カテゴリー「昭和の迷信、うわさ」の記事

2026年7月15日 (水)

ビン入りコーラのうわさ

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▲ビンコーラは冷蔵庫から出したら、まず、この王冠を栓抜きで抜かなければ飲むことは出来なかった。現代では、「もう、家に栓抜きなんてないよ」という家庭も少なくないのでは・・・・・・。

私が子供の頃、「コカコーラはビン入りの方が、缶入りのものより美味い」とよく言われていた。


私はコーラが苦手だったこともあって、「そんな馬鹿な・・・」と思うだけで、たいして気にもしていなかったのだが、「ファンタや他のジュースも同じだよ」と言われて、なんだかちょっと気になり始めていた・・・・・・。


そんなある日、父が家でビンビールを飲みながら、「クーーーッ!やっぱりビールはビン入りに限るな~」などと言っていた。


私は何気なく、「なんで?」と聞いた。


すると父は、「缶ビールは安っぽい味なんだよ。ビンビールは雑味がなくて美味い」と、本当に美味そうな顔をして言った。


そこまで言われたら、私もビンジュースの美味さとやらを確かめずにはいられまい・・・・・・。


私が子供の頃は、自動販売機のジュースは、もうほとんど缶入りのものに切り替わっていたが、駄菓子屋やお菓子屋の店先に置かれていた自販機には、まだビンジュースが残っていた。


私は早速、ビン入りのファンタを購入して、家の冷蔵庫に入れて冷やしておいた。


そして父がビールを飲むときに、いっしょにビンジュースを取り出して、飲んでみることにした・・・・・・。


栓抜きで栓を開け、「プシュ!」という心地いい音を聞きながら、よく冷えたファンタオレンジをコップに注ぐ。


そしてそれを慎重に一口だけ口に含んでみる。


すると確かに「あれ?」という感じがあった。


父が「ビンビールは雑味がない」と言っていた意味がなんとなく分かるような気がする・・・・・・。


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▲600ミリリットルや680ミリリットルのペットボトルが主流となっている現代からすると、ビン入りジュースの容器は細身で小ぶりに感じることだろう。でも、当時はこれが当たり前だったのだ・・・・・・。

そう、いつもと何かが違うのだ。


それが雑味ということなのか。


缶ジュースよりは確かに美味い気もする。


何なんだこれは。


もしかして、缶とビンでは中身が違うのか。


いろいろ考えてはみたが、当時はそのことをちゃんと説明出来る者は、私の周りには誰一人いなかった。


そんなこともあって、当時は本当なのか、嘘なのかよく分からない、都市伝説的な話として語られていたのを覚えている・・・・・・。


そして私が事の真相を知ったのは、なんと大人になってからだった。


メーカーの話によると、じつは缶もビンも中身は全くいっしょとのことで、味が違うように感じるのは、容器の材質の特性によるものとのことだった。


缶入りのものは、ビン入りのものに比べて、少なからず、缶の匂いが飲料に移りやすくなってしまうので、これが雑味のように感じるのだろうとのこと・・・・・・。


一方、ビンは遮光や保冷、ガスバリア性に優れている。


このため、冷えやすい、炭酸が抜けにくいなどの特性がある。


また、ビンそのものには匂いがないため、純粋に飲料の風味が感じられるようだ。


そんなわけで、「コカコーラはビン入りの方が、缶入りのものより美味い」という噂は、「確かに美味くは感じるが、中身は全くいっしょである」という、分かったような、分からないような、狐に摘ままれたような真相にたどり着いたのだった・・・・・・。


2026年3月18日 (水)

ミミズにおしっこをかけるとおちんちんが腫れる

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私が子供の頃、「ミミズにおしっこをかけるとおちんちんが赤く腫れ上がるから、絶対にやってはいけない」とよくいわれていた。


当時は大人がそういうのだから、そういうものなんだろうと思っていた。


しかし、よくよく考えてみれば、ミミズにおしっこをかけたぐらいで、何でおちんちんが赤く腫れ上がるのか。


おしっこをかけるだけなら、ミミズには指1本触れていないことになる。


触ってもいないのに、皮膚が炎症を起こすなんてことが、本当にあるのだろうか。


そんなことはあり得ないのではないか・・・・・・。


と、当時、そんな疑問を大人にぶつけてみたところ、「おしっこをかけるということは、ミミズに間接的に触れていることになる。ミミズとおちんちんをおしっこが繋いでいるのだ」と、分かったような、分からないようなことをいう。


