・・」などと顔をしかめながら、開封作業を進めていたことを、いまでもはっきりと覚えている。
高温でマーガリンやバターが溶けているため、パンに塗りやすいことが、唯一の利点だったといえるだろう。
その反対に冬はマーガリンやバターは、これでもかというくらいカチカチになっていた。
暖かい季節のように、手がベタベタにならないのはよかったのだが、今度はあまりに硬すぎて、パンに塗れないという問題が生じていた。
真冬なんてパンに塗ることを諦めて、そのままかじって、パンと交互に食べている者もいたくらいだ・・・・・・。
さすがに今はもう、あのようなシンプルな包装のマーガリンやバターはないと思う。
そんな訳で、あの手がベタベタになるマーガリンやバターは、いったいいつ頃まで現役だったのか、個人的にはちょっと気になっているところだ・・・・・・。
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