ビン入りコーラのうわさ
▲ビンコーラは冷蔵庫から出したら、まず、この王冠を栓抜きで抜かなければ飲むことは出来なかった。現代では、「もう、家に栓抜きなんてないよ」という家庭も少なくないのでは・・・・・・。
私が子供の頃、「コカコーラはビン入りの方が、缶入りのものより美味い」とよく言われていた。
私はコーラが苦手だったこともあって、「そんな馬鹿な・・・」と思うだけで、たいして気にもしていなかったのだが、「ファンタや他のジュースも同じだよ」と言われて、なんだかちょっと気になり始めていた・・・・・・。
そんなある日、父が家でビンビールを飲みながら、「クーーーッ!やっぱりビールはビン入りに限るな~」などと言っていた。
私は何気なく、「なんで?」と聞いた。
すると父は、「缶ビールは安っぽい味なんだよ。ビンビールは雑味がなくて美味い」と、本当に美味そうな顔をして言った。
そこまで言われたら、私もビンジュースの美味さとやらを確かめずにはいられまい・・・・・・。
私が子供の頃は、自動販売機のジュースは、もうほとんど缶入りのものに切り替わっていたが、駄菓子屋やお菓子屋の店先に置かれていた自販機には、まだビンジュースが残っていた。
私は早速、ビン入りのファンタを購入して、家の冷蔵庫に入れて冷やしておいた。
そして父がビールを飲むときに、いっしょにビンジュースを取り出して、飲んでみることにした・・・・・・。
栓抜きで栓を開け、「プシュ!」という心地いい音を聞きながら、よく冷えたファンタオレンジをコップに注ぐ。
そしてそれを慎重に一口だけ口に含んでみる。
すると確かに「あれ?」という感じがあった。
父が「ビンビールは雑味がない」と言っていた意味がなんとなく分かるような気がする・・・・・・。
▲600ミリリットルや680ミリリットルのペットボトルが主流となっている現代からすると、ビン入りジュースの容器は細身で小ぶりに感じることだろう。でも、当時はこれが当たり前だったのだ・・・・・・。
そう、いつもと何かが違うのだ。
それが雑味ということなのか。
缶ジュースよりは確かに美味い気もする。
何なんだこれは。
もしかして、缶とビンでは中身が違うのか。
いろいろ考えてはみたが、当時はそのことをちゃんと説明出来る者は、私の周りには誰一人いなかった。
そんなこともあって、当時は本当なのか、嘘なのかよく分からない、都市伝説的な話として語られていたのを覚えている・・・・・・。
そして私が事の真相を知ったのは、なんと大人になってからだった。
メーカーの話によると、じつは缶もビンも中身は全くいっしょとのことで、味が違うように感じるのは、容器の材質の特性によるものとのことだった。
缶入りのものは、ビン入りのものに比べて、少なからず、缶の匂いが飲料に移りやすくなってしまうので、これが雑味のように感じるのだろうとのこと・・・・・・。
一方、ビンは遮光や保冷、ガスバリア性に優れている。
このため、冷えやすい、炭酸が抜けにくいなどの特性がある。
また、ビンそのものには匂いがないため、純粋に飲料の風味が感じられるようだ。
そんなわけで、「コカコーラはビン入りの方が、缶入りのものより美味い」という噂は、「確かに美味くは感じるが、中身は全くいっしょである」という、分かったような、分からないような、狐に摘ままれたような真相にたどり着いたのだった・・・・・・。














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