かみ砕いて説明するなら、ミミズにおしっこが当たっているわずかな間に、ミミズの身体から菌がおしっこを伝って、おちんちんまで泳いでやって来るということらしい。


どうやらミミズ菌は泳げるらしい。


しかも、流れに逆らって、かなりの急流を上って来るのだ。


ミミズ菌、恐るべしである。


その話を聞かされた時は、恐怖で震え上がったものだが、冷静になって考えてみると、そもそもの話、ミミズにおしっこをかけるやつなんているのだろうか。


もし、いたとして、いったい何のためにそんなことをするのか・・・・・・。


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ミミズは普段は土の中で暮らしている。


そんなミミズを、わざわざ掘り起こして、地上に無理矢理引っ張り出し、「よし、いまからおしっこをかけてやろう」なんて思うやつがいるだろうか。


それにミミズにおしっこをかけたところで、自分にとって何のメリットがあるというのか。


で、この「ミミズにおしっこをかけるとおちんちんが腫れる」といううわさだが、どうも大人が子供に対して意図的に流していたらしいのだ。


では、何でわざわざそんなことをしていたのかというと・・・・・・、


ミミズは土の中の有機物や微生物を食べて育つ。


そして、ミミズはそれらを土ごと食べて排泄することになる。


ミミズはそれを繰り返しながら、土を掘り進み、結果的に土の中にトンネルを作って行く。


このトンネルは土の中に酸素を入れることになり、人がクワを使って畑を耕すのと、同じような効果があるといわれている・・・・・・。


さらにミミズの排泄物は、有機物が分解されたことで、栄養のある土となる。


この土はミミズの体内を通り抜けて来たことで、土の粒子が一定の大きさで固まって、植物の生育に適した状態になる。


このためミミズがたくさん出て来る土壌は、昔から「いい土だ」といわれる。


そんなわけで、農家さんたちは、ミミズを大切に扱っているそうだ・・・・・・。


と、ここまで書けば分かると思うが、「そんなミミズに小便をかけるとはなにごとか!」ということである。


さらにいうと、ミミズは刺激を受けると、毒性のある防御液を噴射することがあるそうなのだ。


で、これがおちんちんに当たったりすると、炎症を起こすかもしれないとのことなのだ・・・・・・。


また、私たちより上の世代の人たちは、子供の頃、ミミズを直に触ったり、いたずらで実際におしっこをかけたりすることがあったらしい。


ミミズを触った手で、おちんちんを触れば、そりゃあ、炎症の1つも起こすだろう。


そんなわけで、「ミミズにおしっこをかけるとおちんちんが腫れる」といううわさは、時期は定かではないが、かなり昔から存在していたようだ・・・・・・。


そして1つ分かったことは、「ミミズ菌がおしっこを伝っておちんちんまで泳いで来る」という話は、「本当にあった怖い話」と同等のものと理解しておいた方がよさそうだ。


とはいうものの、「ミミズとおちんちんをおしっこが繋いでいる」は、何となく名言ぽく聞こえるから、不思議なものである・・・・・・。


(画像上、丘の上のコブシの花が満開になった・・・・・・。画像下、12月ぐらいから咲いていたボケが、温かくなって急に花数が増えた・・・・・・)



2026年1月21日 (水)

ムラサキカガミ

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昭和の頃、「ムラサキカガミ」というワードが話題になったことがあった。


確か「ムラサキカガミという言葉を、20歳の誕生日まで覚えていると死ぬ」とか、「呪われる」とかいわれていた・・・・・・。


で、当時はあまり深く考えることなく、「怖い話」とか「都市伝説的なもの」と、勝手に理解していたように思う。


しかし、よくよく考えてみると、怖い話や都市伝説なら、「ムラサキカガミとはいったい何なのか?」ということについて、詳しく語られていなければおかしいと思う。


ところが私が小学生の頃には、そのようなストーリーについては、何も語られていなかったと思うのだ。


何の理由もなく、「ムラサキカガミという言葉を20歳の誕生日まで覚えていたら死ぬ」などといわれても、誰がそんなことを信じるというのか。


そんなこともあって、友達から「ムラサキカガミという言葉を、20歳の誕生日まで覚えていたら死ぬんだって!」と聞かされても、翌日や翌々日、長くても1週間ぐらいは、「あ、今日も覚えているぞ」とか、「まだ覚えているぞ。やばくねえか?」なんて思ってはいたが、そのうちにいった方も、いわれた方も、すっかり忘れてしまっていたように思う・・・・・・。


そもそもの話、ムラサキカガミとはいったい何なのか。


多くの人は、「きっと、紫色の鏡に違いない」と、勝手に思い込み、「うちには紫色の鏡なんてないから大丈夫だ」なんて、「ホッ」と胸をなで下ろしていたりしたものだ・・・・・・。


しかし、ムラサキカガミが、紫色の鏡のことだなんて、誰もひと言もいっていないのだ。


もしかしたら、「村崎かがみ」さんという人なのかもしれないではないか。


そこでムラサキカガミが何なのかについて、ちょっと調べてみることにした・・・・・・。


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すると驚くべきことに、ムラサキカガミにはちゃんとしたストーリーがあったことが分かった。


これについては、地域によっていくつかのバリエーションがあるようだが、大きく関東版のストーリーと、関西版のストーリーに分けられるとのことなので、それぞれご紹介してみたいと思う・・・・・・。


