500mlペットボトルへの道
▲昭和の頃の懐かしいデザインで発売されたファンタ。ちなみにビン入りのファンタもこのデザインだった。やっぱりファンタといえばこのデザインだよな~・・・・・・。
1980年頃まではジュースなどの飲み物は、瓶入りや缶入りのものが普通だった。
このため、当時の飲み物は、一度開封してしまうと、蓋を元に戻すことは出来なかった・・・・・・。
瓶入りの飲料は王冠で封がされていたので、栓抜きを使って蓋を開けていた。
このため開栓後は、王冠が変形してしまい、戻しようがなかった・・・・・・。
缶入りの飲料はプルタブ式だったので、缶の口から引き抜いてしまった後は、もうどうしようもなかった。
いまでは考えられない話だが、飲み物は一度開けてしまったら、蓋が出来ないのが基本だったのである・・・・・・。
そうはいっても、子供は一度に全部は飲みきれないこともあった。
そんな時は仕方がないので、ラップで瓶や缶の口を覆い、冷蔵庫に入れておいた。
しかし、それが炭酸飲料だと、次に飲む頃には、炭酸が抜けてしまって、ただの砂糖水になっていて、「なんだこりゃ・・・」と思うこともしばしばあった・・・・・・。
昔はコンデンスミルクも缶入りだったので、缶の上部に練乳を出す穴と空気穴を2つ開けて使用していた。
このため、冷蔵庫に入れる際には、やはりラップを被せて保存していた。
コンデンスミルクに被せたラップは、いつもベタベタになっていて、使用するたびに手を洗いに行くのが、煩わしくて仕方なかった・・・・・・。
▲昔のデザインを見ると、いまのデザインが思い出せなくなるという人に、こちらはフレーバーは復刻だが、デザインは現代の「ゴールデングレープ」・・・・・・。
炭酸飲料の炭酸が抜けてしまう問題に対応するために、瓶や缶を密閉出来る便利グッズが発売された。
うちにあったのは、瓶の口を密閉出来るグッズで、瓶の口に被せてグッと押し込むと、内側のゴムがぴったりと貼りついて、瓶の口を密閉出来る仕組みになっていた・・・・・・。
ちなみにこのグッズ、瓶の口に被せて押し込んで行くと、中からカエルの顔がビンの上部に、にょっきりと出て来るというおまけつきだった。
うちには緑色のカエルと橙色のカエルの2パターンがあったのを覚えている。
ちなみに缶を密閉出来る、「缶ピタくん」という便利グッズも売られていたのだが、なぜかうちにはなかった・・・・・・。
そんな中、1982(昭和52)年になって、ようやく清涼飲料水の容器にペットボトルが採用される。
しかし、そうはいっても、当時のものは、1.5リットルや2リットルなど、大きなサイズばかりだった・・・・・・。
また、当時の炭酸飲料のペットボトルの特徴として、ボトルの底を覆うようにして、プラスチックのカップが付いていた。
これはボトルの成形技術が追いつかなかったためで、炭酸飲料はボトルの底を丸形にせざるを得なかったためといわれている。
カップがないと自立させることが不可能だったのだ・・・・・・。
ところで、なぜ当時のペットボトルは、大きなものばかりだったのだろうか。
これについては、ペットボトルのリサイクルシステムが未整備だったからで、500mlなど小型のものを作ると、ゴミが増加してしまうことから、飲料メーカー各社が自主規制をしていたのだ。
飲料メーカー各社が自主規制を撤廃したのは、1996(平成8)年のことで、このタイミングでペットボトルのリサイクルシステムが確立したことになる・・・・・・。
いまでは当たり前になっている、500mlのペットボトルだが、当時は雑誌で特集が組まれるほど、センセーショナルな話題となった。
そして500mlのペットボトルの登場で、ペットボトルを持ち歩く人が増えたり、会議室のお茶がペットボトルに変化したり、私たちの生活が少しずつ変化して行ったのである・・・・・・。
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