関東版のストーリーでは・・・・・・、


誕生日に素敵な鏡をもらった女の子がいた。


ある日、ふと思いついて、その鏡を紫色の絵の具で塗った。


しかし、自分が思っていたようにはいかず、元通り、絵の具を拭き取ろうとした。


ところが、絵の具はどうしても拭き取ることが出来なかった。


女の子はそのことを後悔し続けて、ついには病気になってしまう。


そして20歳の誕生日を迎える前に、女の子は亡くなってしまった。


女の子は亡くなる時、「紫の鏡・・・、紫の鏡・・・」とつぶやいていたそうだ・・・・・・。


もう1つ、関西地方のストーリーでは・・・・・・、


紫色の鏡を大切にしていた女性がいた。


女性は成人式を控えていたのだが、交通事故にあって亡くなってしまう。


女性の親は大切にしていた鏡を棺に入れてあげようとしたが、どこを探しても見つからなかった。


その後、女性のことを悪くいっていた友人がなぜか失踪。


そして、どういうわけか、その友人の部屋から、紫色の鏡が見つかる・・・・・・。


以上のことから、ムラサキカガミが紫色の鏡であることは、とりあえず分かった。


しかし、この話がどうやったら、「ムラサキカガミという言葉を20歳の誕生日まで覚えていたら死ぬ」につながって来るのかについては、いっさい何も分からなかった。


さらになぜこのストーリーが、私が小学生の頃に語られていなかったのかについても分からず仕舞いだった。


バックボーンとなっているストーリーを知らなければ、ただの意味不明な戯言でしかない。


だからこそ、私たちは死なずに済んだのかもしれないけれど・・・・・・。


(画像上、極寒の冬空のもと、ソシンロウバイの花が咲いている・・・・・・。画像下、冬に活動している昆虫の1種、ナミスジフユナミシャクのオス・・・・・・)






2025年12月 3日 (水)

自分とそっくりな人と会ったら死ぬ

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世の中には自分とそっくりな人が3人は存在するといわれている。


しかし、私は今の今まで、自分とそっくりな人と遭遇したことは一度もない。


「自分とそっくりな人」ということは、これはどう考えても、相手も日本人ということになるだろう。


なぜなら、青い目をした金髪のアメリカ人が、自分とそっくりなわけがないからだ。


どんなに顔立ちが似ていたとしても、「青い目」や「金髪」という時点でアウトである。


日本人限定ということになると、出会いの場は国内である可能性が極めて高い。


そうなって来ると、もしかしたら、気付いていないだけで、自分とそっくりな人と、どこかですれ違っていた可能性もなきにしもあらずである・・・・・・。


じつは、「世の中には自分とそっくりな人が3人は存在する」という説を、科学的に検証した人がいる。


スペインの「ホセ・カレーラス白血病研究所」所属の、マネル・エステラー氏である。


マネル・エステラー氏は、ある写真家が長年に渡って撮りためていた、「他人の空似」に登場する人々の中から、誰が見てもそっくりなペアを、顔認識アルゴリズムを通して特定し、遺伝子情報を調べたのだという。


すると各ペアには、「血縁関係がなかった」にも関わらず、顔の骨格や肌の色、水分保持といった点において、「DNA配列に共通点があった」という、興味深い結果が示されたのだそう。


この調査報告を見ると、顔の作りに関わるDNAの配列さえ共通していれば、血縁関係などなくても、自分とそっくりな人は、世の中に3人どころか、もっとたくさん存在している可能性もあるわけだ・・・・・・。


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ところで昭和の頃に、子供たちの間でささやかれていたうわさの1つに、「自分とそっくりな人に会ったら死ぬ」というのがあった。


あまりにも唐突な「死の宣告」に、慌てふためいた子供たちがたくさんいたのは、もはやいうまでもない・・・・・・。


で、当時は前述の「世の中には自分とそっくりな人が3人は存在する」といううわさと、「自分とそっくりな人に会ったら死ぬ」といううわさが、混同されていたように思う。


混乱しないようにいっておくと、この2つはそもそも別々のうわさ話である・・・・・・。


で、後者の「自分とそっくりな人に会ったら死ぬ」に関しては、いま考えると、「自分とそっくりな人=ドッペルケンガー」のことだったようである。


一般的にドッペルケンガーと出会うことは、「死の予兆」だといわれていて、幻覚では済まされないほど、多くの伝承が残されている。


文豪、芥川龍之介も、ドッペルケンガーを見たといわれており、目撃後間もなくして、死亡したともいわれている。


ところでこのドッペルケンガーは、「自分とそっくりな人」ではなく、どうも「自分自身」のようなので、そっくりさんとは違って、会話など意思の疎通は出来ないようである。


もし、出来たとしたら、それはもはや病気であり、〇〇科の専門医のお世話になることになる・・・・・・。


一方の「自分とそっくりな人」に関しては、自分とは別人の、「ただのそっくりな人」なので、もし街で出会ったら、勇気を出して話しかけてみるのもいいかもしれない。


ただ、自分と見分けが付かないくらい、そっくりな人と出会った場合、それがそっくりさんなのか、ドッペルケンガーなのか、どうやって区別をつけたらいいのか悩むところだ・・・・・・。


(画像上、落葉したイチョウの葉で、黄色い世界が出来上がっていた・・・・・・。画像下、越冬中のアカスジキンカメムシが、日光浴に出て来ていた・・・・・・)






2025年10月15日 (水)

扇風機をつけたまま寝ると死ぬ

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昭和の頃は日常生活に密着した迷信や都市伝説というのがけっこうあった。


そしてそれらは、真偽のほどは定かではないのに、なぜか信じている人が多かった・・・・・・。


例えば私が子供の頃に聞かされた話では、「夏の夜に扇風機をつけっぱなしにして寝ると死ぬ」というのがあった。


当時はこの話を信じている人が少なくなかったので、寝室の電気を消灯して、「さあ、寝るぞ!」となった時点で、扇風機の電源スイッチもOFFにしていた。


当時はエアコンなんてなかったので、扇風機の電源をOFFにすると、頼りになるのは、窓から入って来る自然の風か、自家発電による団扇の風だけだった・・・・・・。


で、何で扇風機をつけっぱなしにして寝ると死ぬのかというと、私が聞いた話では、扇風機の風が身体に当たり続けることにより、身体が冷え切ってしまい、低体温の状態が長時間続くことで、ついには生物として生存していくことが困難になってしまうということらしい。


当時子供だった私は、大人からこの話を聞かされて、「怖ぇ~~~」と震え上がったのを覚えている・・・・・・。


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当時、「扇風機をつけっぱなしにして寝ると死ぬ」原因は、いくつかささやかれていて、「脱水症状を起こして死ぬ」というのもあった。


子供の頃は、脱水症状なんていわれても、正直、何のことやら、よく分からなかったのだが、扇風機をつけっぱなしにしていることで、体内の水分がどんどん奪われていき、ついには蒸発する水分もなくなり、最後は魚の干物のようになって死ぬのだとか。


魚の干物と聞いて、最初のうちは、「そんな馬鹿な・・・」と笑っていたのだが、たまたま見ていたテレビ番組で、医学博士の先生が、「人は寝ている間にも汗をかいていて、一晩でコップ一杯分もの水分が身体から失われているのです」といっていて、その瞬間、私の中で、「干物になって死ぬ説」の信憑性がググッと急上昇したのはもはやいうまでもない・・・・・・。


さらにいうと、人は発汗以外にも、皮膚や呼気からも水分を失っているのだとか。


なので、汗をかいていなくても、水分補給は必要ということになる。


扇風機をつけたまま寝てしまうと、本人は眠っているため、水分を補給出来ないばかりか、扇風機の風で失われる水分量が倍増し、もはや干物へ一直線といっても過言ではないだろう・・・・・・。


で、昭和の頃に、まことしやかに語られていた、「扇風機をつけっぱなしで寝ると死ぬという話は事実なのか?」についてだ。


じつはこれについては、「死にはしないが、風の当たりかたによっては、体調不良を起こすかもしれない」というのが答えのようだ・・・・・・。


私が最近見たテレビ番組では、「扇風機をつけて寝るのなら、風は足に当てるようにするとよい」とのことだった。


上半身に扇風機の風を当て続けると、お腹が冷えて腹痛や下痢を引き起こしたり、口を開けたまま寝ていると、口の中やのどが乾燥し、風邪を引きやすくなったりするとのことだった。


どうやら扇風機をつけっぱなしにして寝ても、死ぬことや干物になることはないようである・・・・・・。


(画像上、キンモクセイが咲き始めた。画像下、道を堂々と歩いていたハラビロカマキリ・・・・・・)



2025年9月10日 (水)

晦日祓い

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▲開発に取り残された土手に立てられた「みそかっぱらい」。昭和の頃はよく見かけたものだが、最近は住宅事情が変わったこともあってか、あまり見かけなくなってしまった・・・・・・。

子供の頃は無知だったこともあって、いろいろなものが怖かった。


例えば毎年正月休みの頃になると、近所の道端に突如出現する幣束があげられる。


幣束とは神道で神様に捧げる供え物や、祓いの儀式の際に用いられる道具のことだ。


その見た目は細長い木や竹の棒に、「紙垂(しで)」と呼ばれる特殊な形に切った白い紙を挟んだものといえば、分かってもらえるだろうか・・・・・・。


ただ、近所の道端に出現する幣束は、どういうわけか、とても小さいのである。


どのくらいの大きさなのかというと、柄の部分は割り箸ほどの長さしかなくて、そこに取り付けられている紙垂も、それに見合ったサイズということになる。


子供の頃は、前述のような知識もなかったので、「もしかして、呪いの儀式を行った跡なんじゃないか?」などど思っていた・・・・・・。


で、この幣束なのだが、どのような場所に出現していたのかというと、民家の塀の下に刺してあったり、道端の植え込みの下だったり、駐車場の隅っこだったり、畑の周りだったり、とにかく様々な場所に刺してあった。


子供たちの間では、この幣束を見つけても、じっと見つめてはいけないとか、絶対に触ってはいけないとか、幣束を見つけたら、視界から消えるまで、息を止めていなくてはいけないなどといわれて恐れられていた・・・・・・。


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▲住宅の脇のわずかに残された土の部分に刺してあった「みそかっぱらい」。最近は土が露出している場所が少なく、「みそかっぱらい」を刺す場所を探すのも一苦労のようだ。アスファルトの割れ目に無理矢理差し込まれていた場所もあった・・・・・・。

当時はいまと違って、スマホはおろか、パソコンすら普及していなかったので、「分からないことがあったら気軽に検索」なんて、夢のまた夢の時代だった。


このため分からないことがあった時は、誰かに聞くか、図書館や本屋に行って調べるしかなかった・・・・・・。


誰かに聞くにしても、誰に聞くのがベストなのかなんて分かるはずもなく、結局のところは、身近なところにいる友達に、とりあえず話してみるというのが定番だった。


いま思えば、聞いたところで、何一つ解決しない相手にばかり相談していたのだなぁと思う・・・・・・。


そんな状況だったので、「アレは魔女が呪いの儀式に使った道具だ」とか、「見たこともない老婆がアレを振って呪文を唱えていた」とか、「小人のババアがアレにまたがって、空を飛んでいるのを見た」などという、ろくでもない回答ばかりが収集されていた。


どうでもいいが、なんでこういう怖い話には、ばあさんがつきものなのだろう・・・・・・。


で、私はこの幣束が何なのかについて、ちゃんとした正解を知ったのは、大人になってからだった。


じつはこの幣束は、「晦日祓い」といい、多くの人は「みそかっぱらい」と呼んでいた・・・・・・。


晦日祓いは日本の民間の年中行事のひとつで、幣束は暮れに神社からもらって来る。


神棚のお札といっしょに配布されるところが多いようだ・・・・・・。


そしてその家の主人が、晦日祓いで、まずは家族全員の頭の上を祓い、その後、全ての部屋をお祓いして回る。


そして祓い終わった幣束は、家の外の土が露出している地面に刺して終了となる・・・・・・。


この行事の意味は新年を迎えるにあたり、悪いものを家の外に追い出して、家の中を清浄な状態にしてから、晴れて年神様を迎えましょうという意味合いがある。


そんなわけで、正月休みに近所の道端に出現していた幣束は、べつに恐れるようなものではなかったのだ。


誰だよ、「魔女が呪いの儀式に使った道具だ」なんていったやつは・・・・・・。



2025年9月 3日 (水)

刺さったトゲを放置していると死ぬ

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昭和の頃には日常生活に密着した迷信や都市伝説というのがけっこうあった。


そしてそれらは真偽のほどは定かではないのに、なぜか信じて疑わない人がなぜか多かった・・・・・・。


たとえば、「指に刺さったトゲを抜かずにそのまま放置していると死ぬ」という話は有名だった。


いまでは指にトゲが刺さることなんてめったにないが、昭和の頃はけっこう頻繁にトゲが刺さっていたものである・・・・・・。


では、当時はどうしてそんなにトゲが多かったのかというと、まず、身の回りのものに木製品が多かったことがあげられる。


そもそもの話、昭和の頃は、家からして木造の日本家屋が多かった。


私は縁側に座って、庭をボーッと眺めているのが好きな子供だった。


縁側には背もたれなんてないので、板材の上に両手をついて、足をブラブラさせながら座っていたのだが、トゲが刺さるのはそんな時だった。


縁側の板材が古くなって来ると、所々がささくれ立って来て、小さなトゲが出来てくる。


そのトゲがある場所に、運悪く手をついてしまうと、指にトゲが刺さってしまうことになるわけだ。


その他にも、靴を履く時に、木製の下駄箱に手をついた時や、引き戸式の下駄箱を開けようとした時に、トゲが刺さることが多かった・・・・・・。


当時の木製品は、現在のものと違って、木の風合いを残したものが多く、現在のもののように、角を丸めたり、つるつるにコーティングしたものは少なかった。


このことがトゲが刺さることの原因だったように思う・・・・・・。


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そしてもうひとつ、トゲのトラップが仕掛けられた場所をご紹介するなら、「雨戸」があげられる。


日本家屋の雨戸といえば、大型の引き戸になっていて、普段は戸袋と呼ばれる収納スペースに入れられていた。


そして夜寝る前に、戸袋から引き戸を1枚ずつ引き出して、雨戸を閉めていくのだが、この時にトゲが刺さることがよくあった・・・・・・。


戸袋に収納されている雨戸はけっこう重く、しっかりと持って、力を込めて引き出さないと、びくともしなかった。


しっかりと持って力を込めれば、刺さったトゲは小さくても、指の奥の方まで入り込んで、やっかいなことになるわけだ・・・・・・。


深く刺さってしまったトゲというのは、取り出すのも容易ではなく、毛抜きで摘まんでなんて到底無理で、それこそ、「縫い針を使ってほじくり出す」ぐらいしなくては、抜くことは困難だった。


縫い針を使ってほじくり出すのは、時間がかかるうえに、信じられないくらい痛く、「これを我慢するくらいなら、トゲが刺さっている痛みの方がまだまし」と思えるほどだった。


そんなこともあって、刺さったトゲは、とりあえず放置することも少なくなかったのだが、そんな時にふと思い出されるのが、冒頭の「刺さったトゲを抜かずに放置していると死ぬ」というアレだったのだ・・・・・・。


では、なぜそんなことぐらいで死ぬのかというと、刺さったトゲはゆっくりと時間をかけて体内に入り込んで行き、そのうちに血管の中へ侵入、そして全身を巡り巡って、最終的には心臓に刺さって死ぬといわれていた。


そして、トゲの痛みを感じなくなったら、それは血管に入り込んだサインだともいわれていたので、痛みをこらえながら、必死になって縫い針で刺さったトゲをほじくり出そうとしている強者もいた。


で、個人的には、「1ミリあるかないかという大きさのトゲが心臓に刺さったところで死にゃあしないだろう」と思ってはいたのだが、万が一に備えて、トゲが刺さった直後は、とりあえずは縫い針チャレンジもしておいた。


ちなみにそれでトゲが抜けた試しはなかったが、抜けなかったトゲが心臓に刺さって死んだ試しもなかったのである・・・・・・。


(画像上、夏の終わりと秋の到来を告げるセミ、ツクツクボウシ・・・・・・。画像下、林床の水分が保たれている場所では、秋のキノコがちらほらと顔を出し始めた・・・・・・)



2025年8月20日 (水)

音楽室のうわさと鼻血の原因

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昭和の頃には日常生活に密着した迷信や、都市伝説というのがけっこうあった。


そしてそれらは真偽のほどは定かではないのに、なぜか信じている人が少なくなかった・・・・・・。


例えば学校の七不思議として有名になった、音楽室の肖像画の目が夕方になると、キョロキョロと動き出すとか、誰もいないはずの音楽室から、ピアノを弾く音が聞こえて来るという、いわゆる「怖い話」などがそうだ。


じつはこれについては、実際に見たり聴いたりしたという人が、1クラスに何名かは必ずいたものである。


他の七不思議に関しては、エピソードが伝わっているだけで、実際に体験した人はいなかったのに、音楽室の話だけは、目撃者や体験者がいて、妙に信憑性が高かったのである・・・・・・。


で、この音楽室のエピソードなのだが、私が大人になってから聞いた話では・・・・・・、むかし放課後に音楽室で遊んでいた女の子がいて、何かの拍子にピアノの蓋に身体を挟まれて、大怪我をしたことがあったのだという。


この事件がきっかけとなって、先生や保護者が、子供たちにいつまでも学校にいないで、早く帰ってもらおうと、夕方になると音楽室の肖像画の目が動くとか、誰もいないはずの音楽室から、ピアノを弾く音が聞こえて来るという、子供が怖がるような話を、わざと流したのだという。


そしてこれが全国的に広まり、学校の七不思議の1つになったということらしい・・・・・・。


しかし、その後、うわさを流した先生や保護者たちが、予想もしていなかったことが起こり始める。


遅くまで学校で遊んでいた子供たちの中から、実際に肖像画の目が動いたのを見たという者や、誰もいない音楽室からピアノを弾く音が聞こえたと主張する者が複数人現れたのだ。


ただのうわさ話が都市伝説へ昇華した瞬間だった・・・・・・。


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昭和の頃に聞いたうわさ話に、「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」というのもあった。


これについては、うわさ話というよりも、「本当の話」として語られていたので、チョコレートを食べるときには、どのくらいが適量なのかが分からず、「もしかしたら、もうひとくち食べたら、鼻血が出るんじゃないか・・・」と、ビクビクしながら食べていたのを覚えている。


そしてどうもこのうわさを流したのも、じつは子供たちの親だったようだ・・・・・・。


戦後の日本では、アメリカ兵が配ったチョコレートが流行していた。


しかし、チョコレートばかり食べていると、身体が甘いものを摂取したことで満足してしまい、まともに食事が出来なくなってしまう。


このことを懸念した親がチョコレートを控えさせるという意味で、そのようなうわさを流したのではないかと考えられている・・・・・・。


そもそもの話、カカオポリフェノールには血圧を下げる効果があり、鼻血は逆に出にくくなるそうなのだ。


大人に比べて子供の方が鼻血が出やすいのは、鼻の穴をほじったり、こすったりしてしまい、その時に出来る傷が原因なのだそう。


チョコレートの食べすぎとは何の関係もないのだ。


同様にピーナツを食べ過ぎると鼻血が出るという話もあるが、こちらもチョコレートと同様に、食べ過ぎて食事を摂れなくなることを懸念した親が流したうわさだったようだ・・・・・・。


もうひとつ、つけ加えるなら、「エッチなものを見ると鼻血が出る」というのもある。


昭和の漫画にはよくある描写で、ヒロインのパンツや裸を、偶然見てしまった主人公が、両方の鼻の穴から鼻血を、「ブーーーツ!」と勢いよく噴射するシーンがある。


これについても、子供に見せないために、親(大人)が作り出した迷信だといわれている。


これらのことから総合的に判断すると、「大人の言うことは、鵜呑みにしない方がいい」ということである・・・・・・。


(画像上、立秋を過ぎるとちらほらと鳴き始めるツクツクボウシ・・・・・・。画像下、セミたちの母なる木。こんなにたくさんのセミたちを地上へ送り出して来た・・・・・・)

2024年10月 8日 (火)

オクラとスイカにまつわる迷信

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昭和の頃には、日常生活に密着した迷信や、都市伝説というのがけっこうあった。


我が家でもそれは例外ではなく、私が幼かった頃、母から「スイカやオクラの種は、うっかり食べてしまうと、次第に腹に貯まっていき、それが原因で盲腸になる」という話をよく聞かされたものだった。


具体的にどういう話だったのかというと、スイカやオクラの種は、そのまま飲み込んでしまうと、虫垂、いわゆる盲腸の部分に、知らぬ間に貯まっていき、それが原因で虫垂炎になるから、ちゃんと取り除いてから食べなくてはならないという、非常に面倒くさい話だった・・・・・・。


このため母は、オクラを調理する時には、まずオクラを縦半分に切って、種の部分をきれいに掻き出してから調理を始めていた。


一方のスイカの方はというと、オクラのように一掻きで種を取り出すという訳にはいかなかったので、食べるときに自分で一粒ずつ種を取り除かなくてはならず、せっかくキンキンに冷やしておいたスイカなのに、食べ始めるころには生温かくなっていて、とてももどかしく感じたものである・・・・・・。


で、スイカの場合、食べる前に表面の種をスプーンできれいに取り除いても、果肉の内側にも種は点在しており、やっとの思いでひとくち食べられても、今度は口の中で種探しを始めなくてはならなかった。


このため子供にはスイカを食べるのは異常に時間がかかり、正直面倒くさいことこのうえなかった。


早い話がスイカは食べたいけれど、食べるのが面倒くさいというジレンマに悩まされていたのである・・・・・・。


しかし、面倒でもこれをやらなければ盲腸になるかも知れないのだ。


盲腸になったという人の話を聞くと、大の大人が七転八倒するほど、とてつもなく痛いものらしい。


うんこが出そうな時に起こる腹痛とは訳が違うのだ。


そんな激痛レベルの痛みを避けられるのなら、スイカの種を1粒1粒丁寧に取り除く手間など屁でもない・・・・・・。


ところで当時の私には疑問に感じていることが1つあった。


ドリフの志村けんは、スイカの早食いを特技としていた。


あんなに猛烈な勢いで、スイカをあっという間に平らげてしまうのだから、きっとスイカの種を取り除いている暇などないはずである。


きっと、あれでは種も全部丸飲みに違いない。


それなのに志村けんは、なぜ盲腸にならないのか。


ドリフはテレビで毎週やっているのだから、盲腸になって入院でもしたら、きっと番組は休むことになるだろう。


それなのに、志村けんが休んでいるところは、結局のところ、一度も見たことがなかった・・・・・・。


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ところで、スイカといえば、もう1つ迷信というか、都市伝説があったのを、みなさんはご存知だろうか。


どのような迷信だったのかというと、スイカの種をうっかり飲み込んでしまうと、お腹の中でスイカが芽を出し、なんとへそを突き破って蔓が生長してくるというのである。


今だったら、「そんな馬鹿な・・・」と、一笑に伏すところだが、当時は大人が大真面目にその話を語っていたので、信じている子供も少なくなかった。


そんなこともあって、当時の子供たちは、スイカは食べたいけれど、種は絶対に飲み込んではいけないという極度の緊張感と戦いながら、スイカをひとくちずつ、慎重に食べ進めていたのである・・・・・・。


そこまでしていても、「もしかしたら、さっきうっかりスイカの種を、一粒飲み込んでしまったかも知れない」と感じる時があった。


そんな時は、「明日になって、腹が痛くなったらどうしよう・・・」とか、「朝起きたら、へそからスイカの蔓が伸び始めていたらどうしよう・・・」とか、悪いことばかり考えてしまい、なかなか寝付けずに、悶々とした一夜を過ごすことになるのである・・・・・・。


ところで、このオクラやスイカにまつわる迷信(都市伝説)だが、私は中学2年の夏に、全くのデマであることを確信した。


そのきっかけとなったのは、スーパーの惣菜コーナーで買った、「オクラと豆腐の和え物」だった。


そしてその日の夕飯の一品として、その惣菜はだされたのだが、なんとよく見ればそのオクラはぶつ切りで、種を一切取っていなかったのだ。


私がそのことに気付いたのは、もう夕飯をすっかり食べ終わる頃だった・・・・・・。


その日の晩は、もうお先真っ暗の心境で、盲腸にならないことを何度も神に祈りながら、布団へ入ったのだった。


次の日の朝、不思議なことに、あれほど恐れていた腹の痛みは、なぜか少しも感じられなかった。


「あれ?」と思いながら、便意を感じて便所へ行くと、便秘の人がうらやむほどスムーズにブリブリとうんこが出た。


そして、お尻を拭いて、立ち上がり、自分の尻から捻り出されたうんこをまじまじと見つめる。


すると、次の瞬間、思わず「あっ!」と声が出ていた。


なんとなんと、目の前でぐったりと横たわっている私のうんこには、白いつぶつぶがびっしりと入っていたのだ。


もはやいうまでもなく、それはオクラの種だった。


「何だ、食べちゃっても、うんこで出るんじゃん・・・」


私は脱力しながら、自分のうんこをボーッと見つめ続け、そんなひとりごとをボソリとつぶやいていた。


スイカの場合は種が黒いので、今までは全く気付かなかったが、オクラの経験を踏まえて、スイカを食べた翌日のうんこをよーく観察してみると、やはりオクラと同様に、うんこにしっかりと種が練り込まれていた。


一体あの迷信はなんだったのだろうと、今でもふと思うことがある・・・・・・。


(画像上、今年は開花が遅れに遅れた彼岸花・・・・・・。画像下、キクイモの花が見頃になった・・・・・・)



2024年5月17日 (金)

ミミズバーガーのうわさ

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昭和の頃には、「その話し本当なの?」と思うような、どうしようもない噂話がたくさんあった。


冷静になって考えてみれば、どう考えても嘘なのに、当時は「本当の話」として、真面目に語られていたので、そのことを信じて疑わない人も少なくなかった。


ひとつ例を挙げるなら、「マクドナルドのハンバーガーにはミミズの肉が使われている」という話が有名である。


今だったら、「都市伝説」という言葉ひとつで片付けられてしまい、発信する側も、受け取る側も、「信じるか信じないかは、あなた次第です」というスタンスがお約束になっている。


しかし、昭和の頃には、「都市伝説」などという便利な言葉は存在していなかったので、本当なのか嘘なのか分からない話は、あくまでも「噂」であって、その話を事実として受け取って信じている人もたくさんいたのだ・・・・・・。


では、「マクドナルドのハンバーガーにはミミズの肉が使われている」という話は、具体的にはどのようなものだったのだろうか。


この手の話というのは、時代と共にアップデートされて行くので、この話が現在どのような内容になっているのかは私は知らない。


ちなみに私が子供の頃に聞いた話では・・・・・・、


「マクドナルドのアルバイト店員が何気なく調理場を覗いたところ、調理担当者がハンバーグの具材にミミズの肉を入れて調理しているところだった。そして、その様子を見ていた店長に、店の奥へ連れて行かれて、口止め料として多額の現金を渡された・・・・・・」


また、別の話では・・・・・・、


「客の女子高生が店内でハンバーガーをひとかじりしたところ、ハンバーガーから何やら赤いひものようなものが垂れ下がって来た。そしてそれをよく見ると、まるでミミズのような縞模様が入っており、女子高生がそのことについて、店員にクレームを言うと、店の奥へ通されて、現金を手渡された・・・・・・」といった話が有名だった・・・・・・。


確かミミズ以外にも、犬の肉や猫の肉、ネズミの肉などのバリエーションがあったと思う。


ネコの肉説では、店舗裏のポリバケツに、猫の皮が捨ててあったとか、店の冷蔵庫にネコの頭が並んでいたとか言われていて、マクドナルドには野良猫を捕獲するための専門の部署があるなんていう話も、まことしやかに語られていた。


と、そうはいっても、やはり主流だったのは、ミミズの肉説だったように思う・・・・・・。


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では、そもそもの話、どうしてこのような都市伝説が生まれたのだろうか。


じつはこれについては、いくつかの要因が重なって誕生した可能性が極めて高い。


まず、個人的に一番大きな要因と思っているのが、ハンバーグを作るために使用するひき肉が、一見ミミズっぽいビジュアルをしていることだ。


みなさんもご存じの通り、ひき肉は細長く、生の状態では赤っぽい色合いをしており、見方によってはミミズに似ていなくもない・・・・・・。


また、かつての精肉業界では、隠語としてひき肉のことを「ミミズ」と呼んでいたそうなのだ。


精肉のプロがひき肉のことを「ミミズ」と呼ぶぐらいなのだから、やはり生のひき肉のビジュアルはミミズに似ているのだろう。


もし、精肉業者がひき肉の納品の際に、「はい、ミミズ〇kgね~!」などと言いながら、ひき肉が入ったポリ袋を手渡したりしていたら、事情を知らないアルバイト店員は、その様子を見て、きっと仰天したに違いない・・・・・・。


しかし、そうはいっても、「そんな訳ないだろう!」と冗談だと思う人が大半だと思う。


では、当時はどうしてそこまで、ミミズバーガーの存在を信じて疑わない人が多かったのだろう。


じつはあの当時は、食用ミミズの養殖が話題になった時代でもあった。


海外では食用ミミズを食べる習慣がある国もあり、フランスでは高級食材とも言われていた。


そのような習慣のない日本では、衝撃のエピソードとしてテレビで紹介され、人々の記憶の中に強烈な印象を残していた。


そんな時代背景もあって、ミミズバーガーの都市伝説は、あの時代だからこそ、定着して行ったのだと思う・・・・・・。


また、ハンバーガーという食べ物は、牛肉を使っているにも関わらず、とにかく値段が安かった。


あの当時のハンバーガーの価格は、確か180円前後だったと思う。


ハンバーガーの値段だけ見たら、いまと大して変わらないが、牛肉といえば食肉界の王様である。


豚肉や鶏肉などと比べると、価格は格段に高くなるのは言うまでもない。


「ハンバーガーは牛肉を使っているにも関わらず、そんなに値段が安いのは、ちょっとおかしいんじゃないのか?」と考える人も少なくなかったようなのだ。


そこで人々の頭をよぎったのが、あの食用ミミズだったのである。


ちなみに私は子供の頃、牛肉が苦手だったので、ハンバーガーなんて食べたいとも思わなかったし、食べたことも一度もなかった。


だからハンバーガーにミミズが入っていようがいまいが、そんなことははっきり言ってどうでもよかった。


だから友達から、「ミミズバーガーの話を聞いてから、ハンバーガーが食べられなくなった」という話を聞かされても、あまりピンと来なくて、「へ~、そうなんだ~」と気のない返事しか出来なかったものである。


しかし、よく考えてみれば、その友達は、そのことを知らなかったとはいえ、ハンバーガーを「美味い、美味い!」と食べていたのだ。


ということは、「こいつにとって、ミミズって美味い食べ物ってことになるんじゃないのか?」と、私は頭の片隅で薄っすらと考えていたのだった・・・・・・。


(画像上、白、桃、赤と花色が移ろっていくハコネウツギの花・・・・・・。画像下、ブラシノキの花は、瓶を洗うブラシのような形をしている・・・・・・)



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